「当事者と感じるのが演劇の醍醐味」、『木の上の軍隊』松下洸平インタビュー(上) | アイデアニュース

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「当事者と感じるのが演劇の醍醐味」、『木の上の軍隊』松下洸平インタビュー(上)

筆者: 達花和月 更新日: 2019年5月9日

こまつ座「戦後 “命” の三部作」の第二弾『木の上の軍隊』が、2019年5月11日(土)~5月19日(日)に紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYAで上演されます。今回は、物語の舞台でもある沖縄での上演が、2019年6月26日(水)に沖縄市民会館で行われます。思いも新たに新兵役に挑む、松下洸平さんにお話を伺いました。

松下洸平さん=撮影・伊藤華織

松下洸平さん=撮影・伊藤華織

――2016年のこまつ座版と同じキャストでの再演ですね。前回印象深かったことはありますか?

山西さんは、その時点で一度作品を経験なさっていたというのもあって、この作品の難しさも、大変さもよくご存じだったので、僕も初参加するときに、すごく、たくさんいろんなお話を伺いました。とにかく「大変だよ」っていう、脅しみたいな言葉もいただいて(笑)。でも、当時僕まだ二十代ですし「大丈夫でしょう!」と思って演ったら、初日終わった次の日、もう脚が筋肉痛で歩けないくらい痛くて。やっぱりあの斜面の上で動かなきゃいけないので、使ったことのない筋肉を結構使っていたみたいで、次の日、脚パンパンになっちゃって。「これじゃ、先が思いやられるな」と思って。

――あの巨大なガジュマルの木のセットを稽古場に組んで、その上でずっとお稽古していらっしゃったにもかかわらず筋肉痛がきちゃうんですか…!

そうなんですよ。だから僕が初めて参加させてもらった時は、ちょっと本当に「どうしよう」と思って。だけどやっぱり毎日毎日同じところで芝居していると、体力的な面では身体も慣れてきて。それでも本番中はキツかったですけど、やっぱりそれ以上に、戯曲と向き合う体力の方が大変だった気がしますね。

――本当に体力勝負な作品だったんですね…。

体力的なことで言うと、ゲネプロが終わって、その時、もう腰もかなりキてまして。

――大変じゃないですか!

そう、「これヤバいな」と思って。本番中に使う着替えとか、いろんなものを楽屋に持って行くのに、キャリーケースを使うんですけど、楽屋に入って荷物を出して鏡前に置いて、空のケースを持って歩くときに、これがないとしんどくて(笑)。おばあちゃんが引いてる、ちょっと荷物入れたり座れたりする歩行補助カート、あれを使うおばあちゃんの気持ちがメッチャ分かりました!

――腰の不調は、とくに何かをされたというより、お稽古を積み重ねてきた疲労で?

そうですね。積み重ねた疲労が腰にきて。帰りの道、空のケースを引いたときに「これメッチャ楽!」って(笑)。

――そうだったんですね。どちらかと言えばこの作品は、演者的にはメンタルの方が大変なお芝居と思っていました。

僕もいろいろ作品を演らせてもらっていますけど、でも『木の上の軍隊』は、一番体力的には大変かもしれないですね。

――2016年の上演当時は二十代、今回は三十代で演じられることになりますね。

でも、今の方が楽ですよ。まだ稽古が始まって日が浅いので、なんとも言えないですけど。たぶん、これから大変になっていくとは思うんですけど、前より力を抜いてお芝居した方がいいところは抜いて演じられる気持ちの余裕が少しだけ…今回は出るといいなと思っていて(笑)。

――やはり経験された上での再演ですから、その分アドバンテージはありそうですね。ちなみにストーリー的には変更はないのでしょうか?

変わらないですね。ただ、前回は台詞を覚えなきゃいけない、動きを覚えなきゃいけない、作品全体の「色」みたいなものを見つけていかなきゃいけない、と、やることが多かったんですよね。だからそういう意味では、今回は動きも、台詞も多少入ってますので前回ほどこう、…なんて言うのかな。

――前回より少し余裕ができて、視野が広がるといった感じ?

