「クラシックの発声で」、『billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023』、佐賀龍彦・佐藤隆紀(上) | アイデアニュース

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「クラシックの発声で」、『billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023』、佐賀龍彦・佐藤隆紀(上)

筆者: 村岡侑紀 更新日: 2023年2月24日

2023年10月に、結成15周年を迎えるヴォーカルグループLE VELVETS(ル・ヴェルヴェッツ)のアニバーサリーコンサート『billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023』が、2023年3月17日(金)に東京芸術劇場 コンサートホール で、4月1日(土)に京都コンサートホール 大ホールで開催されます。LE VELVETSは、バリトンの宮原浩暢さん、テノールの佐賀龍彦さん、日野真一郎さん、佐藤隆紀さんの4人で構成されるヴォーカルグループです。メンバー全員が音楽大学の声楽科を卒業しており、『レ・ミゼラブル』、『エリザベート』、『アラバスター』、『The PROM』、『ダブル・トラブル』など数多くのミュージカルにも出演しています。2022年夏には、脳梗塞で休養されていた佐賀さんが復帰し、4人での活動を再開しました。

アイデアニュースでは、佐賀さんと佐藤さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」の無料部分では、このコンサートの聴きどころや、それぞれが選んだソロ曲への想い、挑戦となるポイントなどについて伺った内容を、有料部分では、グループとして歌っている曲の中で大切にされている曲のことや、デビュー当初の路上ライブのエピソードなどについて伺った内容を紹介します。

「下」の無料部分では、LE VELVETSのハーモニーが生まれた経緯、1年間休養されていた佐賀さんに伺った今の想いと「日々快復している」という手応えがあるというお話、先日までフランツ・ヨーゼフ役で『エリザベート』に出演されていた佐藤さんに伺った、千穐楽を終えられた今の気持ちなどについてのお話を紹介します。有料部分では、佐藤さんが『レ・ミゼラブル』に出演されていた時のこと、佐賀さんが今、メンバーと一緒に歌声を再構築されている中で感じていること、そして4人の今のハーモニーの魅力や、15周年という節目にあたっての想いなどについてお二人に伺った内容を紹介します。

佐賀龍彦さん(右)と佐藤隆紀さん=撮影・山本尚侍
佐賀龍彦さん(右)と佐藤隆紀さん=撮影・山本尚侍

ーープログラムを拝見したのですが、今回のコンサートで歌われるのは、16曲くらいでしょうか?

佐藤:はい。一部は、クラシカル・クロスオーバーとクラシックの世界を。二部では、ミュージカルの世界を中心にお届けしたいなと思っています。

ーー今回のセットリストや構成は、どんなふうに決められましたか?

佐藤:メンバーみんなで話し合って、いろいろと考えながら決めました。フルオーケストラをバックに歌う機会は、初めてではないのですが、これまでにもそんなに回数が多かったわけではなくて。なので、僕たち自身にとっても本当に貴重な機会だと思いながら準備しています。そんな中、今回挑戦しようとしているのは、「ソロコーナー」を入れている点ですね。

ーーみなさんお一人お一人の、ソロコーナーですか?

佐藤:そうなんです。オーケストラをバックにソロで歌うというのは、今までにも「何回かあったかな?」くらいの感じで、あまりやってこなかったんです。特に今回のように「どクラシック」と言えるナンバーを、オーケストラとソロで歌うというのは珍しいです。楽しみにしていただけたらと思います。

佐賀:しかも、ソロ曲はもしかしたら、マイクを外して歌うかもしれないです。

佐藤:予定は未定ですが(笑)。マイクを外してやれたらいいなと。

ーーマイクを通さず、みなさんお一人お一人の声を楽しめるということですね。今、そこを目指して準備されているところですか?

佐賀&佐藤:はい!(笑)

ーーフルオーケストラをバックに歌われるとなると、やはり特別な気持ちがありますか?

