「フランケンシュタイン」出演、小西遼生インタビュー(上) 「丁寧に作っていかなきゃ」 | アイデアニュース

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「フランケンシュタイン」出演、小西遼生インタビュー(上) 「丁寧に作っていかなきゃ」

筆者: 中本 千晶 更新日: 2017年1月2日

韓国発の大ヒットミュージカル「フランケンシュタイン」が2017年の幕開けとともに、いよいよ日本にもやってきます。この作品に出演する小西遼生さんにお話をうかがいました。メインキャストが全て2役を演じるのも、この作品の注目ポイントのひとつ。小西さんはビクター・フランケンシュタインの親友アンリと、ビクターがアンリの亡骸から生み出した「怪物」の2役を演じます。これまでも韓国ミュージカルに縁のある小西さんならではの作品への思いや、2役演じることの意味、共演者とのいい関係、そして、役者としてのこれからについてまで、熱く深く語ってくれました。(上)(下)2回に分けてご紹介します。

小西遼生さん=撮影・宮川舞子

小西遼生さん=撮影・宮川舞子

■韓国では、そこらじゅうでオリジナルミュージカルをやっています

――お稽古が始まって1週間ほどですが、手応えはいかがですか?

一から作っている感じで面白いですね。新作のやりがいをすごく感じています。

――前半はアンリというビクター・フランケンシュタインの親友役ですが、後半は怪物になってしまうという。役の見どころはどんなところでしょう?

心の動きがとても見える役ですし、与えられている音楽も作品中で一番キャッチーな部分を担っています。「どこが」というよりは、全体的にすごくいい役だなと思っています(笑)。

――全体的にすごくいい役ですか! 小西さんは韓国ミュージカルにご縁がありますよね。今回は韓国の舞台もご覧になったということですが。

今、韓国ではミュージカルを創る文化が発展していて、そこらじゅうでオリジナルミュージカルをやっています。日本にも色々な演劇があるけれど、やはりミュージカルをオリジナルで創るためには音楽家が育っていることなど、条件が必要です。そういう意味で、本当に発展してきているのを実感しました。今まではブロードウェイやウエストエンド、あるいはフランスなどのミュージカルが位の高いものというイメージがあったけれど、負けていないですよね。今の日本はまだ韓国ミュージカル上演の先駆け的な時代だと思うので、そういう時期に縁をつないでもらっているのは、ありがたいなと思います。

■悲惨な過去が物語の動機になる。だから、気楽には作れない

――他のミュージカルと比べての、韓国ミュージカルならではの特徴は何でしょう?

やっぱり「泣き」が多いですよね、(笑)。泣かせる曲だったり、泣きの芝居だったり。「泣き」といっても「号泣」ではないんです。何だか、泣いているねっていう感じ。演劇も国や時代によって「定番」のメロディやストーリーがあると思うのですが、韓国ではそういうものが好まれるんでしょうね。あとは、よく回想シーンが出てきます。子ども時代に突然返っちゃったりとか、多いんですよね。

――そういえば「ブラック メリーポピンズ」などもそうでした。

過去に悲惨な目にあって現在がある、みたいな展開。つまり物語を創り出す動機が、苦労話や悲劇なんです。

――そういう作品を演じるのって、どうですか?

苦しいですよ。手放しに「楽しい」と言えるものではないですね。現代にも実際にそういう生い立ちの人がいたりしますし、作品自体が何かを冒涜してしまってはいけないので、やっぱり気楽には作れない。作るのも演じるのもかなり大変です。

――「フランケンシュタイン」もそういうところがありますか?

そうですね。非現実的なものと現実的な問題とが絡まっている大胆な作品ですから、丁寧に作っていかなきゃなと思います。怪物自体は実在しているわけではないけれど、彼が生まれてきた理由を探っていくと、やっぱり現代にも似たようなことはたくさんあると思うんです。

小西遼生さん=撮影・宮川舞子

小西遼生さん=撮影・宮川舞子

■歌は「よくもまあ、こんなに歌うよな」っていうぐらい分量もある

――音楽的にはいかがですか?

難しいです。とてもいい音楽がたくさんあるのですが、本当に難しいですね。

――「難しさ」は、どういう部分ですか?

