ミュージカル『ジェイミー』が、2025年7月9日(水)に開幕しました。7月27日(日)まで東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)で、8月1日(金)から8月3日(日)まで大阪・新歌舞伎座で、8月9日(土)から8月11日(月・祝)まで愛知県芸術劇場 大ホールで上演されます。
ジェイミーをダブルキャストで演じる三浦宏規さんと髙橋颯さんのインタビュー後編です。「下」では、安蘭けいさんや石川禅さんとの本読みや稽古の中で感じられたこと、お互いについてのお話と、お客さまへのメッセージを紹介します。

――「ジェイミーは強い」とおっしゃっていましたが、おふたりとも演じるにあたって、パワーを要しているということですね。ここからは、安蘭けいさんが演じられるお母さまのお話を伺いたいのですが、ご一緒され始めていて、何かコミュニケーションを取ったりされていますか?
三浦:僕はまだ一回も一緒のシーンの稽古をしていないんですよ。
髙橋:僕は一回だけやりました。何というか、疑わないのが大切だと思いました。
――疑わないとは、どういうことですか?
髙橋:「これはお芝居なんだ」とか。きっと安蘭さんが、すごすぎるんですよ。ダンスとかでも、歌とかでも、うまい人と踊っていたらうまくなるんですよね。「自分はレベル2くらいなんだ」と思っていると、多分どんな環境でもレベル2のままだから、それを忘れて、ただその人と踊ることに、恥ずかし気もなく集中する。
今、言葉にしてしまったので、後で今日の稽古で頭をよぎるんですけども。一緒に過ごしている感覚になります。特に家のシーンだからなのかは、分かりませんが、素晴らしすぎる役者さんとご一緒するのは、こういうことなのかなと。友達とかに自慢したくなるような。
――今、すごい人とやっているんだぞと。親子の役で、密に芝居をしていることが誇らしいということですよね。
髙橋:そうです。後で違う作品に出た時に、お芝居が一気に下手になっていたら、「お前。言っていたことと全然違うじゃないか」と友達に言われると思いますが、今は。
三浦:引き上げてもらっている感覚だと。
髙橋:そう。
――安蘭さんのお力を、すでに感じていらっしゃるんですね。三浦さんはこれまでに、手練の方々とご一緒されてきてどんなことを感じられましたか?
三浦:僕は多分、意識すると怯んでしまいます。颯くんが言っていた、環境によってうまくなる、下手になるというのは、まさにその通りだと思います。どの業界でもその通りだと思いますし、僕自身も、絶対自分のいるべきじゃない場所にばかり、若い頃から行っていたんです。
上の世界にいたから、何となく毎回壁を乗り越えなければいけない瞬間がたくさんあったという感覚はありますし、それが自分を助けてくれたとは思っています。楽なことばかりではありませんでしたが。でもやはり、素晴らしい俳優さんや、すごく有名な方と共演させていただくことも結構ありますが、そもそも、そこにはあまり興味がないんですよ。
ーーその方の地位みたいなものに対して、興味がないということですか?
三浦:一緒にいいものを作れたらいいなと思っていますし、そう思うようにしているところもあるということです。「すごいんだ……」と思ってしまった結果怯んで、何も仕掛けられなくなったら、多分その時点で負けているし、面白くないじゃないですか。役柄の関係性もあるとは思いますが、対等に並んでいる役だとしたら、引いている場合じゃないなという気持ちがありますので、意識しないようにはしています。
安蘭さんとは、本読みの時に台詞のやり取りがありました。ご経験もそうですし、安蘭さんの素晴らしさをすごく感じています。親子役ですから、僕もまくし立てるようにやっていましたし、常にギアが8段階くらい上がった状態で臨まないとできない役だと思っています。
家のシーンは本当にナチュラルで、「落ち着きなさい」みたいなことを言われているような感覚になりますし、それでいいんだと思っています。「ジェイミーとは、そういうものだな」と。お母さんの前で「何とかかんとかで~! お金貸して」みたいな感じなんです。そこで安蘭さんにたしなめられるわけですが、それは役としてはもちろん、自分としても言われている感覚になって、その懐の広さというか、母親の大きな器というのを、本読みですら感じましたね。
――それが立ち稽古になって本番まで、楽しみですね。おふたりの親子関係がそれぞれどんな風にできるか、そこも楽しみにしています。石川禅さんのお話も伺いたいと思います。稽古場ではまだご一緒されていないですか?
