藤岡正明さんのミュージカルコンサート『M’s Musical Museum Vol.6』が、2024年5月2日(木)と5月3日(金・祝)に東京・牛込箪笥区民ホールで5年ぶりに開催されます。藤岡さんのインタビュー後編では、現在作成中のアルバムのこと、今回のアルバムではジャケット撮影までご自身で手掛けたいということ、ご自身の音楽への向き合い方の変化についてお話ししてくださった内容と、お客さまへのメッセージを紹介します。
――新曲、昨年から今までに40曲も作られたんですか!?
(笑)。「作る」ってなったらもう吐き出していくんです。昔ソニーミュージックにいた頃に、そういう訓練があったんですよ。「メロディなんてもうこれ以上出てこないだろう、っていうところまでやるんだよ」と。ディレクターとかから「もっとやれ、もっとやれ」みたいな。要は「そういうもんだから」って言われて、訓練しておくと、そういうふうに出てくるからと。
でも今回はちょっと……。この間は、馬鹿みたいに小難しい1曲を作っちゃって、まとめるのにすごく時間がかかっちゃったり。今までも小難しい曲は作ってはいたんですけど、かなり変則的なものを作ってしまって、逆に自分がこんがらがって困ったみたいなこととか(笑)。いろいろありましたけど、多分4月、5月頃までには曲をバッと作り終えて、収録する曲が決まっていくのかなと。
並行してアレンジなどもやっているので、合間合間でちょっとずつ作業しながら、もしかしたら1曲ぐらい足りないねってなって、夏か秋ぐらいにまた新しく書くのかもしれないですけど。アルバムとしてのリリースを考えてます(笑)。
――アルバムをリリースされる予定があるんですね!
はい。だからまず、この6月にライブをやるというのは、自分自身のある種のリハビリで。これは本当に余談なんですけど、作業部屋にしている自宅のスタジオがあるんです。スタジオといっても、普通の6畳の部屋が機材だらけになっているだけなんですけど、去年の1年間で機材を買い替えて。音楽系のパソコンはスペックも高くないといけないし、中のソフトも、ほぼ半分ぐらいは買い替えています。
――さらに、カスタマイズもされていますよね。
そうですね。パソコンだけで4、50万ぐらいな感じなんです。ギターも2本買ったり、いろんなことをして「さあ、俺のモチベーション上がれ上がれ!」って、ずっと自分で自分のケツ引っぱたいてきたんです。要は機材の入れ替えも、それだけお金をかけるということは、曲を作らないとどうしようもないじゃないですか。「遊びで買ってるわけじゃないでしょ?」ってなっちゃうので。だから本当に、去年から今年にかけては、たとえばスピーカー1個とっても、メインスピーカー、サブスピーカーと、補助用のスピーカー、いろいろあるんですけど、それも全部売りさばいて違うものに買い替えて。スタジオのシステムをかなり変えていて、去年まであった機材で残ってるのって、ごくわずかです。
――総入れ替えですか……!
本当入れ替えましたね。でも売りさばいても買ってる方が全然高いので。自分が、やらざるを得ないような状態を作りました。事務所にも「ちょっと1月~4月は基本空けて、製作期間に入ります」みたいなことを言って、家でずっとやろうと思ってたんですけど、すごく体調を壊してしまったんです。気管支炎で喉がガチャガチャになって、声が出なくなって。ようやく良いお医者さんが見つかって、やっと良くなってきたと思ったら、インフルエンザになって咳をしていたら、また声が出なくなって。3月の半ばぐらいまでは、ほぼほぼ声が使えなかったです。水面下でやっているいろんな仕事、レコーディング系が多かったんですけど、それも飛ばさざるを得なくなったり。だから精力的に曲作りもできなかったんです。
――大変な状態でしたね。
去年は腰で『ザ・ミュージック・マン』の初日と2日目も降板したんですけど、そのときは最終的にギリギリまで、制作とずっといろいろ協議を重ねて、リハビリの必要がない手術をすると決めて。その状態を見て、本番に立つのか、完全降板なのか決まるみたいな状態でとりあえずやってたんです。もう去年も今年も「健康だ!」と思って過ごせる時間がなくて、いや本当に「こうも体調が崩れるものか」と思って。よく考えたら厄年だったんです(笑)。
――一番体調の変化が起きやすい年齢を、先人たちが「気をつけろ」としてくれているものが「厄年」なのかもしれませんね。
本当に健康って大事だなと思いました。どんどん自分自身の生命力が削がれていくというか……。だからさっき話したアルバムに対しても、今までも近しいことをちょっとやったことは全然あったんですけど、「完全にやってみよう」と決めて。どういうものになるかというと、たとえば、作詞・作曲・アレンジ、ギターを弾く人もいると思うんですけど、これをやって歌っている人は普通にいると思うんです。それだけじゃなくて、作詞・作曲・アレンジ・すべての楽器の演奏・プログラミング・レコーディング・ミックス(撮った音の編集)・マスタリング。それと、ここまでやる人はあんまりいないんですけど、ジャケット撮影。
――ジャケット撮影ですか!?
