ミュージカル『サムシング・ロッテン!』が、2025年12月19日(金)から2026年1月2日(金)まで東京国際フォーラム ホールCで、1月8日(木)から12日(月・祝)までオリックス劇場で上演(大阪)されます。シェイクスピア役を演じる加藤和樹さんのインタビュー後編です。無料部分では、加藤さんご自身にとって「俳優・加藤和樹」はどのような役者であるかというお話など合同取材後半の内容を、有料部分では『フランケンシュタイン』、『マタ・ハリ』へのご出演を振り返る、アイデアニュース独自取材の後半の内容を紹介します。

(合同取材:後半)
ーー映像をご覧になって、お一人で笑ってしまったということでしたが、具体的にはどのあたりが面白かったですか?
福田さんもおっしゃっていますが、ミュージカルが好きな方に向けて、いろいろなミュージカル作品の楽曲の一節や劇中のセリフ、そしてシェイクスピア作品のセリフを作品の中に取り入れて笑いに変えているというところが、この作品の一つの魅力かなと思います。もちろん、その要素の使い方もですね。タップダンスのナンバーや、みんなが一つになれる歌、会場中を巻き込む楽曲も、この作品の素晴らしいところだと思います。
ーーその世界観の中にご自身が入ると考えると、いかがですか?
コメディではないミュージカル作品では、あまり自己主張をしてはいけないと思うんです。でもこの作品では、特にシェイクスピアは、本当に自己主張が強くて、ナルシストで、彼の登場曲の「Will Power」は、「俺を見ろ!」という楽曲なので、そこをいかに突き抜けてやれるかも楽しみですね。
ーー俳優さんにとっては、シェイクスピア作品には、ある種の思い入れがあることもあるかと思いますが、今回シェイクスピア役ということで、そのあたりはいかがでしょうか。この作品のシェイクスピア像は一般的なイメージとは異なるとは思いますが。
シェイクスピア作品には、これまでにも何作か出演させていただきました。この作品のシェイクスピアは全くかけ離れているとは思いつつ、彼はこの作中では、『ロミオ&ジュリエット』以降のヒット作が書けないというところで思い悩んでいるんです。それは、劇作家や作家さんの中にもある葛藤だと思うんですよね。盗作がいいかどうかはさておき、一度売れてしまったらその次がどうしても期待されてしまうという状況での、彼なりのプレッシャーもあったでしょうし、そういうことを踏まえながら、笑いの面だけではなく、彼の本質の部分にも向き合うことができたらいいなと思っています。
ーー加藤さんご自身は、シェイクスピア作品に憧れるという気持ちはありますか?
挑戦したいという気持ちはもちろんあります。好き嫌いはもちろんあるとは思いますが、セリフ回しだったり、いろいろな方が演じているのを観るのもそうですが、やはりどうアプローチしていくかという、お客さん目線の楽しみ方もあると思うんです。そういう意味では、またシェイクスピア作品にチャレンジしたいという気持ちもありますね。
ーーシェイクスピア作品そのものが好きな人も、『サムシング・ロッテン!』を楽しめそうでしょうか?
絶対に楽しめると思います。
ーー先程、加藤さんならではのシェイクスピア役を開拓していきたいというお話がありましたが、加藤さんご自身は「俳優・加藤和樹」をどのように分析されていますか? 魅力だったり、「こんな役者だ」というところを、ご自身で語るとしたらいかがでしょうか。
たぶん、不器用な俳優だと思います。不器用なんですよ(笑)。言われたことはすぐできないですし、ミュージカルにおいては、踊りも苦手ですし。本当に時間をかけないと、役と向き合えないです。解釈の仕方だったり、人一倍そういうところに時間がかかるタイプだと思うので、もっと要領のいいやり方がありそうだなと、いつも思うのですが。でもやはりこうやって向き合っていくことしかできないので、そういう意味では「不器用な役者」だと思います。
ーー不器用だからこそ役にしっかりと向き合えるですとか、そこは強みにもなりそうかと思いましたが、いかがでしょう?
そういうところは、自分ではあまりわからないですね。真面目に取り組むことしかできないので、そういう意味ではまっすぐなのかなとは思います。あとは、楽しむ心を常に持っているところでしょうか。
ーー今回コメディー作品ですが、そういったご自身をどのように活かしていきたいと考えていらっしゃいますか?
自分とシェイクスピアには、あまり一致する部分がないです。でも、僕も歌詞を書いたり、生み出す、作るという作業はするので、彼の苦悩みたいなところ……作品にはあまり出てきませんが(笑)、ただ格好をつけているだけではなく、虚勢を張るというか。
本当は、この作品のシェイクスピアには、自信がないじゃないですか。プレッシャーも感じているし。そういう見えないところの彼の弱さみたいなものが、ふと垣間見える瞬間があってもいいのかなと考えたりはしています。僕自身も、いつも自信がない人間なので。
周りから「時代の寵児だ」「天才だ」ともてはやされてはいるけれども、だからこその次回作へのプレッシャーを彼も感じているはずなので。そういうところで、うまく気持ちがリンクするところを見つけられたらいいなと思います。
ーーミュージカル好きも楽しめる、ミュージカル愛に溢れた作品だと思います。楽しみにされているお客様にメッセージをお願いします。
個人的なところでは、「どんな加藤和樹を見られるだろう?」と、僕自身もすごく楽しみにしています。ミュージカルでこんなにはっちゃけることも、たぶん滅多にないですから、そういう姿を年末年始に見に来ていただければと思います。
ーーきっと、音楽活動をされている加藤さんならではの、アピールの強いスーパースターになるのかなと想像しています。
僕はスーパースターではないですが、スーパースターになった気持ちで、スーパースターを演じたいと思います。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、『フランケンシュタイン』、『マタ・ハリ』へのご出演を振り返る、アイデアニュース独自取材の後半の内容などインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■石丸さち子さんが「過去のアルマンが邪魔している。一回全部捨てて、新しく作り直そう」と
■アルマンを今の自分がやったらどうなるかと、ナチュラルに体当たりでぶつかってみた
■息をするようにラドゥーを。マタとアルマンと向き合って、どのような感情が湧き上がってくるか
■アッキーさんがいてくれることと、大好きな先輩の石川禅さんもいらっしゃる心強さ
<ミュージカル『サムシング・ロッテン!』>
【東京公演】2025年12月19日(金)〜2026年1月2日(金) 東京国際フォーラム ホールC
【大阪公演】2026年1月8日(木)~1月12日(月・祝) オリックス劇場
公式サイト
https://www.s-rotten2526.jp
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後編も楽しく読ませていただきました。
記事は勿論のこと、今回もお写真が秀逸ですね。
後編の3枚目のお写真が特に好きです!
いつもありがとうございます。