ヴォーカルグループLE VELVETS(ル・ヴェルヴェッツ)の、結成15周年のアニバーサリーコンサート『billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023』が、2023年3月17日(金)に東京芸術劇場 コンサートホール で、4月1日(土)に京都コンサートホール 大ホールで開催されます。LE VELVETSのメンバー、佐賀龍彦さんと佐藤隆紀さんのインタビュー後編をお届けします。
「下」の無料部分では、LE VELVETSのハーモニーが生まれた経緯、1年間、脳梗塞で休養されていた佐賀さんに伺った今の想いと「日々快復している」という手応えがあるというお話、先日までフランツ・ヨーゼフ役で『エリザベート』に出演されていた佐藤さんに伺った、千穐楽を終えられた今の気持ちなどについてのお話を紹介します。有料部分では、佐藤さんが『レ・ミゼラブル』に出演されていた時のこと、佐賀さんが今、メンバーと一緒に歌声を再構築されている中で感じていること、そして4人の今のハーモニーの魅力や、15周年という節目にあたっての想いなどについてお二人に伺った内容を紹介します。
ーーみなさんのハーモニーについて伺いたいのですが、以前、日野さんが「違う声質を合わせることで、唯一無二のサウンド、ハーモニーを出していきたい」というお話をされていました。今のみなさんの「違う声質を合わせるハーモニー」は、どのようなプロセスで生まれたのですか?
佐藤:結成当初の1、2年くらいは、「いかにみんなの声を綺麗に揃えるか」という練習をしていました。最初の頃はやっぱり「揃えないといけない」と思っていたんです。お互い、ビブラートを抑えたりもしていたんですが、RAG FAIRさんやINSPiさんとか、アカペラを主戦場とされている方たちと出会った時に考え方が変わりました。結構衝撃を受けたんですよ。彼らは「いい声で合わせる」のではなく、自分が持っている声をぶつけ合っているんです。
ーーアカペラに衝撃を受けられて。
佐藤:そうです。声で個性をぶつけ合って、いいハーモニーになっている彼らの声をきいた時に「僕たちも、こんなに声質を合わせようとしなくてもいいんだ」と思いました。それぞれが持っているそのままの声をぶつけ合っても、いい音になるというのは、大きな発見でしたね。
佐賀:そんなこともあったなあって今、佐藤くんの話を聞きながら思い出しました。僕、病気をしたこともあって、忘れていることもあったりするので。
佐藤:佐賀さん、こうやって復帰するまでも今も、すごく頑張っているんですよ。最初、佐賀さんが戻ってきた時、僕が発声をちょっとみていて。初歩の初歩である「響かせる」みたいなことも、忘れちゃっていて全然歌えなくなっていたんです。「佐賀さん、響きがなくなっているよ」って言ったら、「そうか、そんなことやってたね」という感じで。いろいろ話をする中で、忘れていることもあったりするんですけど、佐賀さん、本当にね、よく頑張っていて…。
ーー復帰後の佐賀さんが歌っていらっしゃるところも拝見しましたが、今おっしゃったようなことを全く感じなかったので、伺って驚きました。
佐藤:お客さまはきっとそういう感じで聴いてくださっていると思うんです。でも本当に、裏ではいろいろね、頑張ってましたよね。
佐賀:はい。
佐藤:こうやって「はい」とかしか言わないんですけどね、佐賀さん、本当に頑張っていて。
ーーそのような時間を経て、昨年の秋からステージに復帰された佐賀さんが、ご自身で、「帰ってきた」と実感されたのは、どの瞬間でしたか?
