2008年、転倒事故で脊髄損傷(せきずいそんしょう)をおった義父は要介護5、障害者手帳は1級。自宅介護の約7年間、介護用品ではないけれど便利に使ったグッズがあり、あまり知られていないものもあるのでいくつか紹介していくシリーズ、「お義父さんの介護はエコノミカル~安くて便利なグッズ紹介~」第2回です。今回は、嚥下障害など症状が進んだ義父の最後の日々、欠かせなかったグッズをご紹介します。
経口補水液のOS-1は、軽度から中度の脱水症状の改善が期待できるので、これからの季節の脱水状態を予防するために用意しておくといいと思います。スポーツ飲料に比べても体への吸収が早く、脱水のとき素早く水分と電解質を補給できるそうで、のどの渇きを感じにくく水分を十分摂れなくなってきたお年寄りや、風邪で吐いたりお腹をこわしたりしているお子さんのために常備しておくといいと思います。
義父は、体温調節機能もあまり良くなかったので体温がこもって発熱しやすく、軽い脱水になることが多かったので、体が要求していたのだと思います。コマーシャルで見て、「これいいかも」と思って買ってきたOS-1を初めて飲んだとき、「これは美味いなあ」とごくごくと飲み干しました。しかし、義父には嚥下障害があってその症状が進んできたので、普通のOS-1をストローで飲むのは難しくなってきました。そこで、看護師さんからOS-1のゼリータイプを勧められたのですが、普通のペットボトルタイプに比べるとかなり割高なのです。500ミリリットルのペットボトルは1本180円~200円。一方、ゼリータイプは200グラムで同じくらいの値段なのです。しかも、飲み込む力の衰えた義父には、ゼリーがゆるすぎました。もっとしっかりと固めるにはトロミ剤が必要で、どうせトロミをつけるなら、量の多いペットボトルタイプを使おうというわけで、写真の3点セット:トロミ剤、OS-1ペットボトル、それをよくかき混ぜるための容器を常に手元に置いておきました。
こちらの写真は、100枚入っている口腔ケア専用のウエットティッシュです。他にも携帯用に10~20枚入りの小さいサイズのものもありますが、食後必ず使うものなので、普段はこの大きさのものがリーズナブルでしょう。800円前後でした。口腔ケアスポンジなども使っていましたが、水分が口に入るとむせるようになった義父の口腔ケアには、濡らして使うスポンジも難しくなってきたのです。そこで摂食・嚥下の問題に対応する言語療法士さんに教えてもらったのが、このティッシュです。ノンアルコールで保湿成分があり、ティッシュ自体に水分が含まれているので、水を使わずに口の中の掃除が出来ます。使い捨ての介護用手袋をして、指にティッシュを巻き付けて使います。歯茎や舌などを優しくふき取り汚れを取ります。
口の中の手入れをきちんとすれば、必ずいい結果が得られます。食べかすなど汚れが残っていると口内が不潔になり、肺炎を引き起こしますから、食後しっかりと歯磨きをしたいのですが、口が開けにくかったり水分が摂りにくい場合は口内用ウエットティッシュは大変便利なものでした。
次のグッズは、パッドやガーゼなどを止めるのに必要なばんそうこう(左)と、ホームセンターなどで売っているビニールテープです。普段は医療用の写真のものを使っていました。しかし、褥瘡(じょくそう)=床ずれが出来てしまって、弱った皮膚の近くに、毎日何度もテープを貼らなければいけなくなったとき、訪問看護師さんが教えてくれたのが、このビニールテープです。医療用ばんそうこうに比べれば粘着力が低い分、肌に優しく、何より値段が違いました。ばんそうこうは350円前後、ビニールテープは30円前後で手に入ります。
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