【動画】『The View Upstairs』稽古場ルポ、平間壮一・小関裕太の歌声やダンスも | アイデアニュース

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【動画】『The View Upstairs』稽古場ルポ、平間壮一・小関裕太の歌声やダンスも

筆者: アイデアニュース編集部 更新日: 2022年1月21日

2022年2月1日(火)から東京・日本青年館ホールで、2月24日(木)から大阪・森ノ宮ピロティーホールで上演されるミュージカル『The View Upstairs-君が見た、あの日-』の稽古場レポートが1月21日(金)に届きました。公演に向けて、新型コロナウイルス感染予防対策を講じながら、一丸となって全力投球されている稽古場の様子を、動画と写真を交えて紹介します。アイデアニュースでインタビューさせていただいた、平間壮一さんと小関裕太さんの歌声や、ダンスナンバーも初披露されました。

ミュージカル『The View Upstairs-君が見た、あの日-』稽古場より


■稽古場レポート

 1月某日。今日は宣伝用楽曲映像撮影(「此処がきっとパラダイス」、「未来は最高!」、「こんな風な」)と通し稽古が行われる。感染対策には特に気を使い、消毒や換気、検温、アクリル板設置など万全な体制の稽古場。筆者も前日のPCR検査陰性をクリアして稽古場取材に臨んだ。しかし、対策は完璧でも稽古場にはものものしさはなく、和やかな雰囲気。稽古開始に備えてストレッチをする俳優たちは、マスク越しながらもリラックスした笑顔であろうことが伺える。

ウェス役の平間壮一さん(左)とパトリック役の小関裕太さん
ウェス役の平間壮一さん(左)とパトリック役の小関裕太さん

 その和やかさは演出・翻訳・訳詞・振付の市川洋二郎によるところが大きいのかもしれない。イギリス・アメリカで演出家として活躍する市川はキャストと共にテーブルワークでのディスカッションやフィジカルなワークショップを重ね、作品についての理解を深めてきた。LGBTQコミュニティとしての結束が必要な作品で、キャストたちも稽古を通じて積極的に意見を交換しながら一体感を高めたのだ。

 稽古場は本番同様の動きができるように、舞台美術もしっかり揃えられている。今回の日本版が本作初の非英語圏での上演となる。作・作詞・作曲のMax Vernonが市川と密に話し合って、アメリカの文化やLGBTQコミュニティにあまり馴染みがない日本の観客にも理解しやすいように内容をアップデートして、2022年版の『The View Upstairs』になるという。

演出の市川洋二郎さん
演出の市川洋二郎さん

 楽曲映像撮影に続き、いよいよ通し稽古が始まった。冒頭はアップステアーズ・ラウンジの専属ピアニスト、バディ(畠中洋)の登場から。ステージ中央に配置されたピアノに愛おしそうに触れたのち弾き語りを始めると、1973年のニューオーリンズ、アップステアーズ・ラウンジに集う人々が姿を現す(「此処がきっとパラダイス」)。1973年当時はまだ同性愛が罪であった時代、はみ出し者たちはゲイバーなどの同性愛クラブに集まっていた。中でもアップステアーズ・ラウンジはあらゆる人種を受け入れる多様性のある場所。封印された過去から呼び覚まされた人々がビビッドに存在感を示す姿が実に印象的で、これから始まるミュージカルへの期待を高める。

(左から)東山さん、小関さん、畠中さん、JKimさん、岡さん、関谷さん、大嶺さん
(左から)東山さん、小関さん、畠中さん、JKimさん、岡さん、関谷さん、大嶺さん

 現代を生きる若きファッションデザイナーのウェス(平間壮一)はニューオーリンズで廃墟と化した建物を購入するが、クスリでハイになった彼は「アップステアーズ・ラウンジ」にタイムスリップしてしまう。スマートフォンもインターネットもない70年代に生きる人たちと現代人のウェスとのちぐはぐなやり取りは笑いを誘う場面も。世間からはみ出した彼らのコミュニティにある絆の深さが、自意識過剰で不安を抱えるウェスの心を解かしていく……。70年代の彼らに向かってウェスが歌う「未来は最高!」は、ポジティブさとアイロニーが入り混じる。平間は繊細に役柄にアプローチして、平間ならではのカラーをキャラクターに加えていく。ウェスと恋に落ちるパトリック(小関裕太)。小関は複雑な過去を持つパトリックのピュアな輝きを表現。ときに反発し、ときに支え合いながら心を重ねる二人が歌う切なくも美しいデュエット「こんな風な」はあたたかい響きを備える。

