「被災地の花が教えてくれた。花をいけるのは命を繋ぐこと」、片桐功敦×赤坂憲雄対談 | アイデアニュース

新着 予定 プレゼント カルチャー

会員登録バナー

「被災地の花が教えてくれた。花をいけるのは命を繋ぐこと」、片桐功敦×赤坂憲雄対談

筆者: 桝郷春美 更新日: 2017年5月29日

 

華道家の片桐功敦さんの個展「Sacrifice―福島第一原発30km圏内の花たちが語る言葉」(Hikarie Contemporary Art Eye vol. 6、小山登美夫監修)が2017年春、東京の渋谷ヒカリエ8で開催された。初日4月11日には、いけばなのライブパフォーマンスが行われ、片桐さんが黒いフレコンバッグに花を咲かせ、ラッパーの狐火さんが自作の詩を朗読してラップを歌った。2020年のオリンピックに向けて再開発が進む渋谷の真ん中で、「前を向く時は、必ず後ろを振り返って祈ることの大切さを伝えたい」と企画したものだった。最終日には、片桐さんと民俗学者の赤坂憲雄さんの対談が行われた。「鎮めの作法―被災地とアートの関わりについて」をテーマに、二人が丹念に言葉を交わし、花をいけることの本質に深く触れた対談となった。

 

展覧会「Sacrifice―福島第一原発30km圏内の花たちが語る言葉」より=片桐功敦さん提供

展覧会「Sacrifice―福島第一原発30km圏内の花たちが語る言葉」より=片桐功敦さん提供

 

 

■福島で宝物を得て、大化けしていくアーティストを見てきた

 

片桐:僕は2013年から15年にかけて、東京電力福島第一原子力発電所から半径30キロのいわゆる「圏内」と言われる場所に入り、そこに咲く野の花を摘み、いけて歩き、写真に写してきました。これは福島県立博物館が運営している「はま・なか・あいづ文化連携プロジェクト」の招へい作家の一人として、福島県南相馬市に長期滞在して取り組んだ仕事です。この事業の主導者が赤坂憲雄先生です。

 

赤坂:東日本大震災以後、僕たちは福島を舞台として様々なアートプロジェクトを展開してきました。この事業では、我々が関心を引かれた様々な分野の作家に声をかけて、福島に入ってもらいました。福島が抱える課題にアートを通じて向き合い、発信するこの取り組みに対して全員が福島に関心を持ってくれたわけではなくて、いろんな理由がありますが、「これは無理だ…」と言って入らなかった人もいるし、一度入って二度と来なかった人もいます。その中で片桐さんは現場で多数のいけばな作品を制作し、福島での取り組みにどっぷりと浸かった方です。

福島に入るのは、それぞれに覚悟を強いられることですが同時に、福島をフィールドに作家としての様々な活動を行うことで、とんでもない宝物といいますか何かを得て大化けしていくアーティストたちを、これまで何人も見てきた気がします。その筆頭は、僕は片桐さんだと思っています。片桐さんはその成果を作品集『Sacrifice―未来に捧ぐ、再生のいけばな』(青幻舎、2015年)として上梓されましたが、僕がまず驚いたのは、そのタイトルです。なぜサクリファイスなのか、と。

 

※約2時間の対談内容をまとめた記事全文をアイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分で紹介します。

 

<有料部分の小見出し>

 

■いけばなはアートではない

 

■「痛み」というキーワード、福島に行った理由

 

■地中に眠っていた水葵の種が一斉に芽吹いた

 

■一人の華道家が震災以後の福島で花をいけることが慰めでもあった

 

■「舟とあの世」というモチーフは昔から気になっていた

 

■汚染していると言われる土でも、ひまわりを育てる力がある

 

■根源的な問いに対して、新しい風景を創造するのは最高に面白い

 

【片桐功敦(かたぎり・あつのぶ)】
1973年大阪生まれ。華道家。1997年、24歳で大阪府堺市に続くいけばな流、花道みささぎ流の家元を襲名。そのいけばなのスタイルは伝統から現代美術的なアプローチまで幅広く、異分野の作家とのコラボレーションも多数。小さな野草から、長年のテーマでもある桜を用いた大規模ないけばなまで、その作品群はいけばなが源流として持つ「アニミズム」的な側面を掘り下げ、花を通して空間を生み出している。

