2022年10月6日(木)から10月16日(日)まで東京の博品館劇場で、 10月22日(土)から10月23日(日)まで大阪の松下IMP ホールで上演される、conSept Musical Drama #7 『SERI~ひとつのいのち』に、父・丈晴役で出演する和田琢磨さんのインタビュー、後編です。「下」では、丈晴役のこと、「無償の愛」について考えたというお話、オリジナル作品への出演について、今の環境での稽古場や公演で感じること、舞台に立つことへの思いなどについて伺った内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。
ーー「おい!丈晴」と思われたというお話をされていましたが、台本のどの辺りで、そう思われましたか?
ベビーカーを「しゅっぱーつ!」と行くところで、ぽつんと美香が立ち尽くすというシーンなどは、「丈晴は子育てのことを何も分かっていないな」みたいな吹き出しが出そうなところです。その辺りでは、「おい!丈晴」と思いましたが、逆に「千璃をこういう子どもにしたい」という美香に対して、「それは間違っているんじゃない?」という丈晴の言葉を読んだときには、丈晴に対して「確かにそうだな」と思ったりもしました。
今日、新幹線で移動中に考えていたのですが、よく「無償の愛」というじゃないですか。子どもにだったら無償の愛で、何でもできると。でも、無償の愛って、親が子どもに与えるものというより、子どもが、親に対して与えてくれている愛のことなんじゃないかと。
ーー「無償の愛」は、子どもから親にということを感じられたのですね。
今の時点での感じ方ですが、「こうなってほしい」、「周りからこう見えてほしい」という親の気持ちって、一見、子どもに対する親の愛情にも見えますが、自分の理想や願望、欲望が入っているので、無償ではないなと思いました。千璃が「手を握りたい」とか「歌いたい」「喜ばせたい」と思う気持ち。そういうことの方に、無償の愛を感じたんです。
でも、そこにあるものをそのまま受け入れるというのが無償の愛なのか、その子が将来幸せになるためだったら何でもやることも無償の愛なのか。やはり子どもを持った経験がないのでわかりませんが、今回、作品を通して感じてみたいです。
ーー今回は、オリジナルミュージカルですよね。原作がある作品に出演される場合との違いはどのあたりに感じられますか?
基本的なものは変わらないです。原作がある場合には、原作のキャラクターに似ているかとか、アニメではセリフをどんなふうに言っているかなどは、もちろん気にしています。でも、漫画のコマとコマの間の「描かれていない」ところを想像するのが、原作ものの作品に対する向き合い方だと思っているんです。例えば、そのキャラクターが、どういう立ち方をしているかとか、どんな表情でいるのかなどです。オリジナル作品の場合は、“コマのない漫画”を自分で描いていくようなイメージです。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、今の環境での稽古場や公演で感じること、舞台に立つことへの思いなどについて伺った内容と、お客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■「直接、その場で観るお芝居っていいよね」と、思っていただけるととても嬉しい
■正直なところ、この環境下で舞台を続けるということが、ちょっと億劫になることも
■マスクを外した本番で、「キラッキラしとるな…」と相手の表情に見入ってしまった
■久しぶりのミュージカル作品。東京だけでなく大阪でも公演できることにも嬉しさが
<conSept Musical Drama #7 『SERI~ひとつのいのち』>
【東京公演】2022年10月6日(木)〜10月16日(日) 博品館劇場
【大阪公演】 2022年10月22日(土)〜10月23日(日) 松下IMP ホール
公式サイト
https://www.consept-s.com/seri/
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コロナ禍になって、いろんな面でのリスクからか、劇場で舞台を観るという人が減ってしまったと、観客側としても感じています。
でも、絶対に劇場でしか味わえない感動はあって、それは何にも代えられないものです。
和田さんや役者の皆様、スタッフの皆様も窮屈な思いや大変な中での製作となっていると思いますが、改めて記事として拝読しますと、どうか諦めずにこれからもたくさんの作品を生み出していただきたいと願ってやみません。
今作は原作含め日本産のミュージカルという点にもとても期待しています。ご成功を心より祈念しております。