佐藤:ありますね。今回、指揮者には、国立音大の先輩でもある柴田(真郁)さんが入ってくださっています。そしてオーケストラと合わせて歌うとなると、もちろん、まずオーケストラのダイナミックで力強い音楽に歌を合わせていきますし、更に、指揮者の方とも合わせていくことになるんです。そこが難しい部分でもあり、面白いところでもあります。本当に全然違うんですよ。指揮の仕方によって、曲の作りが変わってくるので。

ーーそんなに変わるんですね。

佐賀&佐藤:はい、全然違います!

佐藤:なので、柴田さんと合わせてどうなるかというのも、今回ものすごく楽しみにしている部分です。もちろん、お互いに話して、合わせながらやっていくんですけど。ね、佐賀さん。

佐賀:そうだね。オーケストラなので、もちろん人数も多くて。そのエネルギーもきっと相当あるだろうなと思うので、それを感じながら歌うのが、僕たち自身も楽しみです。

ーーフルオーケストラで歌われる機会は珍しいということですが、久しぶりな感じですか?

佐藤:メンバーみんなでのフルオーケストラは、久しぶりだよね?

佐賀:そうだね。このコンサートの前に、3月11日のチャリティーコンサート(「第10回『全音楽界による音楽会』3.11チャリティコンサート」)でもオーケストラで歌う機会はありますが。

佐藤:そうだね。その時に歌うのは1曲なのですが、3月17日と4月1日のbillboard classicsコンサートでは、たくさん聴いていただけます。

ーーそうですよね。先ほど、ソロコーナーでは「マイクを外すかも」という挑戦のお話もありましたが、まず第一部の聴きどころについては、いかがでしょうか?

佐賀:一部は、オペラの曲やカンツォーネで構成されています。クラシックコンサートで歌われる時には、一番最後に持ってこられるような曲ばかりを集めたので、すごく聴きごたえがあると思います。

佐藤:野球で言うと、「四番バッターが集まった」みたいな感じですね。

ーーソロ曲は、お一人ずつ「これを歌いたい」という曲を選ばれたのでしょうか?

佐藤:はい。「私を泣かせてください」(オペラ『リナルド』より)では、日野さんが女性の音域や、裏声のファルセットでも聴かせてくれると思います。宮原さんは、定番の「闘牛士の歌」(オペラ『カルメン』より)。「グラナダ」は、佐賀さんといえばという一曲ですね。僕は「衣装をつけろ」(オペラ『道化師』より)を歌いますが、これは挑戦曲になります。好きなので自分で歌っていたりはするのですが、人前で歌うのは今回が初めてです。

ーーお二人のソロ曲について教えてください。今、佐賀さんといえば「グラナダ」とおっしゃっていましたが、この曲への想いなどを伺えますか?

佐賀:「グラナダ」は、人に勧めていただいたのをきっかけに歌い始めました。知らない曲だったのですが、「佐賀さん、グラナダ歌ったらいいと思いますよ」って。歌い始めたのはもう、かなり前ですね。以来、何かと「グラナダ」を歌うようになりました。

ーー歌い続けられる中で、どんどんお好きになった一曲ですか?

佐賀:そうなんです。この曲は、高い音でバーンと伸ばせるし、リズミカルに表現することもできますし。歌い始めた頃は、グラナダという街に行ったことはなかったのですが、その後行く機会があって。訪れてからは、グラナダの街の景色を自分の中に思い浮かべながら歌っています。

ーー佐藤さんが今回ソロで歌われる「衣装をつけろ」は、「好きで歌っていらした」ということですが、この曲のどのような点がお好きですか?

佐藤:初めてこの曲を聴いたのは、大学時代に、マリオ・デル・モナコという歌手が歌っているのを初めてDVDで観た時でした。その時にまず、彼の圧倒的な声にすごく感動したんです。その後、ジュゼッペ・ジャコミーニという、僕が本当に衝撃を受けたテノール歌手が、国立音楽大学に公開レッスンに来てくれたことがあって。ちょうどその時、ジャコミーニは、新国立劇場でこの「衣装をつけろ」が入っているオペラ『道化師』に出ていたんですよ。生で聴きに行ったのですが…いや、本当にすごかったですね! その声量も、表現力も。

