ミュージカル『マチルダ』のプレビュー公演が、2023年3月22日(水)に開幕しました。本作は、3月24日(金)までのプレビュー公演を経て、3月25日(土)から5月6日(土)までの東京公演は東急シアターオーブで、5月28日(日)から6月4日(日)までの大阪公演は梅田芸術劇場メインホールで、上演されます。本作で、ミス・トランチブルを演じる小野田龍之介さん(大貫勇輔さん、木村達成さんとトリプルキャスト)と、ミス・ハニーを演じる昆夏美さん(咲妃みゆさんとダブルキャスト)のインタビュー後編です。「下」では、「体育」のシーンのこと、ミス・トランチブルの内面について考えていること、この作品では大人役の方が子供であるというお話、音楽的な見どころなどについて伺った内容と、お客様へのメッセージを紹介します。
――昆さんからご覧になって、ミス・トランチブルを演じている小野田さんの印象はいかがですか?
昆:切り裂くように入ってくる印象というか、そういう役なので。
小野田:ずっと無理してるんですよ。体に合ってない。
昆:体育というと、二幕でトランチブルが、子供たちにお仕置きというか…。
小野田:体育の授業をして、生徒たちを痛めつけるというかね。
昆:韓国で観た時も印象に残りましたし、すごく楽しみなんです。そのシーンのナンバーだけ稽古で飛ばされているから、まだ見たことがなくて。
小野田:長いんですよ。7分くらいあるから。
昆:それを見てもハニーは何もせずに「そこに座っていなさい」と言って、子供たちはトランチブルの体育の授業をやらされるんです。ハニーも、かつてそれをやらされていた人間だと思うんですが、「それを見ている」というシーンも非常に楽しみです。早く稽古しないかなと思っていますね。
小野田:なるべくやりたくない。
昆:いつも飛ばされちゃう。
――もう出来上がっているんですか?
小野田:はい。
昆:全部やったの?
小野田:やったよ。
昆:どう?
小野田:大変。やっているとそんなに長さは感じないんですが、その1曲の中で急にブルースっぽく歌ったり、思い切りわーっと歌ったり、いろんなバリエーションがあるんですよね。跳び箱も飛ぶし。その楽曲の豊かさが、トランチブル校長の情緒不安定な面を表していたり。
昆:なんであんなにトランチブルは情緒不安定なんだろう。「トランチブル先生。でも、誰もしゃべっていません」という台詞があるんです。子供たちが何もしゃべっていないのに、「静かに!」と言いだすんです。ハニーは驚いて「誰もしゃべっていません」と言ったんですが、そういうことがよくある人間で、ちょっとおかしい?
小野田:ちょっとおかしいよね。
昆:だから、演出補のジョーさんに、「『また始まった』という感じで言ってみて」と言われて。そういうちょっと不思議な、頭の中はどうなっているんだろうと脚本を読んだ私が思ってしまうくらい、不思議な言動や行動、感情を持っている人物なので、稽古を見ていても、どういう生活でそうなってしまったんだろうとか、トランチブルの人生の背景も気になり出すくらい不思議です。
他の方が個性豊かな中で、ハニーはどちらかというと普通。内面は渦巻いているけれど、外に出ているものは普通なんです。ジョーさんも一見「あの先生はいい先生だよね」という先生だという風におっしゃっていて。ずっと影があるのが漏れ出るとか、発言に出るということもないです。だから逆に難しかったりもするんですが。
<取材協力>
■小野田龍之介さん
ヘアメイク:エムドルフィン
■昆夏美さん
ヘアメイク:米尾太一
スタイリスト:下平純子
※アイデアニュース有料会員限定部分には、ミス・トランチブルの内面について考えていること、この作品では大人役の方が子供であるというお話、音楽的な見どころについて伺った内容やお客様へのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■小野田:トランチブルは、物語の中で一番子供。「自分」か「自分以外」しかいない
■昆:この作品では大人役のほうが子供。視覚と内面が逆になっているところも面白い
■昆:「Revolting Children」という歌が好き。手拍子などで一緒に楽しめる曲
■小野田:トランチブルはひとりで大騒ぎ。情けでもいいから、大笑いしてもらえたら
<Daiwa House presents ミュージカル『マチルダ』>
【プレビュー公演】2023年3月22日(水)~3月24日(金) 東急シアターオーブ
【東京公演】2023年3月25日(土)~5月6日(土) 東急シアターオーブ
【大阪公演】2023年5月28日(日)~6月4日(日) 梅田芸術劇場メインホール
公式サイト
https://matilda2023.jp
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お二人の息ぴったりのインタビュー、とても楽しく拝読しました。観劇して、トランチブルのあまりのハチャメチャぶりに「この人の頭の中はどうなってるの?」と思ったのですが、昆さんも同じことをおっしゃっていて面白かったです(笑)本当にどう生きてきたらああいう風になるのか、自分の身近には絶対にいてほしくない存在です(笑)
小野田さんのトランチブルは何度見ても必ず笑ってしまうし、昆さんの傷を負いながらも優しいハニー先生には共感するところが多くて毎回癒されます。マチルダは奥深い作品ですね。