『無伴奏ソナタ-The Musical-』が2024年7月26日(金)から8月4日(日)までサンシャイン劇場で、8月10日(土)と11日(日)に森ノ宮ピロティホールで上演されます。2012年に舞台作品として演劇集団キャラメルボックスが初演し、圧倒的な評価を博した名作を初のミュージカル化。原作はアメリカの作家、オースン・スコット・カードの短編小説で、すべての人間の職業が幼児期のテストで決定される時代を舞台に、音楽の天才として見出された男、クリスチャン・ハロルドセンの壮絶な人生を描きます。クライマックスには、多くの観客を感動の涙で包み、人生を変えるほどの衝撃を与える作品として知られています。
ミュージカル版の脚本・演出・作詞を務めるのは、舞台版も手掛け、数々の演劇作品を生み出してきた成井 豊さん、わずか30ページほどの原作を2幕もののミュージカルに仕立てあげます。音楽は、元ピアノロックバンドWEAVERのボーカルで現在はソロプロジェクトONCEとして活動している杉本雄治さんが美しく、多彩な楽曲の数々を書き下ろします。
音楽の天才として見いだされるクリスチャンを平間壮一さん、クリスチャンの生活を監視するウォッチャーを舞台版『無伴奏ソナタ』でクリスチャンを演じた多田直人(キャラメルボックス)さん、ギター弾きの作業員ギレルモを大東立樹さん、ウェイトレスのリンダを熊谷彩春さん、レストラン店主のジョーを藤岡正明さん、ハウスキーパーのオリビアを霧矢大夢さんが演じます。
アイデアニュースでは、平間壮一さんと、熊谷彩春さんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。「上」では、ミュージカルではないキャラメルボックスさんの作品がミュージカルになる良さと難しさ、作品の魅力やテーマについて感じたこと、役や音楽などについてのお話を紹介します。「下」では、共演者の方々やクリスチャンが作る音楽についてお話してくださった内容や、作品に取り組みながらどのような発見がありそうかというお話などを紹介します。
――この作品にご出演が決まった時のお気持ちをお聞かせください。
熊谷:今回、『無伴奏ソナタ』が初めてミュージカル化されると聞き、これまでこの作品を観たことがなかったので、どのような内容なのか気になって検索したり、過去の上演映像を見せていただきました。そして、この作品が本当にミュージカルにぴったりだと感じました。そのミュージカル化に私自身も関われることになり、とても幸せに思います。
――どういうところがぴったりだと思いましたか?
熊谷:音楽が物語の題材になっているところも、ミュージカル化にぴったりだと感じた理由のひとつです。最初に見た時は涙が止まらなくて、自分がたとえ出演しなくても観に行きたいと思ったくらいです。それだけに、今回、出演できることがすごく嬉しいです。
――平間さんはいかがでしょうか。
平間:自分にできるのかなという感想でした。僕自身、音楽家役を演じる時や音楽が作品のテーマになった時に、実際に演奏しながらとか、音楽が鳴るか鳴らないかとかが、やっぱり難しいなと感じていたので、また新たな挑戦だなとも思いましたし、そういう思いが一気に来ましたね。
――ミュージカルで音楽の物語を表現するということですか?
平間:そうですね。さらに、実際は作曲家で、歌じゃなくて音色の話なのに、ミュージカルで歌になっているから、いろいろ難しいなと感じています。
――ミュージカルではない、元々のキャラメルボックスさんの作品があって、ミュージカルになる良さと、その難しさを感じているということですね?
平間:そうです。完成したものがあったから…。でも楽しみでもあるんです。
――おふたりともキャラメルボックスさんの映像をご覧になった時は、どんなことを感じましたか?
平間:新しい世界だなと思いました。人間が住んでいる世界ですが、ルールがあったり、実際の世界にない国というか、ここはどこなんだろうというような感じがしました。信憑性があるように思ったのは、劇団ならではの培ってきたしゃべり方や動き方、息の使い方など、皆さんが同じところでやってきたことが、世界観としてすごく入りやすかったのかなと思います。同じところで生活している人たちなんだろうなというのが、すごく好きだったんですよね。
――その人たちが作っている作品だから、架空だけれど、ある種架空じゃないみたいな?