デール役の東山義久さん
デール役の東山義久さん

 この作品の大きな見どころは、アップステアーズ・ラウンジに集う一人一人のキャラクターが際立ち、イキイキとした存在感を放っているということだ。ラテン系ドラァグクイーンのフレディ(阪本奨悟)によるショーはキラキラした輝きに溢れている。阪本がチャーミングに歌い踊る姿は必見! また、経験豊富でコミュニティのメンター的存在であるウィリー(岡幸二郎)が見せる、一分の隙もない身のこなしとエレガントな佇まいは圧巻だ。ウィリーによる一人語りのシーンには稽古場中の視線が集中した。女性と結婚し子供もいる“クローゼット”のゲイであるバディ(畠中洋)が抱く複雑な心境やフレディの母でシングルマザーのイネズ(JKim)のあたたかく包み込む愛情など、それぞれのドラマや関係性が濃密に立ち上がる。異彩を放つのは、コミュニティの中で孤立するデール(東山義久)。デールが歌う「孤独の闇」は魂の叫びのよう。クールでスタイリッシュなパフォーマンスに定評がある東山が孤独なデール役で新境地を拓きそうだ。

(左から)小関さん、大村(SHUN)さん、阪本さん、大嶺さん、JKimさん、岡さん
(左から)小関さん、大村(SHUN)さん、阪本さん、大嶺さん、JKimさん、岡さん

 登場人物たちは台詞や歌がない場面でもステージ上(=アップステアーズ・ラウンジの店内)にほとんど出ずっぱりなのも、注目点の一つ。他のキャラクターの歌や台詞にリアクションを取ったり、あるいはあえて無視したりするなど、アップステアーズ・ラウンジの「客」として実にリアリティがある。彼らの佇まいには、キャストたちの間に長い稽古期間を経て培ってきた本物の絆も反映しているのだろう。

ウィリー役の岡幸二郎さん
ウィリー役の岡幸二郎さん

 日本初演の『The View Upstairs』。お客様はノリの良いパフォーマンスに手拍子で応えるのも、ウェスとパトリックの繊細なラブストーリーに心を揺らすのもいいだろう。人と物理的に距離を取らなければいけない今の時期だが、はみ出し者たちが「我が家」と呼ぶアップステアーズ・ラウンジでの精神的に密な繋がりが羨ましく感じられるかもしれない。場面が進むにつれ、アップステアーズ・ラウンジに集う彼らに共感し、いつの間にか自分もこのコミュニティの一員になったような気持ちを覚えるのではないだろうか。やがてアップステアーズ・ラウンジの秘密が明かされる「その時」が来るが……、結末はぜひ劇場で確かめてほしい。

(取材・文/大原 薫)

ウェス役の平間壮一さん(左)とパトリック役の小関裕太さん
ウェス役の平間壮一さん(左)とパトリック役の小関裕太さん
ウェス役の平間壮一さん
ウェス役の平間壮一さん


■ストーリー
現代を生きる若きファッションデザイナーウェス(平間壮一)は、ニューオーリンズのフレンチクォーターにある廃墟と化した建物を購入する。クスリでハイになった彼が窓にかかるボロボロのカーテンを引き剥がすと、その瞬間、 活気に満ちた70年代のゲイバー「アップステアーズ・ラウンジ」にタイムスリップしてしまう。そこは、まだ同性愛が罪であった時代に強い絆で結ばれた”はみ出し者” たちの拠り所で あった。様々な事情を抱えた彼等と触れ合い、時に厳しい70年代の現実を体感する中で、人と人の絆の意味を学んでいくウェス。パトリック(小関裕太)という青年との間にも、ささやかな恋が芽生えていく。だが、やがて「アップステアーズ」の秘密が明かされる「その時」が訪れるのだった…。 

(左から)大嶺さん、関谷さん、東山さん、小関さん、岡さん
(左から)大嶺さん、関谷さん、東山さん、小関さん、岡さん


<ミュージカル『The View Upstairs-君が見た、あの日-』>
脚本・作詞・作曲:Max Vernon  演出・翻訳・訳詞・振付:市川洋二郎
出演:平間壮一 小関裕太/畠中洋 JKim 阪本奨悟
関谷春子 大村俊介(SHUN) 大嶺巧 /東山義久/岡幸二郎
企画・製作:アミューズ

【東京公演】2022年2月1日(火)~2月13日(日) 日本青年館ホール
【大阪公演】2022年2月24日(木)~2月27日(日) 森ノ宮ピロティホール

公式サイト
https://theviewupstairs.jp/
公式Twitter
@viewupstairs_jp




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最近のコメント

  1. ハムハム より:

    こんなに見ちゃってもいいの?と思うほどの盛り沢山な動画と稽古場ルポありがとうございます!
    更に舞台が楽しみになりました🙏✨

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