2人のキャストで10人あまりの登場人物を演じるミュージカルコメディ『ダブル・トラブル』~2022 夏 Season A~が、2022年7月28日(木)から8月14日(日)まで、東京・オルタナティブシアターで、Season Bが、8月16日(火)から8月30日(火)まで東京・有楽町よみうりホールで、Season Cが、9月5日(月)から9月13日(火)まで東京・自由劇場で上演されます。Season Aには、浜中文一さん、相葉裕樹さん、日野真一郎(LE VELVETS)さん、横山賀三さんが、Season Bには、林翔太さんと寺西拓人さんが出演します。Season Cには、林さんと寺西さんペアと、2021年の公演にも出演した原田優一さんと太田基裕さんペアが出演します。アイデアニュースでは、Season Aに出演する相葉裕樹さん、日野真一郎(LE VELVETS)さんのインタビューを掲載しました。
7月28日の開幕前には、Season Aに出演する浜中さんと相葉さんのペアによるゲネプロと、Season A、B、C全てのキャストが登壇した取材会が実施されました。ゲネプロの様子を写真でお伝えします。また、取材会の話の一部を紹介します。司会進行は、横山さんが務めました。
■Aチーム(浜中・相葉):ゲネプロを終えた気持ち
浜中:公開ゲネプロでは、どの舞台でもそうですけど自信をなくすんですよ。記者さんも全然笑ってくれないから(笑)、それで1回心折れるんですけど、今回は意外と「ここ、いけるだろう」って思えたところがあって。その日によっても、お客さんによって、また変わるだろうという、そんな手応えでした。
相葉:僕ら4人いてシャッフルしながら、結構時間がない中で練習したこともあり、「どうなるだろうな」と思いながら今日初日を迎えます。「やるしかないな」という感じで今日ゲネプロを終えて、自信を持てる場所と持てない場所が、はっきり分かれました。そんなゲネプロでした。
■Aチーム(日野):初日に向けての意気込み
日野:今日、ゲネプロを終えたお二人が、この後本番を迎えて、絶対すごくいいスタートを切ってくださると思うので、その勢いというか気持ちを引き継いで、明日いきたいと思っています。お客さまが近いですし、ピアノ一本で、歌もセリフもごまかしが効かず、役者が丸裸にされる舞台だと思います。そういうミュージカルなので、ドキドキしていますね。でも、こういうミュージカルがもっと日本で流行ってくれたらいいなと思いながら、そのきっかけになるようなAチームの舞台にしたいなと思うし、その後、BチームもCチームにも繋げられるような初日にしたいなと思っております。
■Bチーム:稽古の感想などについて
寺西:僕たちSeason Bは、Season Aの稽古をまず見てから、稽古に入るっていうスタイルでした。Season Aのみなさまがあまりにもクセが強いので、そこに持っていかれないようにする、引っ張られないようにするという作業もあったりして、それもすごく楽しくて。これからSeason Aが始まると思うんですけれども、Season A、B、Cと誰一人欠けることなく、走り抜けることができたらいいなと今すごく思っております。
林:僕去年、観させてもらって、まさか自分がやると思ってなかったので、「これできるかな」って、すごく不安があったんですけれども、稽古入る前に、去年の本番の映像をいただいて、原田さんと太田さんの映像をめちゃくちゃいっぱい見たんです。だから自分がやらなきゃいけないことは入ってる状態で、稽古場に入れたので、僕にとっての師匠が今日二人いるような、ここに。「やっと会えた!」みたいな(笑)。今日やっとお会いできたので、すごく嬉しいです。でもこの後まさに、僕ら通し稽古があるんで、またひとつここで新たな課題が見つかるといいかなと思っています。
■Cチーム:前回の思い出などについて
原田:先ほど浜中さんが、心が折れたところもあるとおっしゃっていましたが、我々もそうだったんですよ。初演メンバーだったので、ゴールがわからなくて。「このスタイルです」みたいなものを知らないまま稽古を始めたので、手探りのところがあって。僕らが新しいことやった時に、演出のウォーリー木下さんが、稽古場ですごく笑ってくださったところがいっぱいあったわけですよ。でも、お客さんの前でやったときに「シーン」としたときに、「笑ってくれないじゃないかよ!」って思ったこともありましたけれども、そうやって初演の時は一緒にお客さまと作れました。さっき、もっくんと裏でゲネプロの様子を聞いていたんですけれども、セリフが全然思い出せませんでした。なので、また新たな気持ちで出会いたいと思います。また一緒に作れることを楽しみにしております。
太田:稽古の時を思い出すと、相当やっぱりしんどかったなと思います。毎回、どの舞台でも思うんですけど、わりといい思い出しか残らなくて…
原田:だから受けたんでしょ?
太田:そうそう。だからまた受けたんですけど(笑)。久しぶりのこの舞台のセットの中に立ってみると、ちょっとエモい気持ちというか、なんか、お客さんとのコミュニケーションみたいなものも思い出されて。この作品をやれることの喜びを、すごくひしひしと今日感じております。
原田:これ(舞台セット)、そのままじゃないですか? 僕らが初演でやってたときのを使ってるんじゃないですか。
太田:そうですよね。
原田:この傷跡とかもたぶん、僕らの血と涙の結晶が重なって、ここにまた新しいみなさんの血と涙の結晶が重なっていくんだなと思ってね。ずっとこのままやってほしいですね。ボロボロになるまでね。
■Aチーム(横山さん):本番への思いについて
日野:賀三は何か、気持ちは?
