「まだみんな迷っている」、『チェーザレ 破壊の創造者』松田凌&鈴木勝吾対談(上) | アイデアニュース

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「まだみんな迷っている」、『チェーザレ 破壊の創造者』松田凌&鈴木勝吾対談(上)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2020年4月11日

ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』に“スクアドラ ロッサ”と“スクアドラ ヴェルデ”の2チームに分かれてWキャストで出演する俳優陣の中で、チーム“スクアドラ ロッサ”でサピエンツァ大学学生団「フィオレンティーナ団」所属のアンジェロ・ダ・カノッサ役を演じる松田凌さんと、同じく“スクアドラ ロッサ”でフィオレンティーナ団員の情報通ロベルト役を演じる鈴木勝吾さんに、インタビューしました。「上」では、稽古がどのような形で進んでいるかなどについて語ってくださったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。(このインタビューは、2020年3月中旬に実施したものです)

※編集部注:この作品は2020年4月13日(月)から5月11日(月)まで明治座での上演が予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で、全ての公演を中止することが4月8日に発表されました。作品の製作委員会は「事態が収束し、皆様がお楽しみいただけるような環境が整いましたら、改めて本公演をお届けしたいと考えております」としています(公式ページより)。

松田凌さん(左)と鈴木勝吾さん(右)=撮影・岩村美佳

松田凌さん(左)と鈴木勝吾さん(右)=撮影・岩村美佳

――まず、稽古の手応えはいかがですか?

鈴木:台本やそれに対する演出、ミュージカル『チェーザレ』をどうしていくのかということを全員で考えて、すごく右往左往している状態です。それに伴って、自分もロベルトという役をどう作ろうか自分のなかで決めきれないことで、全然前に進めないというところでもあるし。「やはりあれで」とも言いたいのですが。ただひとつ言えるのは、先輩方の歌などを聞いていると、やはり歴代ここで生きてきた人たちの、「あるな」という部分で感銘は受けています。手応えとは、ちょっと違いますが。

松田:伝統あるミュージカルなど、錚々たる作品に出てきた方々ばかりだと思います。そういった方々が集まって、新しい、全然見たことがない景色を見ようと思っている段階なので、幕を開けてみなければわからないぐらいの感じかもしれません。

――稽古を見て、特に学生のチームのディスカッションが面白くて。あれ自体がもはやエンタメだなと思いました。

鈴木:確かにそうですね。

――キャリアも違うから、皆さんの意見が事が様々で、拝見していて面白いというか。

鈴木:世界を知る事って面白い。それが良い世界であろうがダメな世界であろうが、正義の世界であろうが悪の世界であろうが、その外を知るのはすごく面白いだろうなと思っています。上にいる人だろうが下にいる人だろうが、1つの世界しか知らなかったら、どっちも井の中の蛙だなと。

松田:うん。

鈴木:例えば新しいものを作ろうってミュージカルの人たちがやっていることが「ごめん、それは演劇で全然やっていることだから」ということもあるし、僕たちが演劇を作っていて「こんな演出をしたら面白いんじゃない」ということが「いや、ミュージカルだと全然セオリーで普段やっていることだよ」ということがある。ストレートプレイを作ってきた小山ゆうなさんのやりたいことと、ミュージカルをやっていたアッキー(中川晃教)さんが作りたいこと、僕らが舞台でやってきたこととか、全部が上手くハマればいいなと思ってます。思うことはありますが、今、いろいろな世界の人を見て「ああなるほどな」と。知ることを拒否せずにいたいなという感覚はあります。

松田:そういったことが現場でも起きていて、『チェーザレ 破壊の創造者』の作品での世界観でもそうなのですが、その時に「僕はこう思います」と手を挙げられる人でありたいと思っています。

※アイデアニュース有料会員限定部分には、作品づくりの中で「議論」や「ディスカッション」がどのような形で行われているかについてさらに話してくださったインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。4月12日(日)掲載予定のインタビュー「下」では、グランド・ミュージカルについてのとらえ方や、普段どんなことをどんな風に考えているか、などについて語ってくださったインタビュー後半の全文と写真を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■松田:10人中9人が「はい」と言っても、「いいえ」と本当に思っているなら言ったほうがいい

