韓国発の大ヒットミュージカル「フランケンシュタイン」が2017年の幕開けとともに、いよいよ日本にもやってきます。この作品に出演する小西遼生さんにお話をうかがいました。メインキャストが全て2役を演じるのも、この作品の注目ポイントのひとつ。小西さんはビクター・フランケンシュタインの親友アンリと、ビクターがアンリの亡骸から生み出した「怪物」の2役を演じます。これまでも韓国ミュージカルに縁のある小西さんならではの作品への思いや、2役演じることの意味、共演者とのいい関係、そして、役者としてのこれからについてまで、熱く深く語ってくれました。(上)(下)2回に分けてご紹介します。
■韓国では、そこらじゅうでオリジナルミュージカルをやっています
――お稽古が始まって1週間ほどですが、手応えはいかがですか?
一から作っている感じで面白いですね。新作のやりがいをすごく感じています。
――前半はアンリというビクター・フランケンシュタインの親友役ですが、後半は怪物になってしまうという。役の見どころはどんなところでしょう?
心の動きがとても見える役ですし、与えられている音楽も作品中で一番キャッチーな部分を担っています。「どこが」というよりは、全体的にすごくいい役だなと思っています(笑)。
――全体的にすごくいい役ですか! 小西さんは韓国ミュージカルにご縁がありますよね。今回は韓国の舞台もご覧になったということですが。
今、韓国ではミュージカルを創る文化が発展していて、そこらじゅうでオリジナルミュージカルをやっています。日本にも色々な演劇があるけれど、やはりミュージカルをオリジナルで創るためには音楽家が育っていることなど、条件が必要です。そういう意味で、本当に発展してきているのを実感しました。今まではブロードウェイやウエストエンド、あるいはフランスなどのミュージカルが位の高いものというイメージがあったけれど、負けていないですよね。今の日本はまだ韓国ミュージカル上演の先駆け的な時代だと思うので、そういう時期に縁をつないでもらっているのは、ありがたいなと思います。
■悲惨な過去が物語の動機になる。だから、気楽には作れない
――他のミュージカルと比べての、韓国ミュージカルならではの特徴は何でしょう?
やっぱり「泣き」が多いですよね、(笑)。泣かせる曲だったり、泣きの芝居だったり。「泣き」といっても「号泣」ではないんです。何だか、泣いているねっていう感じ。演劇も国や時代によって「定番」のメロディやストーリーがあると思うのですが、韓国ではそういうものが好まれるんでしょうね。あとは、よく回想シーンが出てきます。子ども時代に突然返っちゃったりとか、多いんですよね。
――そういえば「ブラック メリーポピンズ」などもそうでした。
過去に悲惨な目にあって現在がある、みたいな展開。つまり物語を創り出す動機が、苦労話や悲劇なんです。
――そういう作品を演じるのって、どうですか?
苦しいですよ。手放しに「楽しい」と言えるものではないですね。現代にも実際にそういう生い立ちの人がいたりしますし、作品自体が何かを冒涜してしまってはいけないので、やっぱり気楽には作れない。作るのも演じるのもかなり大変です。
――「フランケンシュタイン」もそういうところがありますか?
そうですね。非現実的なものと現実的な問題とが絡まっている大胆な作品ですから、丁寧に作っていかなきゃなと思います。怪物自体は実在しているわけではないけれど、彼が生まれてきた理由を探っていくと、やっぱり現代にも似たようなことはたくさんあると思うんです。
■歌は「よくもまあ、こんなに歌うよな」っていうぐらい分量もある
――音楽的にはいかがですか?
難しいです。とてもいい音楽がたくさんあるのですが、本当に難しいですね。
――「難しさ」は、どういう部分ですか?
楽曲が難しいんです(笑)。楽曲レベルが高いし、「よくもまあ、こんなに歌うよな」っていうぐらい分量もあるし(笑)。体力的なことも含めて、とても高度なことを要求されています。でも、アンリが担当している部分に、耳に残るドラマチックな曲が多いので、お客さんを楽しませなきゃいけないなと思いますね。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)向け部分には、小西さんに「フランケンシュタイン」共演者について語っていただいた内容を掲載しています。また、小西さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインすると、この記事の末尾にプレゼント応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは、1月17日(火)です。(このプレゼントの募集は終了しました)。1月3日掲載予定のインタビュー「下」では、人間の中の複合的な善と悪や、小西さんが目指す次のステージなどについてうかがったお話を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>
■桂ちゃんは、女の子なのにやんちゃぶるから(笑)
■和樹くんとは、一つの役に対して2人で試行錯誤している
■アンサンブルメンバーも含めて全員が気のいい方ばかり
<ミュージカル『フランケンシュタイン』>
【東京公演】2017/1/8(日) ~ 2017/1/29(日) 日生劇場
【大阪公演】2017/2/2(木) ~ 2017/2/5(日) 梅田芸術劇場メインホール
【福岡公演】2017/2/10(金) ~ 2017/2/12(日) キャナルシティ劇場
【愛知公演】2017/2/17(金) ~ 2017/2/18(土) 愛知県芸術劇場大ホール
<関連サイト>
日生劇場 http://www.tohostage.com/frankenstein/index.html
梅田芸術劇場 http://www.umegei.com/schedule/565/index.html
キャナルシティ劇場 http://canalcity.co.jp/news/event/1249
愛知県芸術劇場大ホール http://search-event.aac.pref.aichi.jp/p/event_month_kouen.php
小西遼生 OFFICIAL SITE https://konishiryosei.com/
小西遼生 オフィシャルブログ http://ameblo.jp/ryosei-konishi/
小西遼生
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- 逃げ場なく物語にのまれる「ブラック メリーポピンズ」 20160524
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フランケンシュタイン
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興味深く拝読させていただきました。
小西さんの声質はハスキーで韓国オリジナルのグランドミュージカルは
どうなんだろうと思っていましたが、見応えのあるアンリ、怪物でした。
歌い上げる場面も素晴らしかったですが、最後、少年に向けて歌うラストナンバーは
小西さんの哀感に満ちた歌声にぴったりでした。
ところで、私が見たことがないだけかもしれませんが、
今回小西さんのダンス?を初めて拝見しました。
意外に(?)サマになってらしたので、もっとなさったらいいのにと、僭越にも思いました。
次回インタビューされる機会がおありでしたら、グランドホテルの藤岡さんに倣って
踊るミュージカルスターの仲間入りをお勧めいただけたらと思います。