佐賀:復帰して一番最初に歌わせていただいたのは、「徹子の部屋」でテレビ出演した時でしたが、お客さまの前で歌ったのは、秋ツアーが最初でした。10月半ばの、秋ツアー初日の公演で、本当にお客さまが「おかえり」と言ってくれているような拍手がありましたし、泣かずにいこうと思っていたのに泣いてしまって。そしてステージ上では、メンバーがあったかく僕を見てくれていて。あの光景と雰囲気は、忘れられないものがあります。そこからツアーを終えて、ディナーショーがいくつかあって…とやっている中で、本当に僕自身が、どんどんよくなっているのがわかるんですよ。自分の身体ながら、すごいなと思います。
佐藤:一緒にやっていて、本番のステージを一つ一つ経るごとに、勘を取り戻していっているなと感じますね。
佐賀:自分でもそう思います。ちょうどファンクラブのイベントがあって、そこでちょっとだけ歌ったんですけど、MCがいつも以上に喋れたというか…(笑)。
佐藤:そう!急に、すごい喋り出して(笑)。
佐賀:ファンクラブの皆さんの前というのもありましたけど、やっぱり徐々に治っていっているんだなあということにも気づきました。
ーー日々、ご自身もメンバーの皆さんも快復を実感されているんですね。佐賀さんは、復帰後のソロ活動で、朗読劇に出演されたり、木島櫻谷展のテーマソング「新しい季節」を歌ったりもされていましたよね。
佐賀:あの曲は、正直に言うと、自分の中でこのレンジを歌うのはまだ難しいというところは、一緒に歌っている高島(健一郎)さんにお願いするという感じの分け方をしていたんです。でも、二人の声がうまく混ざり合うように、いい感じにしてみたり、最後の音をちょっと上げてみたりとか。そういう感じで歌いました。
ーーそうだったんですね。詩もとても素敵な曲だなと思いました。個人の活動のところを伺うと、佐藤さんは、先日までミュージカル『エリザベート』にフランツ役で出演されていましたよね。「喪失感」とツイートされていましたが、今はいかがですか?
佐藤:だいぶ、気持ちが切り替わりました。
ーー喪失感は、いつも作品が終わると感じるものですか?
佐藤:作品によるんですよ。正直な話をしますと、しんどすぎると達成感はあっても喪失感はないです。でもフランツ役は、歌にはストレスがかかる音がないこともあって、本当に芝居に集中してやれたので、すごく楽しかったんです。それゆえの喪失感なんです。
ーーフランツ役、楽しんでいらっしゃったんですね。
佐藤:本当に楽しかったです。今回は、毎回掛け合いの部分で「あ、今日、こうきたんだ!」とか、相手の反応を感じる余裕も出てきて。フランツを初めて演じた時には、そういうのは全然なかったんですけれども。でも今回は、例えばちょっと手を肩にかけられたときの、そのかけかたに「今日はこう来たんか!」とか、ルドルフとの、ちょっとしたやり合いのシーンの変化などを楽しめるようになったんですよね。とにかく楽しかったので、「そういう日々が終わったのか」と思うと、喪失感がすごいんです。でも、『レ・ミゼラブル』は、また違ったんです。「終わったー!頑張ったー!駆け抜けたー!」という感じでした(笑)。
ーージャン・バルジャンは、そういう感じだったんですね。
佐藤:そうなんです。喪失感というよりは、達成感が勝っていました。でも『エリザベート』は、「まだやっていたかったな」みたいな感じです。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、佐藤さんが『レ・ミゼラブル』に出演されていた時のこと、佐賀さんが今、メンバーと一緒に歌声を再構築されている中で感じていること、そして4人の今のハーモニーの魅力や、15周年という節目にあたっての想いなどについてお二人に伺った内容などインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■佐藤:バルジャンを演じている時は、日常の中でも感情のストッパーが外れることが
■佐賀:メンバーに聴いてもらって、歌声を作り直している。歌いたい曲にも変化が
■佐賀:billboard classics コンサートは、今の自分たちを見ていただける最高の機会
■佐藤:「自分のため」から、「人のため」に歌いたいと思えるようになった15年間
<billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023>
【東京公演】2023年3月17日(金) 東京芸術劇場 コンサートホール(※東京公演完売)
【京都公演】2023年4月1日(土) 京都コンサートホール 大ホール
公式サイト
https://billboard-cc.com/classics/levelvets2023/
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3/17、東京公演に行ってきました。
こちらのインタビュー通り、今のLE VELVETSが詰まった最高のコンサートでした。マイク無しの生声のパフォーマンスも壮大なオーケストラに負ける事なく、しっかりと心に響いてきました。京都公演も楽しみにしています。