■鈴木:中川さんは、しっかり作品を理解して、愛して、自信をもって舞台に立とうと思っている

■鈴木:諦めないというだけで、すごく素敵。「この程度」とした瞬間に蓋は閉じられてしまう

■松田:カーテンコールの時に「こんな景色を何度味わえるんだろ」と思うと、目頭が熱くなる

■鈴木:明治座で、この先輩方とご一緒するということで、まず1つはショーの勝負だなと

■松田:明治座の147年の歴史を潰さないように立たなければいけないのは、やはり嬉しい

<ミュージカル『チェーザレ 破壊の創造者』>
【東京公演】2020年4月13日(月)~5月11日(月) 明治座 (この公演は中止になりました)
公式サイト
https://www.cesare-stage.com
公式ツイッター
https://twitter.com/cesare_stage

<関連リンク>
松田凌オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/matsuda-ryo/
松田凌キャストコーポレーション&オフィスメイ
https://cast-may.com/contents/cast_25.php
鈴木勝吾オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/shogo-suzuki/
鈴木勝吾プロフィール
http://www.hirata-office.jp/talent_profile/men/shogo_suzuki.html
鈴木勝吾Twitter
https://twitter.com/Shogo_Suzuki_

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松田凌さん(左)と鈴木勝吾さん(右)=撮影・岩村美佳

松田凌さん(左)と鈴木勝吾さん(右)=撮影・岩村美佳

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. wk より:

    いつも素敵な記事をありがとうございます。アイデアニュースさんは他の媒体の記事よりも一歩も二歩も深いところにグッと踏み込んで言葉を引き出してくださるので、読み応えがあります。

    お稽古場でのお話、特に主演の立場で作品を引っ張って行かれる役割の中川さんとのやり取りを興味深く読みました。
    こちらの対談を読んだ後に先にアップされていた中川さんと宮尾さんの対談を読むと、ふたつの対談がつながって見えてくる感じもありました。
    それぞれバックボーンの違う方がどんな作品を作り上げようとしておられたのか…公演中止となってしまいましたので観ることが叶わず本当に残念です。こちらの記事を読んでますますいつか近い将来にチェーザレが上演されることを願う気持ちが高まりました。

  2. ゆっきー☆ より:

    この度は貴重な対談と素敵なお写真をありがとうございます。
    役者さんとしても人としても松田凌くんと鈴木勝吾くんのお二人が大好きで、出演作は欠かさず複数回観劇しています。
    対談からお二人の作品への想いや稽古場での様子を知ることができ、とても嬉しかったです。
    このお二人だから生み出せるアンジェロとロベルトの空気感があっただろうなと感じて、明治座の舞台に立たせてあげたかったという思いがより強くなりました。
    インタビュー「下」も楽しみにしております。

  3. かのみん より:

    お二人の共演は何度も観ていますがミュージカルと言うジャンルでは久しぶりだったので楽しみにしていました。お二人ならではの雰囲気で楽しく拝見させていただきました。ありがとうございます。中止になってしまいましたが再び同じキャストさんで叶う事なら何年か後にでも公演していただける事を願っております。

  4. けい☆ より:

    改めて、読み直してみて(涙)
    明治座さんの熱意を信じて、
    いつの日か必ずこのメンバーで公演してくれる事を信じて、お待ちしています。

  5. より:

    稽古場の様子を知ることができ胸が熱くなりました。特に松田さんと中川さんの会話が小説の一部かのようで、読んでいて感情移入してしまうほどでした。
    チェーザレが再始動し、初日を迎え、役者さんに拍手の渦を見せることが出来ますように。
    素敵な記事をありがとうございました。

  6. まめゆき より:

    お稽古場での雰囲気、キャストの方々がどのように作品を創っているのか、その一端を垣間見ることができてとても読みごたえがありました。公演が中止になってしまって残念ですが、いつか必ずこの作品が観られると信じて待っていようと思います。

  7. リナ より:

    初日前日までの時間の使い方、明治座の舞台でのカーテンコールまで思い描いていらしたお二人の無念を思うと泣けてきます……
    ぐいぐい引っ張る中川さんのやり方を前向きにとらえ、うまく付き合いながら協力していこうとされていたのですね。
    またいつか、が実現しますように。
    熱いインタビューをありがとうございました。

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