ミュージカル「グランドホテル」が開幕した。1928年の大都市ベルリンにある華やかな「グランドホテル」に集う様々な人々の物語。ノンストップで約2時間。GREENチームとREDチームのダブルキャストで上演され、結末の違うのふたつの物語が描かれている。演出は、昨年ミュージカル「タイタニック」を演出し話題となったロンドン気鋭のトム・サザーランド。「これは両方をみなければ語れない」という作品に仕上がっている。※アイデアニュース編集部より:岩村美佳さん撮影のREDチーム写真と、達花和月さんによるREDチーム公演レポートを、4月14日(木)に掲載します。
まず、この作品にはたくさんのキャラクターが登場するが、それぞれの人生が絡み合うように、グランドホテルの中で、さまざまに描かれる。見るところは無数に存在し、追いきれないほど。現実に生きる私たちの人生が絡み合う様と同様だ。ふたつのチームの結末が違うことは予告されていたが、途中の演出もいろいろと異なる。GREENチーム、REDチームの順に連日で舞台稽古を、さらに、上手と下手を入れ替えて見てみたら……パラレルワールドに迷いこんだような感覚だった。撮影しながら見ていると、フレームに入らない部分が見えないので、余計にその感覚は強いと思う。
撮影しながらこんなに涙を流した作品はなかったしれない。1928年といえば、第一次世界大戦と第二次世界大戦の間。世界の大きなよどみの中でも、ひとりひとりの人生は、様々に輝く。人間の生と死をみつめながら、その愚かさや悲しさも含めて愛おしいと思った。悲劇の先に見えた小さな希望や、それぞれの道を謳歌する人生。すべては表裏一体なのだ。
2チームでひと作品と言ってもいいのでは、というのが一番の感想だ。GREENチームを見たあとの、取材陣の反応がそれを顕著に現していた。いつもなら、口々に感想を話しながら帰っていくのだが、「REDチームを見るまでは何も語れない……」という空気が一斉に流れ、誰もが多くを語らなかった。ぜひ、両チームをみることをお勧めする。
23年前に宝塚で上演された「グランドホテル」も見ているのだが、くるくる回る回転ドアや、宝塚っぽくなかったことぐらいしか覚えていなかった。当時は大学生で、日々忙しく、楽しく、将来を夢見て過ごしていた時代。「こんな作品、わかるわけなかったな」と思った。今、あの時の倍程の人生を生きてきて、作品の重みが少しはわかるようになったのだろう。
観客の皆さんは、ひとりひとり、どんな感想を抱くのだろうか。
<ミュージカル「グランドホテル」>
【東京公演】2016/4/9(土)〜4/24(日) 赤坂ACTシアター
【名古屋公演】2016/4/27(水)、4/28(木) 愛知県芸術劇場大ホール
【大阪公演】2016/5/5(木・祝)〜5/8(日) 梅田芸術劇場メインホール
<関連サイト>
⇒ミュージカル『グランドホテル』
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GREENチーム公演のフォトギャラリーです。(REDチームのフォトギャラリーは、4月14日に掲載する予定のREDチーム公演レポートの有料会員限定部分に掲載します)
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