平間:そうなんです。今までやってきたことが違う人の集まりなので、今回はどんな化学反応が起きるんだろうかと思っています。
――熊谷さんはいかがでしたか?
熊谷:舞台版の映像を拝見した時点で素晴らしい作品でしたので、キャラメルボックスの皆さんと一緒になって新しいミュージカル版を作るというのは、正直、ちょっと怖い部分もありました。なぜなら、ストレートプレイ版があまりにも完璧なので、自分が入ることによって、どう作品をより良くできるのか不安だったからです。でも、ミュージカルの要素を加えることで、新しい『無伴奏ソナタ』の形もお見せできたら楽しいなと思いました。
――キャラメルボックスの皆さんとは、何かお話されましたか? 多田さんとはお会いになっていらっしゃいましたね。
平間:まだそんなにお話しできていないです。
熊谷:多田さんともまだしっかりおしゃべりできていなくて。
平間:あんまり話してしてくれないんです。「これから作っていくから、僕も緊張しているよ」と、先輩風を吹かせるようなことはされないです(笑)。
熊谷:素敵ですね。
――多田さんの印象はいかがですか?
熊谷:すごく優しいです。
平間:めちゃくちゃ優しい人です。声のトーンから何から何まで、優しい人なんだな、と思います。ちょっと変態味もありながら。
熊谷:(笑)。
平間:「何が好きなんですか?」と聞いたら、「RPGのゲームが好きなんだ」と。「ドラクエですか? FFですか?」と聞いたら、何か全然分からない作品を言っていました。ゲームをする時は楽しみに行きたいはずなのに、「ゲームをして落ち着く時間が欲しいから、自分でゆっくりボタンを選んで戦いに行ったりできるRPGが好きなんだ」と言っていました。
――テンションを上げに行くのではなくて?
平間:そうです、何も考えずゆっくりした時間を過ごしたいそうです。
――ゲームをするのに落ち着く時間を求めるというのは確かに意外かもですね。
平間:でも戦ってるんですよ。
熊谷:いろいろと矛盾がありますね(笑)。
平間:そこで変態味を感じました。
熊谷:私はまだ、多田さんとはしっかりとはお話しできていないんです。日比谷フェスティバルではMCをされていましたが、舞台版ではクリスチャンを初演から演じられているので、すごく優しく見守ってくださる感じがあって、本当に心強いなと思っていますね。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、作品の魅力やテーマについて感じたこと、役や音楽についてのお話などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。23日掲載予定のインタビュー「下」では、共演者の方々やクリスチャンが作る音楽についてお話してくださった内容や、作品に取り組みながらどのような発見がありそうかというお話などインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■平間:一番好きなところはジョーが裏切るところ。すごく人間らしいなと
■熊谷:初めてレストランでウエイトレスのバイトをしてみました
■平間:音楽はピュア。子供みたいに分かりやすい歌詞になっている
■熊谷:10拍子があります。カウントできなかったら『4・3・3で』と
<『無伴奏ソナタ-The Musical-』>
【東京公演】2024年7月26日(金)~8月4日(日) サンシャイン劇場
【大阪公演】2024年8月10日(土)~8月11日(日) 森ノ宮ピロティホール
公式サイト
https://napposunited.com/sonatathemusical/
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この日、日比谷でステージ見させていただきました!
とてもステキなカンパニーになるんだろうなとワクワクが止まりません!
キャラメルボックスさんの舞台は観れていないのですが、この作品がどんなミュージカルになるのか平間さんのクリスチャン、クリスチャンを演じられた多田さんのウォッチャーなどなど…色々楽しみです。
杉本さんの楽曲も楽しいものもたくさんありそうなので、7/26からの上演とても楽しみにしています!
インタビューを読んでますます楽しみになりました(❛ᴗ❛人)✧