カメラを買い替えようと思っているので、そこも試してみたいなと思って(笑)。ミュージックビデオを動画でちょっと撮ってみようかと。そこまで手が伸ばせるかはわからないんですけど、少なくともジャケット撮影までは自分でやると。ジャケットはもう、コンセプトは決まっているので、こういうのを撮ろうって決めているんです。一眼レフで撮るというよりは、そこそこいいコンデジがあればそれでいいと思っていて。
作詞・作曲・アレンジ・すべての楽器の演奏・レコーディング・ミックス・マスタリング・ジャケット撮影。ここまで全部自分でやって、誰の手も借りないで作ってみようと思っています。そういうふうにやると、もう言い訳できないじゃないですか(笑)。だから結構時間がかかっちゃうんですよね。
――純度100%のアルバムになりますね。ずっと藤岡さんを応援してこられたファンの方にとっては、とても貴重で宝物のようなアルバムになりそうですね。
少なくとも僕自身が「これが自分の名刺で、良くも悪くも私、こういう者です」って、ちゃんと堂々とそこに立って言えるものを用意したいと思います。6月のライブでは、ある種のその「欠片」というか、端くれをお見せできるというのもありますし、僕自身のリハビリでもあります。こういうライブも、多分舞台もそうだと思うんですけど、どこか客席とステージは繋がっていて、呼吸をしていると思うんです。やっぱり特にライブやコンサートでは、お客さまの空気が我々に届いていて。舞台は「演じているこれを見てください」ですけど、お客さまにかけるような作品やライブならではの、お客さまとのコミュニケーションというか……。
※アイデアニュース有料会員限定部分には、ご自身の音楽への向き合い方の変化についてお話ししてくださった内容やお客さまへのメッセージなどインタビューの後半の全文と写真を掲載します。
<有料会員限定部分の小見出し>(有料会員限定部分はこのページの下に出てきます)
■6月にライブをやることで、僕自身のアルバムへの取り組み方がまたきっと変わる
■今、音楽の「“楽しい”じゃないところ」を、もっと知っていこうと思っている
■「これはこれで美味しい」ではなく、手間暇かけてリスクを取ったりを1個1個
■ 僕自身のいろんなものをごちゃまぜにして、全力でお届けしたい今回のコンサート
<『M’s Musical Museum Vol.6 』>
【東京公演】2024年5月2日(木)~5月3日(金・祝) 牛込箪笥区民ホール
公式サイト
https://masaaki-fujioka.com/contents/732534
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MMM6無事に終了してほぼ2周間経ちましたが、未だに耳にも心にも温かく残る素敵なコンサートでした。
やはり藤岡君は人を楽しませるエンターテイナーですね。
「真面目に」を終始打ち出してましたが(笑)藤岡君が真面目なのはファンは知っていますよ(笑)
ただ、楽しませたいために、ふざけてしまうところがあるのも事実。
真摯に、歌一曲一曲に心を込めて歌ってくれる姿が一番好きです。
これからも元気に歌い続けて欲しいです。