ーーそうだったんですね。

佐藤:僕は、4階席の一番後ろで聴いていたのですが、一人だけおかしいくらい声がきこえてきていて、それが彼で。ちょうどこの曲を歌っていたんですよ。衝撃を受けた作品でもありますし、初心者の方に「オペラ、初めて観るなら何がいいですか?」って聞かれると、いつもこの『道化師』をおすすめしているんですよ。「ヴェリズモ・オペラ」(悲劇)で、オペラのすごく濃厚な部分を1時間で感じることができます。そういうこともあって、この「15周年」というタイミングで挑戦したいという想いで今回選びました。

ーーお二人ともそれぞれに思いが詰まったソロ曲ということですね。二部は、ミュージカル曲がメインの構成になっていますが、こちらについてはいかがでしょう?

佐藤:二部は、今お話しできる範囲でお伝えすると、僕が出演していた『レ・ミゼラブル』から、「彼を帰して」をソロで、『民衆の歌』を、メンバー全員で歌わせていただきます。『レ・ミゼラブル』は、前回の大阪公演が全公演中止になってしまいました。「ぜひここで。取り返したい!」という思いです。京都公演は、そんな気持ちも込めてお届けしたいです。

ーー「彼を帰して」を佐藤さんが歌われる時は、いつも舞台上手前方あたりをご覧になっていますね。

佐藤:「なんであの人、斜め下見て歌っているんだろう…?」と思われるかもしれませんが(笑)、「ここにマリウスがいる」という思いで歌うと、やっぱり気持ちが入ります。歌う前からも、一本の線で天と繋がる感覚があるんです。僕にとって特別な一曲ですね。

ーーLE VELVETSのみなさんは、このコンサートでも歌われるクラシカル・クロスオーバー、クラシック、ミュージカル楽曲はもちろん、民謡やポップス、歌謡曲など、あらゆるジャンルの歌を歌われていますよね。その中でも、学生時代にはみなさんクラシックを学ばれていますが、ご自身の音楽のコアに「クラシックがある」という感覚はありますか?

佐藤:もちろんクラシックもあるのですが、自分たちの中では、コアはクラシカル・クロスオーバーかな?

佐賀:うん、そうだね。

佐藤:そうだよね。最近、久しぶりに、クラシックに特化している方の歌を聴いて「やっぱり、クラシックを究めるとこういう感じになるんだな」と、すごくいい意味で思ったんです。例えば、発声の響かせ方ですね。毎日、クラシックの発声に特化して練習されているので、僕たちとはまた違うんです。

佐賀:でも、僕らも今回、もしマイクを外して歌うんだったら、そこを目指してやっていかなきゃいけないんだよね。

佐藤:そうなんだよね。きっと、クラシックに特化されている方から見ると、僕らはちょっと表現寄りの発声なんです。「声を響かせず」に、マイクを使って表現をしているので。オペラは、常に声を響かせますよね。普段はマイクを使って歌っている僕らが今回、オペラ曲をマイクなしで歌うとなると、改めて響きを調整する必要があります。しかもマイクなしで、生音のオケに負けないように歌うとなるとまた難しいのですが、そこを目指して、今みんなでトライしています。

ーークラシカルクロスオーバーやミュージカルの発声で得られたものを、音楽大学で学ばれていたクラシックの発声にまた反映させていく感じでしょうか?

佐藤:はい。そういうところもあります。ミュージカルの発声では、表現力という面で僕はすごく勉強させてもらっています。クラシックの発声でミュージカルをやっちゃうと、「なんでそんなでっかい声で歌ってるの?」となってしまう。そうではなくて、「感情をいかに声に乗せて表現するか」というところを、マイクを使って繊細にやっていくのがミュージカルの良さだと思います。

一方で、オペラを歌う時にはマイクがなくて「常にいい声で、ちゃんと鳴る場所」で表現していくことが求められるので、全然違うんですよね。今回、改めてそういうことを考えていくのも楽しいです。

佐賀:僕自身も、まだどうなるかわからない部分もありますが、やはり「楽しみだな」という気持ちが大きいです。僕がソロで歌う「グラナダ」は、オーケストラの音に厚みと幅がある曲なので、マイクを外して、本当にクラシカルな部分だけで歌ったら、どんな響きが出るのだろう!と。