そうそう。だからもっともっと、前回見つけられなかったものも、今回は見つけられるんじゃないかなって思っています。

※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、井上ひさしさんへの思いなどインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。5月10日(金)掲載予定のインタビュー「下」では、昨年末に『母と暮せば』での演技で平成30年度(第73回)文化庁芸術祭 演劇部門 新人賞を受賞、今年2月に『母と暮せば』と『スリル・ミー』の演技で、第26回読売演劇大賞 優秀男優賞・杉村春子賞を受賞され、トリプル受賞となったことなどインタビューの後半の全文を掲載します。

<有料会員限定部分の小見出し>

■(井上ひさしさんの)お墓参りでお話しをさせていただく、作品にのめり込むスイッチ

■こちらは“ありのままを創る”。そこにお客さまに“入ってきてもらう”。そういう状況を

■精神が破壊され、考えることをやめてしまう時期。今回は「台詞なしで」という演出に

■今の沖縄は自分も当事者なのかもしれないというところまで、お客さまに感じて欲しい

<木の上の軍隊>
【東京公演】2019年5月11日(土)~5月19日(日) 新宿南口・紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
【沖縄公演】2019年6月26日(水) 沖縄市民会館
公式サイト
http://www.komatsuza.co.jp/program/

<関連リンク>
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http://www.komatsuza.co.jp
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https://twitter.com/komatsuza
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松下洸平さん=撮影・伊藤華織

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<筆者プロフィール>達花和月(たちばな・かずき) 遠方の友人を誘って観たお芝居との出会いをきっかけとして演劇沼の住人に。ミュージカルからストレートプレイ、狂言ほか、さまざまな作品を観劇するうち、不思議なご縁でライターに。自らの仕事を語る舞台関係者の“熱”に、ワクワクドキドキを感じる日々。 ⇒達花和月さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. モモ より:

    以前、藤原竜也さんが出演された時に「木の上の軍隊」を観劇しました!
    松下洸平さんになってからはまだ観劇できていないので、今回観れるのがとても楽しみです☺︎

  2. kou より:

    2016年版を観たので、演出、お芝居がどれだけ変わっているのだろうと楽しみで仕方ありません!

  3. もっち より:

    今回、初めて観劇します。戦争の悲惨さ、悲しさ、苦しさ、人の強さ、弱さ…あらゆる面を劇場で体感し、改めて戦争を考えたいと思います。

  4. めい より:

    前回公演は観ることができていないのですが、松下さんのインタビューを読んで今回の観劇がより楽しみになりました。
    演劇の中に居て欲しい、とても素敵な言葉だと思います。

  5. Yun より:

    初演で実話がベースであると知ったときの驚きは今も忘れられませんし、藤原竜也さんの新兵役の説得力に圧倒されました。
    でも、再演で洸平くんの新兵は全く違う役作りで、ただただふるさとを思う純粋さに心がふるえ、凄い役者だと思ったことを思い出しました。
    今回、どんな新兵をみせてもらえるのか楽しみにしています。

  6. より:

    前回も観劇させて貰いました。
    演者さんの演技に圧倒され、
    自分でも感じたことのないような気持ちになってもっと沖縄のこと知りたいなーと思った前回でした。
    前回とはまた何か違う見方や感じ方が
    あるのかな?と思うと楽しみです。
    今回も楽しみにしてます。

  7. のあのあ より:

    前回の木の上の軍隊も観劇しましたが、全然違うものになりそう!と今から楽しみです。

  8. 玲人 より:

    私は2016年に上演されたこの作品を観ていません。
    「木の上の軍隊」を観るのは今回が初めてとなります。
    私の中で戦争というものは遠くに感じてしまうものです。しかし近くにあるものだと認識した上で、この作品を観に行きたいと思います。松下さんの言うように、「傍観者」でなく、演劇の中に居たいと思いました。

    観劇する前にこちらのインタビューを読んで良かったです。

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