アガサ・クリスティーの小説を原作とした舞台『ホロー荘の殺人』が2023年5月3日(水・祝)に東京・三越劇場で開幕しました。本作は、5月8日(月)まで上演されます。アイデアニュースでは、ヘンリエッタ・アンカテル役の凰稀かなめさんと、ガーダ・クリストゥ役の紅ゆずるさんにインタビューしました。インタビューは上下に分けてお届けします。
「上」では、本作への出演が決まった時のこと、台本を読んで感じたこと、紅さんがガーダを演じることについて伺った内容などを紹介します。「下」では、凰稀さんがヘンリエッタを演じることについて、稽古の中で時間をかけていきたいこと、お互いに「人としてここが好き」と感じているところなどについて伺った内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。
――このお話が決まった時、どんなやり取りをされましたか?
紅:何もしていないです。
凰稀:連絡先を知らないと思っていて。なので、撮影で会った時に「今度教えてね」と言っていたんです。そしたら、「あれっ?」と思って。よくよく考えたら、私が紅子ちゃんに1回LINEしているなと。で、「知ってるや~ん!」と連絡を入れて。
紅:「あ、知ってた~!」って。
――出演が決まってもお互い連絡先を知らないと思われていたから、撮影までその話はされなかったんですね。
紅:はい。共演が決まって、連絡先を知っていたら、私は必ずご連絡しているんですけど、知らないと思い込んでいました。
凰稀:私も知らないと思っていたんです。よくよく考えたら、「私、知っているかもしれない」と思って見つけました。
――となると、共演が決まった時の思いは、ご自身の中でそれぞれ消化されたんですね。
凰稀:そうですね。「紅子ちゃんだ!」と。「まじか、すげー!」 と思って。
――「自分たちがやりたくて」ではなくて「決まった」ということがすごいですね。
凰稀:いや。もう本当にそうだったよね。
紅:びっくりしました。
――この作品をやりたいなと思った決め手はありますか?
凰稀:どうだった?
紅:私はもう名前を見た時に、かなめさんだ、と思いました。
凰稀:じゃあ、私が先だったのか。
紅:最初、かなめさんだということだけが分かったんですよ。他は全然分からなくて。それで、「どんな役どころなんですか?」と聞いたら「面白そうだな」と思って。今回、私はストレートプレイが初めてになりますが、宝塚時代に「何かよく分からない、どうしよう!」となっていた時に、かなめさんにいろいろアドバイスをいただいて、「じゃあこうやってみます、ああやってみます」と言っていた時の感じがよみがえってくるだろうなと思いました。私の中ですごく心強い存在なので、ぜひご一緒させていただきたいと思いました。
――初めてのことにかなめさんがご一緒だと、取り組みやすいということですか?
紅:はい、そうです。今回は全然やったことのない感じの役で、そもそも、女性ですし。
凰稀:今まで、あんまり女性役ってやったことない?
紅:やってるんですけど、こういう役はありません。狂気的な役は、『リラの壁の囚人たち』でジョルジュ・ルビックを演じたことはあるんですが。
凰稀:でもあれは男性でしたからね。
紅:こういうタイプの女性役は初めてです。
凰稀:話が全然違うんですが、以前、的場浩司さんとご一緒させていただいたんですが、私のことをすごく気に入ってくださって、プロデューサーさんと演出の野坂実さんに勧めてくださっていたみたいで。そこからオファーをいただいたと思うんですよ。
的場さんが「すごくいい演技ができる女優さんがいる」と言ってくださって、「これはもう凰稀さんしかいない」と言っていただいてからのオファーでした。そういう風におっしゃっていただけたというのはすごく嬉しいです。私は『罠』という作品も観させていただいて、野坂さんとはそこで初めましてでした。
――今までに積み重ねたご縁が、ここにつながっているということですね。
凰稀:そうですね、ご縁でいただけた役ですので、そんな風に言ってもらえるんだったらぜひと思って。私もミステリというかアガサ・クリスティーの作品はまだやったことがなかったので、挑戦してみたいなという想いもありました。
――台本を読ませていただきました。ミステリですし、ネタバレを避けながら、どう対談にしようかなと思ったのですが。
凰稀:そうなんですよ。言えないことが多いので。
――アガサ・クリスティーの作品を読んでみて、いかがですか?
凰稀:アガサ・クリスティーの作品は今回が初めてですし、原作も読んでいないんです。でも、ミステリだというよりは、人物同士の人間関係というか、互いの複雑な思いなどが一番メインになっていると、台本を読んで感じました。
紅:「こういうお話です」とは言い切れなくて。もちろん、「殺人事件のお話です」とは言えますけど。でも何というか、真相がまったく掴めないんです。台詞ひとつ取っても、「こういう意味で言っている」と言い切れない感じなんですよ。アガサ・クリスティーは、人間の心情をすごく深く、逆に読者に感じさせるための手法を使っているのかなと思いました。明確に伝えればいいのにというところを、「もやっと」伝えてくる印象です。
凰稀:もやもやだね。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、紅さんがガーダを演じることについて伺った内容などインタビュー前半の全文と写真を掲載しています。インタビュー「下」では、凰稀さんがヘンリエッタを演じることについて、稽古の中で時間をかけていきたいこと、お互いに「人としてここが好き」と感じているところなどについて伺った内容やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■凰稀:女性役の紅子ちゃんを見たことがないので、今回が初めましての気持ち
■凰稀:いいも悪いもお互いわかるし言い合ってきた。今の紅子ちゃんの芝居が楽しみ
■紅:どの作品も、稽古場がすごく刺激的でしたが、コロナで止まってしまったり…
■紅:まだ「こういう風にやりたいな」という像が浮かんでいない。稽古場での吸収を
<舞台『ホロー荘の殺人』>
【東京公演】2023年5月3日(水・祝)~8日(月) 三越劇場
公式サイト
https://nosakalabo.jp/hollow/
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