ミステリー小説を緻密に舞台化、宝塚花組『マスカレード・ホテル』開幕 | アイデアニュース

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ミステリー小説を緻密に舞台化、宝塚花組『マスカレード・ホテル』開幕

筆者: 中田 ゆりな 更新日: 2020年1月9日

宝塚歌劇花組の梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演、ミステリアス・ロマン『マスカレード・ホテル』(脚本・演出、谷正純)が2020年1月5日(日)に開幕しました。今作は東野圭吾氏原作の長編ミステリー小説「マスカレード・ホテル」を舞台化した作品。「マスカレード・ホテル」はシリーズ累計発行部数360万部を超える「マスカレード」シリーズの第一弾で、2019年1月に公開された映画も大ヒットした人気作です。連続殺人事件を解決するため、ホテルマンとして潜入捜査をする警視庁捜査一課の刑事である新田浩介役を務めるのは、瀬戸かずや(せと・かずや)さん。そして、新田の指導係であるホテルのフロント担当の山岸尚美役は2019年11月11日付けで花組へ組み替えとなった朝月希和(あさづき・きわ)さんが務めます。緻密に計算された伏線が随所に散りばめられ、その謎が解き明かされる瞬間には頭の中がスカッとする爽快感が得られる作品。 開幕前日の2020年1月4日に行われた舞台稽古を取材・撮影しましたので、アイデアニュース独自撮影の写真と共にご紹介します。

宝塚歌劇 花組 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演、ミステリアス・ロマン『マスカレード・ホテル』より=撮影・橋本正人

宝塚歌劇 花組 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ公演、ミステリアス・ロマン『マスカレード・ホテル』より=撮影・橋本正人

都内で不可解な連続殺人事件が発生。警察は残された暗号から次の現場はホテル・コルテシア東京であると推測します。そして、警察は犯人逮捕のためホテルへの潜入捜査を実行することに。そこでフロントクラークに扮するよう命じられたのが、物語の主人公である警視庁捜査一課の刑事、新田浩介。風貌も立ち振る舞いも、まるでホテルマンらしからぬ新田。そんな新田の指導係を担当にすることになったのが、フロントクラーク係の山岸尚美です。ホテルマンという仕事に誇りを持っている山岸は、たとえ潜入捜査の一環として一時的にホテルで働くだけとはいえ、新田に対してホテル・コルテシア東京のホテルマンとして相応しい立ち振る舞いを求めます。一方、新田は捜査が出来ればそれでいいという考え。そんな異なる主張をぶつけ合う二人は、当然ながら衝突を繰り返すばかりでしたが、一緒に働いていくなかで次第にお互いの能力を認めるようになり、強い信頼関係で結ばれていくように。ホテルでの潜入捜査を続けるなか、訪れる宿泊客たちが引き起こすさまざまな騒動に翻弄されながらも、新田たち警察は事件を無事解決することができるのかーーー。

新田浩介役を務めた瀬戸さんは、冒頭、ロングコートを身にまとい颯爽と登場。ジャジーなメロディが印象的なナンバーをしっとりと歌い上げ、その伸びやかな歌声を存分に披露してくれます。そのあとのホテルマン姿やスーツ姿もビシッと着こなしてしまうスタイルの良さはもちろん、時折見せる背中からは大人の色気を漂わせ、数々の作品で培ってきた男役としての魅力を体現。最初はホテルマンとは思えない立ち振る舞いで山岸を困らせていた新田が、ホテル・コルテシア東京のホテルマンに相応しい人物へと成長していくまでの過程も、歩き方やお辞儀の仕方などの細かな仕草を通して表現していたところも印象的。映画版の木村拓哉さんを思わせる、鋭い目つきや荒っぽい口調もうまく取り込みつつ、どこか艶やかさが感じられる瀬戸さんならではの新田に仕上がっています。

新田の指導係である山岸尚美役を務めた朝月さんは、新田の指導係になるのも納得の所作や佇まいで、快活な役どころの山岸を好演。キビキビとした口調で、ビシバシと新田を指導をする姿には、清々しさが感じられ、山岸のホテルマンとしての責任感の強さがわかりやすく伝わってきます。一方、フィナーレでは清らかな白の衣装を身にまとって瀬戸さんにぴったりと寄り添い、物語とは違う二人の関係性を披露。瀬戸さんの低音と、朝月さんの高音が調和するナンバーでは、劇場内に響き渡る二人の美しいハーモニーに注目です。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、レポートの全文と公演写真3カットを掲載しています。

<有料会員限定部分の小見出し>

■汝鳥伶は重厚な総支配人役、冴月瑠那はフロント・マネージャー役を品よく

■高翔みず希はクレーマーの宿泊客を、音くり寿は元劇団員の女性を熱演

■新田の相棒的存在は飛龍つかさ。宝塚版ならではの、お茶目な後輩の設定

■ラストにかけてスピーディな展開。仮面舞踏会などの華やかな演出も

<宝塚歌劇 花組 ミステリアス・ロマン『マスカレード・ホテル』>
【大阪公演】2020年1月5日(日)~ 1月13日(月) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
【東京公演】2020年1月20日(月)~ 1月27日(月) 日本青年館ホール

<関連リンク>
宝塚歌劇のページ
https://kageki.hankyu.co.jp/revue/2020/masqueradehotel/
梅田芸術劇場のページ
https://www.umegei.com/schedule/846/

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<筆者プロフィール>中田 ゆりな / 神戸在住のフリーランスライター。関西の観光、グルメを中心に企画・取材・執筆・撮影を担当。歌とダンスをたっぷり堪能できるミュージカルが大好き。⇒中田ゆりなさんの記事一覧はこちら

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