大きな鼻のコンプレックスに悩みながら、一人の女性を愛し続けたフランスの詩人・剣豪、シラノの物語『シラノ・ド・ベルジュラック』を、ラップやボイスパーカッションで気持ちを綴る前代未聞の全く新しい作品として脚色し、英国演劇界最高峰の賞といわれるローレンス・オリヴィエ賞でリバイバル賞を受賞したマーティン・クリンプ脚色版『シラノ・ド・ベルジュラック』が、日本で初めて、2022年2月に東京・東京芸術劇場 プレイハウス、大阪・COOL JAPAN PARK OSAKA TT ホールで上演されることが、2021年11月7日、発表されました。主演は、ミュージカル『モーツァルト!』、ミュージカル『マリー・アントワネット』、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で菊田一夫演劇賞を受賞するなどミュージカル界で広く活躍し、連続テレビ小説「エール」、映画「コンフィデンスマンJP」、連続ドラマ「私の正しいお兄ちゃん」、「女の戦争~バチェラー殺人事件~」など映像界でも活躍している古川雄大さん。古川さんにとってストレートプレイでの主演は、10年ぶりとなります。翻訳・演出は、イギリスで演劇学を学び、2005年劇団DULL-COLORED POP を旗上げ、小田島雄志翻訳戯曲賞、文化庁芸術祭優秀賞、岸田國士戯曲賞、鶴屋南北戯曲賞を受賞している谷賢一さんが担当します。
<古川雄大さんのコメント>
シラノといえば、あの特徴的な鼻。しかし今回はその鼻をつけずに、セットも飾らず、当時の衣装も着ず、小道具も使わず、身体と言葉だけで表現する新しい演出になっており、そこに原作で語られる詩の美しさの表現としてラップを加え、現代版「シラノ・ド・ベルジュラック」として、生まれ変わった作品の日本初演を務めることができて本当に光栄です。そして僕自身、10年ぶりのストレートプレイへの挑戦になります。最高の作品を、そしてシラノの淡い恋物語の中に隠されるさまざまなメッセージを皆様にお届けできるように努めます。ご期待ください。
<谷賢一さんのコメント>
これは言葉で戦う演劇です。もちろんすべての演劇が言葉で戦うものですが、『シラノ』はまさに言葉で敵と向き合い、愛を勝ち取ろうとする物語です。日本語の持つ言葉の楽しさ・豊かさに満ちた舞台に仕上げたいと思います。先日、古川雄大さんとも言葉に関するワークショップでお手合わせさせて頂きました。かなりの無茶振りをしたにも関わらず、全くひるまず好奇心旺盛に課題に挑むストイックな姿を見て、その場にいる全員が心奪われてしまいました。めちゃくちゃカッコいい。今から稽古が楽しみです。
■脚色:マーティン・クリンプ 1956年生まれ。1980年代より劇作をスタート。英国を代表する劇作家の一人であり、その革新的な劇作のスタイルは常に注目を集めている。1997年『Attempts on Her Life』により、英国国内のみならず国際的に確固たる地位を確立し、以降多数の作品が翻訳され多くの国で上演されている。英国内ではRoyal Shakespeare Company、National Theatre、Almeida Theatre、Young Vic、Barbican、Theatre de Complicite、The Orange Tree Theatre、Royal Court Theatreをはじめとする多数の劇場で上演されており、「最もその作品が上演されている現代劇作家の1人」とされている。主な作品は「シラノ・ド・ベルジュラック」(19/脚色)、「レッスン・イン・ラブ&ヴァイオレンス」(18/作)、「カントリー」(17/作)、「エンジェル」(04/脚色)、「アテンプツ・オン・ハー・ライフ」(97/作)
■翻訳・演出:谷賢一 1982年5月11日生まれ、福島県出身。明治大学演劇学専攻、英国にて演劇学を学んだ後、2005年劇団DULL-COLORED POP を旗上げ。ポップでロックで文学的な創作スタイルで、脚本・演出ともに高い評価を受けている。13年に『最後の精神分析』の翻訳・演出にて第6回小田島雄志翻訳戯曲賞、文化庁芸術祭優秀賞を受賞。19年には『福島三部作』を一挙上演し第64回岸田國士戯曲賞、第二部『1986年:メビウスの輪』にて第23回鶴屋南北戯曲賞を受賞。一方で、劇団外の活動も活発に行っており、海外演出家とのコラボレーション作品も脚本や演出補として数多く手がけている。最近の主な作品に『LUNGS』(21/演出)『丘の上、ねむのき産婦人科』(21/作・演出)『17 AGAIN』(21/翻訳・演出)、『チョコレートドーナツ』(20/翻案・脚本)『人類史』(20/作・演出)『アンチフィクション』(20/作・演出・出演)、『エブリ・ブリリアント・シング』(20/翻訳・演出)、『マクベス』(19/翻案・演出)、『福島三部作・一挙上演』(19/作・演出)、『三文オペラ』(18/上演台本・演出)など。
■シラノ・ド・ベルジュラック役:古川雄大 1987年生まれ。長野県出身。2007年にテレビドラマ『風魔の小次郎』で俳優デビュー、同年12月『テニスの王子様』不二周助役で初舞台に立つ。その後、数多くの舞台に出演し、2019年にはミュージカル『モーツァルト!』、ミュージカル『マリー・アントワネット』、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で演劇界で優れた業績を示した人に贈られる菊田一夫演劇賞を受賞。緩急自在な演技力と美しい歌唱力を活かし、ミュージカル『モーツァルト!』や、ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』『黒執事』で主演を務めるほか、近年では連続テレビ小説『エール』や現在放送中の『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』などで個性豊かな役を演じ、話題となった。ドラマや映画、アーティスト活動など、幅広いジャンルで活躍している。主な作品は、【ミュージカル】ミュージカル『モーツァルト!』(21.18)、『INSPIRE 陰陽師』(21)、ミュージカル『エリザベート』(19.16.15.12)ミュージカル『ロミオ&ジュリエット』(19.17.13)、ミュージカル『黒執事』(17.16.15)、ミュージカル『マリー・アントワネット』(18)、ミュージカル『レディ・ベス』(17.14)ミュージカル『1789-バスティーユの恋人たち』(16)【ドラマ】『私の正しいお兄ちゃん』(FOD-21年10月~)、『恋です!〜ヤンキー君と白杖ガール〜』(NTV-21年10月~)、『女の戦争~バチェラー殺人事件~』(TX-21)、連続テレビ小説『エール』(NHK-20)『トップナイフ-天才脳外科医の条件-』(NTV-20)『下町ロケット』(TBS-18)【映画】『コンフィデンスマンJP プリンセス編』(20)
<『シラノ・ド・ベルジュラック』>
【東京公演】2022年2月 東京芸術劇場 プレイハウス
【大阪公演】2022年2月 COOL JAPAN PARK OSAKA TT ホール
出演:古川雄大 ほか
公式サイト:
https://www.cyrano.jp/
<スタッフ>
作:エドモン・ロスタン
脚色:マーティン・クリンプ
翻訳・演出:谷賢一
お問合せ:ゴーチ・ブラザーズ 03-6809-7125(平日10:00~18:00)
主催:ゴーチ・ブラザーズ
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