ミュージカル『マディソン郡の橋』が、シアタークリエで上演中です。山口祐一郎さんと涼風真世さんのコンビによる、美しく、切なく、愛おしい物語。これまで数々のミュージカル作品で共演してきたふたりの、あらたな魅力に見とれて引き込まれました。
『マディソン郡の橋』は、20世紀を代表するロバート・ジェームス・ウォラー著の同名小説をもとに、1995年にクリント・イーストウッド監督・主演にて映画化され、2013年にはミュージカル化。翌年ブロードウェイに登場し、2014年トニー賞ではオリジナル楽曲賞と編曲賞を受賞しています。文学、映画、演劇と、3つの芸術ジャンルにおいて、世界で愛される物語の日本初演です。
アメリカ・アイオワ州の農場の主婦フランチェスカ(涼風)と、仕事でこの地特有のカバード・ブリッジ(屋根つきの橋)を撮影に来たフォトグラファーのロバート(山口)が、突然出会い惹かれ合います。この愛に人生をかけようとするふたりが、どのような選択をし、どのような人生を送るのか。これまでの人生、出会った今、そして未来が、ふたりを取り巻く人々の人生も交えて描かれています。
名作として知られる映画とはまた違った、ミュージカルならではの見どころは、主人公のふたりをはじめする、登場人物たちの人物像がより生き生きと見えてくること。それは物語の構造の違いも大きいですが、独白として自らの心情を歌う、ミュージカルならではの見どころでもあります。特に、山口さんが物語のラスト近くで、フランチェスカへの思いを歌うナンバーが絶品。これまでに“普通の男”を演じる山口さんを見た記憶があまりありませんが、とても新鮮でこんなに素敵なのかと嬉しい驚きでした。そして、対する涼風さんがとても可愛らしく、やはり新鮮です。はしゃいだり、戸惑ったりする姿がなんとも魅力的で愛らしいのです。母であること、女であること。そのどちらもがフランチェスカの真実であり、だからこそ悩み、そして決断する。ラストシーンでは、フランチェスカの生き様が清々しくも感じました。
美しく多彩な音楽、シンプルながら印象に残る美術、出演者たちの卓越した演技、細やかな演出、すべてが溶け合った豊かなミュージカルです。
※アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分には、ミュージカル『マディソン郡の橋』開幕前に涼風さんに取材し、いただいた追加コメントを掲載しています。
<有料会員限定部分の小見出し>
■演出の荻田浩一さんについて
■少人数のカンパニーについて
■ご自身の人生の選択で一番大きかったことは?
■シアタークリエ10周年について
※山口祐一郎さんと涼風真世さんのサイン色紙を、有料会員3名さまに抽選でプレゼントします。有料会員の方がログインするとこの記事の末尾に応募フォームが出てきますので、そちらからご応募ください。応募締め切りは3月28日(水)です。(このプレゼントの応募は終了しました)有料会員の方はコメントを書くこともできますので、どうかよろしくお願いいたします。
<ミュージカル『マディソン郡の橋』>
【プレビュー公演】2018年2月24日(土)~2月26日(月) 北千住 シアター1010(終了)
【東京公演】2018年3月2日(金)~3月21日(水・祝) シアタークリエ
【大阪公演】2018年3月28日(水)~4月1日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
<公式サイト>
http://www.tohostage.com/madison/
こちらは『マディソン郡の橋』PV【舞台映像Ver.】です(TohoChannelより)。
<関連リンク>
涼風真世オフィシャルブログ
https://ameblo.jp/suzukaze-mayo
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「不倫もの」と一言で片付けて敬遠した方もいらしたようですが、
「人を愛する気持ち」「相手を大切にする気持ち」そんな人間的な部分を感じさせてくれる作品。
素敵なレポをありがとうございました。
難曲ばかりの作品ですが、キャストの人数が少ないことで、日々、より濃密に深化していってるように感じています。大阪はまだチケットあるようですし、是非足を運んでいただきたいですね。