楽曲が難しいんです(笑)。楽曲レベルが高いし、「よくもまあ、こんなに歌うよな」っていうぐらい分量もあるし(笑)。体力的なことも含めて、とても高度なことを要求されています。でも、アンリが担当している部分に、耳に残るドラマチックな曲が多いので、お客さんを楽しませなきゃいけないなと思いますね。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)向け部分には、小西さんに「フランケンシュタイン」共演者について語っていただいた内容を掲載しています。また、小西さんのサイン色紙と写真1カットを、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインすると、この記事の末尾にプレゼント応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは、1月17日(火)です。(このプレゼントの募集は終了しました)。1月3日掲載予定のインタビュー「下」では、人間の中の複合的な善と悪や、小西さんが目指す次のステージなどについてうかがったお話を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■桂ちゃんは、女の子なのにやんちゃぶるから(笑)

■和樹くんとは、一つの役に対して2人で試行錯誤している

■アンサンブルメンバーも含めて全員が気のいい方ばかり

<ミュージカル『フランケンシュタイン』>
【東京公演】2017/1/8(日) ~ 2017/1/29(日) 日生劇場
【大阪公演】2017/2/2(木) ~ 2017/2/5(日) 梅田芸術劇場メインホール
【福岡公演】2017/2/10(金) ~ 2017/2/12(日) キャナルシティ劇場
【愛知公演】2017/2/17(金) ~ 2017/2/18(土) 愛知県芸術劇場大ホール

<関連サイト>
日生劇場 http://www.tohostage.com/frankenstein/index.html
梅田芸術劇場 http://www.umegei.com/schedule/565/index.html
キャナルシティ劇場 http://canalcity.co.jp/news/event/1249
愛知県芸術劇場大ホール http://search-event.aac.pref.aichi.jp/p/event_month_kouen.php
小西遼生 OFFICIAL SITE https://konishiryosei.com/
小西遼生 オフィシャルブログ http://ameblo.jp/ryosei-konishi/

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<筆者プロフィール>中本千晶(なかもと・ちあき)/フリージャーナリスト。兵庫県生まれ、山口県育ち。東京大学法学部卒業後、株式会社リクルートに勤務ののち独立。舞台芸術、とりわけ宝塚歌劇に深い関心を寄せ、独自の視点で分析し続けている。宝塚歌劇関係の著作に『宝塚歌劇に誘(いざな)う7つの扉』『宝塚歌劇は「愛」をどう描いてきたか』(いずれも東京堂出版)など。「日経MJ」「朝日新聞デジタル」でも、舞台関連の記事を執筆中。NHK文化センター講師、早稲田大学非常勤講師。⇒中本千晶さんの記事一覧は、こちら

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最近のコメント

  1. 旨味の素子 より:

    興味深く拝読させていただきました。
    小西さんの声質はハスキーで韓国オリジナルのグランドミュージカルは
    どうなんだろうと思っていましたが、見応えのあるアンリ、怪物でした。
    歌い上げる場面も素晴らしかったですが、最後、少年に向けて歌うラストナンバーは
    小西さんの哀感に満ちた歌声にぴったりでした。

    ところで、私が見たことがないだけかもしれませんが、
    今回小西さんのダンス?を初めて拝見しました。
    意外に(?)サマになってらしたので、もっとなさったらいいのにと、僭越にも思いました。
    次回インタビューされる機会がおありでしたら、グランドホテルの藤岡さんに倣って
    踊るミュージカルスターの仲間入りをお勧めいただけたらと思います。

  2. みゃあ より:

    記事を読んで舞台を楽しみにしていました。
    アンリもとても素敵でしたが、怪物での演技の変化や細かい表情に感動でした。
    アンリが親友をかばい罪をかぶって歌う歌が切なく、高音の小西さんの声が何とも言えず切なさを倍増させていました。素敵な曲と歌に声がピッタリでした。相手役がダブルキャストなので、また違いを楽しみたいと思います。

  3. hanako より:

    ステキな笑顔の写真と、すごくフレンドリーな感じのインタビューで、とても楽しく読ませていただきました。ありがとうございます。

    実は「フランケンシュタイン」観劇してからこれを書いているのですが。。。
    すごかったです。観ていて、こちらの魂が痛くなるような作品でした。
    同時に、とても贅沢な作品でした。とにかくよかった!!