ーーみなさんご自身も、楽しみにされているんですね。

佐藤:本当にそうなんです。つい先日も、このコンサートに向けて、「衣装をつけろ」の響きの感覚を改めて練習してきたところです。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、グループとして歌っている曲の中で大切にされている曲のことや、デビュー当初の路上ライブのエピソードなどについて伺った内容など、インタビュー前半の全文と写真を掲載しています。25日掲載予定のインタビュー「下」の無料部分では、LE VELVETSのハーモニーが生まれた経緯、休養されていた佐賀さんに伺った今の想いと「日々快復している」という手応えがあるというお話、先日までフランツ・ヨーゼフ役で『エリザベート』に出演されていた佐藤さんに伺った、千穐楽を終えられた今の気持ちなどについてのお話を紹介します。有料部分では、佐藤さんが『レ・ミゼラブル』に出演されていた時のこと、佐賀さんが今、メンバーと一緒に歌声を再構築されている中で感じていること、そして4人の今のハーモニーの魅力や、15周年という節目にあたっての想いなどについてお二人に伺った内容を紹介します。

<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)

■佐賀:路上ライブをしていた15年前、お客さまが足を止めてくれたのが「VIVERE」

■佐藤:LE VELVETSの「誰も寝てはならぬ」には、佐賀さんの突き抜ける高音が必要

■佐賀:結成当初に歌っていた「’O sole mio」には、「シャルラ〜」とコーラスが

■佐藤:声を出すのを躊躇した路上ライブ。佐賀さんが僕のパートを歌ってくれた

<billboard classics LE VELVETS 15th ANNIVERSARY Premium Symphonic Concert 2023>
【東京公演】2023年3月17日(金) 東京芸術劇場 コンサートホール(※東京公演完売)
【京都公演】2023年4月1日(土) 京都コンサートホール 大ホール
公式サイト
https://billboard-cc.com/classics/levelvets2023/

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佐賀龍彦さん=撮影・山本尚侍
佐賀龍彦さん=撮影・山本尚侍

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<筆者プロフィール>村岡侑紀(むらおか・ゆき) 広告制作会社に入社し、企業ブランディングやコピーライティングを経験。その後、化粧品メーカーのマーケティング担当として多くのブランドを育成し、ベンチャー企業で広報も。ミュージカルや舞台作品そのものの魅力はもちろん、そこに携わる方々のことを伝えたい。 ⇒村岡侑紀さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. えりまき より:

    LE VELVETS佐賀さん 佐藤さんのインタビューとっても良かったです。
    その曲を選んだ理由や背景、過去のエピソードや、公演中その後の心境など聞いてくださってありがとうございます。

  2. マサ より:

    いつも、ファンが聞いて欲しい!と思う内容のインタビュー見出しに、有料会員のボタン押すか押さないか迷ってましたが、この度ついに押してしまいました。
    LEVELVETS佐賀さん佐藤さんのインタビュー。コンサートの宣伝だけでなく、日頃知ることのできない本音も聞いていただけ、感激の内容でした!

  3. ロイヤルブルー より:

    結成15周年おめでとうございます。フルオーケストラでソロ歌唱コーナーはマイクなしかも、是非、生声でお願いいたします。演奏曲もチラチラ発表くださってありがとうございます。とてもとても楽しみにしています。下巻のインタビュー記事も楽しみにしています

  4. たみえ より:

    佐賀さんと佐藤さんの記事を読みました。
    ソロコーナーの曲、佐賀さんの「グラナダ」、大好きです。
    佐藤さん、「衣装をつけろ」を歌ってくださるんですね!めちゃくちゃ楽しみです!
    マイクなしで聴けるかもしれないと思うと、ワクワクが止まりません。
    ますますコンサートが楽しみになりました!

  5. モト♡ より:

    佐賀龍彦さん、佐藤隆紀さんの記事を早速拝読しました。今や大ホ一ルでコンサートを開催出来るグループの歴史の一端を知ることが出来て嬉しいです。そして結成15周年記念コンサートのお話しも盛りだくさん!益々楽しみが膨らみました!(下)の記事も楽しみにしています☆

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