 

【赤坂憲雄(あかさか・のりお)】
1953年東京都生まれ。民俗学者、学習院大学教授、福島県立博物館館長、遠野文化研究センター所長。『岡本太郎の見た日本』でドゥマゴ賞、芸術選奨文部科学大臣賞受賞。「東北学」を提唱し、東北の歴史・文化風土の掘り起こしをおこなう。著書に、『ゴジラとナウシカ―海の彼方より訪れしものたち』(イースト・プレス)、『3・11から考える「この国のかたち」―東北学を再建する―』(新潮選書)、『東北学/忘れられた東北』(講談社学術文庫)ほか多数。

 

<片桐さん今後の展覧会情報>
すべて福島での活動についての展示。詳細は各ウェブサイト・フェイスブックページに掲載予定。
【台湾】6月24日(土)~7月下旬 chi-wen gallery・台北
http://www.chiwengallery.com
【福島】7月29日(土)~9月下旬 はじまりの美術館・猪苗代町
http://hajimari-ac.com
【広島】8月1日(火)~15日(火) ギャラリー交差611・広島市
https://www.facebook.com/ギャラリー交差611intersection-611石河や-1109737705724372/
【福島】9月中旬 gallery off grid・福島市
https://www.facebook.com/ギャラリーオフグリッド-1647804838825499/

 

<関連サイト>
『Sacrifice―未来に捧ぐ、再生のいけばな』青幻舎ウェブページ
http://www.seigensha.com/books/978-4-86152-522-3

 

片桐功敦さん(左)と赤坂憲雄さん=撮影・桝郷春美

片桐功敦さん(左)と赤坂憲雄さん=撮影・桝郷春美

 

原発 関連記事:

⇒すべて見る

 

全文が読める有料会員登録にご協力を 月額300円

アイデアニュースは、自由な編集方針を貫き、読者のみなさまに本当に役に立つ情報を提供するため、広告を掲載せず、企業や団体からの金銭を一切受け取らず、有料会員のみなさんの支援のみで運営しています。ほとんどの記事には有料会員向け部分があり、有料会員(月額300円、税込)になると、過去の記事を含めて、すべてのコンテンツの全文が読めるようになるほか、プレゼント応募やコメント記入などができるようになります。会費は取材をしてくださっているフリーランスの記者のみなさんの原稿料となります。良質な取材活動を続けるため、どうか有料会員登録にご協力をお願いいたします。

    
<筆者プロフィール> 桝郷春美(ますごう・はるみ)福井県小浜市出身。人生の大半を米国ですごした曾祖父の日記を読んだことがきっかけでライターを志す。アサヒ・コム編集部のスタッフとして舞台ページを担当後、フリーランスのライターに。雑誌やウェブサイトにインタビュー、ルポなどを執筆。世の中と表現の関わりに関心を寄せる。表現の根っこにあるものを作品を通して見つめ、言葉で伝えていきたい。 ⇒桝郷春美さんの記事一覧はこちら

投稿・コメント欄(現在、ログインしていないので記入できません。有料会員がログインすると記入枠が表示されます)

有料会員(月額300円)登録してログインすると、投稿・コメントを書き込めます

 アイデアニュース無料メルマガ

アイデアニュースに新着記事を掲載した時に、お知らせします。だいたい週に1回程度発行しています。登録解除は、届いたメルマガの末尾のURLをクリックすれば完了します。⇒見本


登録するメールアドレスはパソコンからのメールを受信できるアドレスにしてください。パソコンメールを受信拒否設定している場合は、ドメイン「ideanews.jp」からのメールを受け取れるように、受信設定してください。(auの場合は⇒こちら)(docomoの場合は⇒こちら) メールアドレスを登録すると、そのアドレスに受信承認のメールが届きますので、承認してください。


お名前(ニックネーム可、任意)


メールアドレス(必須)


スパム対策の回答(必須)
雪の色は白? それとも黒?


最近の記事

■ 2017年12月掲載分
■ 2017年11月掲載分
■ 2017年10月掲載分
 過去記事一覧は⇒こちら 有料会員登録は⇒こちら
お勧め商品
新着商品
Sorry, no posts matched your criteria.