三浦・髙橋:まだご一緒できていないんです。
三浦:僕は帝劇コンの時に、ちょっとお話しました。「楽しみだよ」とすごく言ってくださっていて。禅さんは前回も出演されているので、「宏規が入ってくるの楽しみだな。颯と同い年なんだって? いいじゃん、いいライバルになると思うよ」と言ってくださいました。
髙橋:ヒューゴだ(笑)。
三浦:僕は禅さんのヒューゴは映像でしか拝見していませんが、禅さんにしかできない役だなと思いましたし、対峙するのが楽しみですね。
――ジェイミーにとっては、お父さん的なポジションですね。
三浦:確かにそうですね。禅さんは本当に素晴らしい役者さんですので、稽古場で本当にたくさんのアドバイスをいただくでしょうし、自分からもアドバイスを求めに行きたいと思っています。
僕がご一緒したのは『ヘアスプレー』の時でしたが、いろいろなことを教えていただきました。今回は、ちょっとでも成長したところをお見せしたいです。『ヘアスプレー』の時はあまり絡むシーンはなかったですが、今回はがっちりお芝居できますので、とても楽しみです。
――髙橋さんは前回ご一緒されましたが、いかがでしたか?
髙橋:何も歯が立たなかったです。僕が役者としての人生経験も浅くて、それが本当にまさにヒューゴにしてもらうみたいに、禅さんが全面的なバックアップをしてくださっていた一面があります。でもそれだと、「俳優としてその役に、そのシーンに貢献できているというのか?」というところで、これは自分への皮肉なんです。本当に何もしていなかったんです。
それくらい、禅さんは包容力もありましたし、一方で、それだとちょっと恥ずかしさもありますし、「禅さんと颯」という関係性を見ると、やっぱりもどかしいし、悔しいし、やるせなくて。
今回は禅さんから頂いた「大人になりなさい」というキーワードが、すごく自分の課題として残っています。今日中には難しいですが、でも忘れてはいけないなと思って。自分にとっては、作り上げていくにつれて、また大千穐楽に向けてさらにいいものになると思っています。ジェイミーの成長軸って、いいなと思っています。
――石川さんが言ってくださった「大人になりなさい」というキーワードを心に置いて、今回取り組んでいらっしゃるんですね。
髙橋:やっぱり貢献したいと思いますね。支えてもらう役だからこそ、その分何倍にもして返せる自分でありたいですし、それが『ジェイミー』を通して返せるなら、そんな幸せなことはないです。今回も、この4年間で、僕が培ったと思えるものを、しっかりとぶつけられるように準備しますし、精いっぱい努力します。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、お互いについてのお話やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■髙橋:客席から全力で「宏規ー!!!」って 三浦:お互いに観に行って「フー!!!」って
■髙橋:海外のような、本当にお客さんが声を出してしまうくらいのところを、目指したい
■三浦:ダブルキャストの相方のことを褒めちぎって終わろうとする。この優しさ。これが髙橋颯
■三浦:こんなに明るくて、楽しくて、ほんわかしていそうですが、颯くんはすごく真面目な人
<ミュージカル『ジェイミー』>
【東京公演】2025年7月9日(水)〜7月27日(日) 東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)
【大阪公演】2025年8月1日(金)〜8月3日(日) 新歌舞伎座
【愛知公演】2025年8月9日(土)〜8月11日(月・祝) 愛知県芸術劇場 大ホール
公式サイト
https://horipro-stage.jp/stage/jamie2025/
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三浦さんのジェイミーも髙橋さんのジェイミーもどちらも拝見しましたが、びっくりするほど全然違っていて、それぞれ魅力的で面白かったので、まさに「同じ作品だけど、2度おいしい」でした。この記事を読んだ方がどちらも見てくださったら嬉しいです。