横山:僕はSeason Aとして今回参加させていただいているのですが、約1か月間、本当に怒涛な日々で。二人芝居も初めてですし、歌にダンスに、タップにピアノに初挑戦のことが本当に多かったので、不安な気持ちもいっぱいあった中で稽古に参加させていただきました。みなさんがあたたかく見守ってくださって、助けてもらいながら、芝居とかもすごく勉強させてもらって、ひたすら「吸収できるものは吸収しよう」と食らいつきながら稽古に励んでました。僕の本番は、皆さんよりちょっと遅れての参加にはなるのですが、勢いあるSeasonA『ダブル・トラブル』のこの盛り上げをさらに盛り上げられるくらいの気持ちで、本番を迎えられたらいいなと思っています。
■見どころや、好きなシーンについて
浜中:これは、みんなで話し合っていく感じでいいかな?なんかありますか?
相葉:結局全編出ているから。
日野:唯一同じ役を演じるのは、レベッカだよね。
浜中:確かに。林くんは、稽古していて何かあった?
林:テラ(寺西さん)が、予想以上にミリーという役の女装がすごく似合う!
寺西:あれでですか?(笑)
林:すごくクセの強いキャラを演じているんですけど、見ているだけで好きになっちゃう!
寺西:大丈夫ですか?あれ好きになっちゃうの。
相葉:それ言うなら、文ちゃんミリーの「アハ!」っていう笑い。
日野:好きになるかは別として(笑)。
浜中:なんで好きにならへんねん。
相葉:女性なのかもよくわからない(笑)。
浜中:完全に女性でしょ、あれは。俺は意外と、クイックリーさんかな。お兄ちゃん役は、クイックリーとかビックスというおじいちゃんとかプレストンとか、クセ強い男性が多くて、いいなと思います!羨ましい!
横山:それぞれ全然違うクイックリーだったり、プレストンだったりするので、それも観ていてめっちゃ楽しいです。
原田:みなさん、裏側のことを想像されるのかなと思ったりもして。さっき、日野さんが「舞台上で役者が丸裸にされている気分」とおっしゃっていましたが、我々は、裏で本当に丸裸にされているんですよね。3人がかりくらいで、服着せられて!みたいなことを想像しながら観てみてください。もっと面白いと思います。不完全さが共感を生んだり、人間らしかったり。「あ、間に合ってない」とか。この作品、最初にそれぞれ本人として、役者として出ていくじゃないですか。「太田やりまーす! 原田やりまーす!」って。それがあるから成立するかなと。太田と原田が必死に芝居やってる姿も観てもらえるといいかなと。100%役なんだけど、100%なりきれてないじゃんっていうツッコミもそれこそ『ダブル・トラブル』の醍醐味かなと思ったりしています。
太田:本当に個性的な人物がたくさん出てくるので、僕は本番をやっている中で、全登場人物が推しになったんですけど、お客さまも観ていただいて、お気に入りのキャラクターを発見して、お友達とワイワイするのも楽しそうだなって。「あのキャラ面白いよね」って。
原田:もしかしたら、初日と千秋楽でキャラ変わってることもあるかもね。
太田:あ、そうですね。
原田:こうやって作ってきて、お客さまに育てられて、千秋楽では全然変わってきたねみたいな。それも見どころじゃないですか。何が言いたいかって言うと、最初の方に来た人は、最後の方も観に来た方がいいんじゃないの、ってことですね。
横山:寺西さん、どうですか?
寺西:2幕の頭の、ミリーさんとクイックリーさんのいい感じになるシーン。本編の兄弟のストーリーに全く関係ないくだりで、その恋模様が可愛いので。ウォーリーさんもおっしゃっていたように、これを2幕頭に持ってくる斬新さ。そこは、やってて面白い。ぜひ注目してほしいです。
横山:僕はレベッカが好きで。日野さんと相葉さん、めちゃくちゃ面白いんですよね。その違いを、ボビーの僕たちは、それぞれのレベッカに合わせてやるんですけれども。
原田:きれいになりそうですよね、みなさん。レベッカやった時に。
相葉:日野さんのレベッカはもう、爆弾ですよ! 登場から笑いが起きます。
日野:こんなにあげて、俺出てきた瞬間シーンとしたらどうするの…。
■締めに浜中さんより、お客さまへのメッセージ
浜中:Season A、B、Cとありますが、まずAから良いスタートを切って、途中のB、そして最後のCへとうまく繋いで、最後Cで華麗に終われたら。そういうシーズンになればいいなと思います。みなさん暑い日が続きますが、体調に気をつけて!そして、この『ダブル・トラブル』を元気な姿で観に来ていただけると嬉しいです。
<ミュージカル『ダブル・トラブル』2022夏 SeasonA>
【東京公演】2022年7月28日(木)~8月14日(日) オルタナティブシアター
<ミュージカル『ダブル・トラブル』~2022 夏 Season B~(A Musical Tour de Farce)>
【東京公演】2022年8月16日(火)~8月30日(火) 有楽町よみうりホール
<ミュージカル『ダブル・トラブル』~2022 夏 Season C~(A Musical Tour de Farce)>
【東京公演】2022年9月5日(月)~9月13日(火) 自由劇場
公式サイト
https://www.musical-wtrouble.jp/
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