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言葉の工房:(1) 文芸同人誌イベント「静岡文芸マルシェ」/折本の作り方

筆者: 添嶋 譲 更新日: 2016年6月1日

アイデアニュース編集長の橋本です。古い友人で、文芸同人誌を作っている添嶋譲さんと連絡をとり、彼が作成にかかわった本の見本誌を送っていただきました。添嶋さんは、かつて書店にお勤めしていたこともあって書籍に関する知識が豊富で、ご自分で作られた本も素敵な装丁でありながらも、制作費はかなり低いものでした。添嶋さんたちは、6月19日に静岡で「静岡文芸マルシェ」と題した文芸同人誌のイベントを開くとのことです。添嶋さんにアイデアニュースで文芸関係の記事を書いていただけませんかとお願いしたところ、快諾してくださいました。「言葉の工房」と題した添嶋譲さんの記事は今後、アイデアニュースに随時掲載します。お楽しみに。

添嶋さんが作成に関係した書籍=撮影・橋本正人

添嶋さんが作成に関係した書籍=撮影・橋本正人

皆さん、こんにちは。添嶋譲(そえじまゆずる)です。

僕はふだん、趣味で詩歌や小説を書いています。写真を撮ることも好きなので、それに短い言葉をつけたりすることもあります。そして、インターネット上で発表しています。今から15年くらい前、パソコン通信のNIFTYServeの詩のフォーラムというところで、詩歌を書いては発表していました。橋本さんとはその時からのご縁で、今回記事を書かせていただけることになりました。よろしくお願いいたします。

書き上げた詩歌や小説は自主製作の本にして発表することがあります。

とはいっても、新聞広告などで見かけるような自費出版は高額な費用がかかります。一般の書店で流通するとは言っても、実際にはあまり並ばない場合もあると聞きます。

くらべて、同人誌やリトルプレス、ミニコミ誌と呼ばれることの多い自主製作の本は費用は比較的安価で済みます。それは本文そのものだけでなく、レイアウト、表紙デザインも含めてすべて自分の手で作ることになるからです。印刷と製本は印刷所にお願いすることが多いです。発行する部数も、多くても数十冊となるものばかりです。

同人誌も一般の書店に流通することは稀です。そのかわり、同人誌を展示即売するイベントに作った人が自ら出展をして自分で販売をする、という形態を取ることが大半を占めています。主なイベントを挙げてみると、コミックマーケット、コミティアといった漫画同人誌などがメインのもの、文学フリマやテキストレボリューションズなどの文学に特化したものがあります。

僕は静岡に住んでいますが、文芸同人誌のイベントに参加するために、東京や大阪に出かけることがほとんどです。ふだん実際に会うことの少ない、同じ趣味を持った人々に会うのが楽しみです。書かれた文章に関すること、本そのもののつくりに関すること、賞への応募、雑談、他のイベントのことなど、いろいろな情報や意見を交換します。そういったかたがたと、自分の住んでいるところで開催されたらいいんだけどねえ、と話すことがあります。主に交通費や滞在費などの面で、遠方へ出向いてイベントに参加する、ということが高いハードルになっている人がいるんですね。

静岡にも創作活動をしている人、文芸同人誌を作っている人はいるはずなんだから、静岡でイベントをやってみたらいいんじゃない?

そういう軽い気持ちで始めてみたいと思いました。近くでやったら来てくれる人もいるかもしれないし、こんなことをやっているのは自分だけじゃないんだ、と思う人もいるかもしれない、そういうふうに考えたのです。そんな話を知人にしたら、ぜひやりましょう、という話になりました。彼女もまた、作家志望のアマチュア物書きさんです。初回なので小さなところでやりたいと思っていたら、その知人の紹介でカフェのオーナーさんに会場を貸していただけることになりました。

そんなわけで6月19日に「静岡文学マルシェ」というイベントを開催します。静岡市葵区七間町にある、スノドカフェというところが会場です。時間は11時から17時。

当日はアマチュア作家の書いた小説を中心に同人誌が並びます。それぞれが工夫を凝らしたものばかりです。アマチュアの人の書いたものはなかなか手に取りづらいと思われる方もいらっしゃるかもしれません。皆さん立ち読みだけでも歓迎してくれるでしょう。中にはフリーペーパーなど無料配布のものを用意している方もいるので、まずはそれをもらうところから始めてみるのもいいかもしれません。

また、ポストカードギャザリング、という企画を用意しました。作家さんにはポストカード一枚分に詩歌、小説など自分の得意技を表現してもらいました。それらの中から、自分が好きだと思うものを、好きな順番で集めてもらおうというものです。ポストカード一枚分なので、さっと読むことができて、気に入ったものは自分の手元にとっておくことができます。そこから、この人の書いたほかのものも読んでみたい、と思えば改めてその作家さんの本を手にとってみてください。

そして。自分もなにか本を作って参加してみたいと思われましたら。いろいろな発表のしかた、参加のしかたがあるのでそれに乗っかってみるといいのではないでしょうか。自分の書いたものを誰かが手にとってくれて、気にいってもらえるかもしれません。

まずは、いろいろな文芸同人誌イベントに参加してみましょう。一般の書店では味わえないような文学の世界が広がることでしょう。

<イベント情報>
【第二回文学フリマ金沢】6月12日 金沢市武蔵町 ITビジネスプラザ武蔵(石川県)5F・6F

http://bunfree.net/?kanazawa_bun02
【静岡文学マルシェ】6月19日 静岡市葵区七間町 スノドカフェ七間町

http://shizubun.wp.xdomain.jp/

それぞれ、僕が参加した同人誌を展示、即売しています。

また、6月18日は静岡文学マルシェ前夜祭と称して、静岡おでんを食べながら、文学、同人誌にまつわるあれこれを話すイベントも開催します。

よかったら遊びに来てください。よろしくお願いします。

<関連サイト>
【言葉の工房】 http://literary-ace.littlestar.jp/index.html
【静岡文学マルシェ】 http://shizubun.wp.xdomain.jp/
【文学フリマ公式サイト】 http://bunfree.net/
【Pine Piece Project(パインピースプロジェクト)】http://pinepieceproject.biz/

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<筆者プロフィール> 添嶋譲(そえじま・ゆずる) 石川県出身。書店勤務を経て現在は会社員。学生時代より短編小説、詩歌などを中心に書く。作品は自主製作本にまとめ、年に数回、文芸系同人誌即売会などに参加。「言葉の工房」ページは⇒こちら。添嶋譲さんの記事一覧は⇒こちら

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