    小西くんのこれからのご活躍もとても楽しみにしています!!

  4. ゆー より:

    素敵な記事をありがとうございます!
    観劇後ですが、改めて記事を読み、より一層次の観劇が楽しみになりました!

  5. らんぽー より:

    毎回楽しく読ませていただいています

    ミュージカル『フランケンシュタイン』にかける小西遼生さんの思いやカンパニーの皆さんについて、よくぞ聞き出してくださいました
    彼らしい言葉で語ってくれたミュージカル『フランケンシュタイン』早く観にいきたいです

  6. ぽち蔵 より:

    興味深いインタビューと素敵なお写真をありがとうございます。
    ますます観劇が楽しみになります。

  7. とっこ より:

    フランケンシュタイン、非常に楽しみです。
    私は一日しか観劇できませんが、小西さんが
    どんな思いで挑むのか、とか、歌が素晴らしいとか、2役とか…楽しみで仕方ありません!
    大切な一回を焼き付けるためには…
    瞬きはしない勢いで、おもいっきり楽しみたいです。

  8. るみ より:

    小西さんが舞台にかける真摯な思いにいつも感心します。その思いは舞台の上にそのまま表れていつも期待を裏切りません。フランケンシュタインもきっとそうなると信じています。

  9. ことり より:

    いつも読み応えのある記事をありがとうございます。お写真もとてもステキで、毎回とても楽しみにしています。明日の(下)も楽しみです♪

  10. mamaka より:

    たくさんの写真と興味深いインタビュー、ありがとうございます。
    後半も楽しみです。

  11. 夢乃 より:

    いつも盛り沢山の素敵なお写真や
    役者さんの気持ちがよくわかる
    内容の記事やインタビュー
    ありがとうございます。

  12. かのん より:

    無料部分でもかなりのボリュームです。
    役についてどのように作り上げられていくのか?とか、個人的に興味があります。
    明日の後半部分も楽しみにしています。

  13. ゆう より:

    いつも素敵なインタビュー&お写真ありがとうございます。「下」も楽しみにしています♪

  14. まぁ より:

    ステキなインタビューありがとうございました。お稽古の楽しそうな雰囲気と小西さんの人柄が伝わってきます。(下)も楽しみにしています。ますます舞台が待ち遠しいです。

  15. kei より:

    記事、興味深く読ませて頂きました。(下)も楽しみです。初日が待ち遠しいです。お写真、本当にツボです。どのお写真も素敵ですが、この方の横顔、最強です!特に伏せ眼がち横顔アップ、クラクラします。新年早々、本当にありがとうございます。後半も期待しております。

  16. 白狐 より:

    『フランケンシュタイン』初日まで1週間と迫ってる今、作品に対しての言葉や共演者の方の話を伺い、益々楽しみになって来ました。明日の〈下〉と写真も楽しみです(^o^)/

  17. ちゅん より:

    『フランケンシュタイン』は、稽古場などつくっていく過程をオープンに見せてくださる出演者の方が多くて、初日を待つ観客側としても嬉しい限りです。
    小西さんの演劇論を一度(とは言わず何度でも)がっつり伺ってみたいです!

  18. みやび より:

    とても読みごたえのある記事で、作品の難しさ、共演者との仲の良さがわかります。そして、お写真もとても素敵です!
    (下)も楽しみです!

  19. サイク より:

    いつも素敵な写真&インタビューをありがとうございます。
    和樹くんと一緒の舞台に立てないって…笑ってしまいました。ポロっと本音がこぼれる感じがヨイですね。
    共演者の方への愛もこぼれてますが…
    (下)も楽しみです。

  20. 桜子 より:

    記事の内容も興味深く、お写真もとても素敵です。(下)も楽しみしています!

  21. K より:

    素敵なインタビューとお写真ありがとうございました。
    益々観劇が楽しみになりました。
    明日も楽しみに待ってますね♪

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