沖縄の小さな村「高江」が大変なことに、全国各地で緊急抗議行動 | アイデアニュース

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沖縄の小さな村「高江」が大変なことに、全国各地で緊急抗議行動

筆者: 松中みどり 更新日: 2016年7月21日

およそ160名が住む小さな集落、沖縄本島北部にある東村の高江に、東京をはじめ、福岡など日本の各地から100人単位で機動隊員がやってきて、ヘリパッド工事に反対する市民をけん制し排除しています。美しい自然に囲まれ、子どもたちがのびのび暮らしている小さな村が、今、大変なことになっているのです。

沖縄のメディアが連日報道していることを、沖縄以外の人たちはほとんど知らない、知らされていない。でも、これは沖縄だけの話では決してありません。この国の政治が何をしようとしているのか、私たち全員の未来についての話です。高江や辺野古で今起きていることを知り、それぞれの場所で何ができるかを考えてみたいと思います。前回の記事(「東村高江ヘリパッド建設に政府が機動隊500人投入へ、沖縄知事ら「強圧的」と批判)と合わせて、ぜひ、お読みください。

■警視庁、大阪府警、京都府警の庁舎前で緊急抗議行動

2016年7月19日、「警視庁機動隊は沖縄・高江に行くな!」緊急抗議行動が、東京、大阪、京都で開催されました。東京では警視庁、大阪では大阪府警、京都では京都府警に対して機動隊派遣に関する抗議が行われました。

「大阪府警は機動隊を高江に送るな」と抗議する人たち=2016年7月19日大阪府警本部前で、撮影・松中みどり

「大阪府警は機動隊を高江に送るな」と抗議する人たち=2016年7月19日大阪府警本部前で、撮影・松中みどり

7月19日、私は7時少し前に大阪府警前に到着。夜の7時はまだ明るく、大阪府警の大きな建物の前に少しずつ人々が集まり始めていた頃です。まだ20名に満たないこちらの数よりも多い警察官が出てきて、横断幕の置き場所や抗議する人の立ち位置を指示しはじめ、その横暴さに抗議する人と警察の間で緊張が走る場面もありました。しかし、だんだんと市民の数が増え、あくまで平和的に自分たちの思いを訴えたいと申し入れて、場が落ち着いていきました。80名を超える人たちが、アピールをしました。

「大阪府警は大阪できちんと仕事をしなさい!」

「沖縄の人が何を守ろうとしているのか、何を訴えているのか分かっているの!?」

「わたしたちの税金を使って高江や辺野古に行くことは許さない!」

2016年7月19日大阪府警本部前にて=撮影・松中みどり

2016年7月19日大阪府警本部前にて=撮影・松中みどり

「NO WAR」の手製プラカードを掲げて抗議=2016年7月19日大阪府警本部前で、撮影・松中みどり

「NO WAR」の手製プラカードを掲げて抗議=2016年7月19日大阪府警本部前で、撮影・松中みどり

制服を着た、強そうな警官たちがたくさん出てくると恐いです。沖縄の高江や辺野古では、もっと圧倒的な数の差をもって住民や応援に駆けつけた人たちを弾圧しているのかと思うと、胸がふさがれる思いでした。

■シュワブゲート内に「なにわ」ナンバーの機動隊の車両が

心をこめた必死の訴えにも関わらず、大阪の機動隊車両が沖縄辺野古に行ったというニュースが入ってきました。

沖縄・高江の様子=写真提供・川口真由美さん

沖縄・高江の様子=写真提供・川口真由美さん

沖縄・高江の様子=写真提供・川口真由美さん

沖縄・高江の様子=写真提供・川口真由美さん

ヘリパッド工事を止めたいと座り込む沖縄の人々と、機動隊員=写真提供・川口真由美さん

ヘリパッド工事を止めたいと座り込む沖縄の人々と、機動隊員=写真提供・川口真由美さん

『7月20日午前、シュワブゲート内に入った機動隊の車両のうち「なにわ」ナンバーなど、大阪府警の機動隊車両が確認されました』(琉球新報辺野古・ヘリパッド問題取材班→https://twitter.com/henokonow

これを受けて7月20日も引き続き、大阪府警前で抗議活動がおこなわれ、沖縄の人たちへの連帯や応援の気持ちをこめて再び声をあげました。急な呼びかけにも関わらず、30名ほどが集まって、大阪の警察が沖縄まで出て行くことへの抗議と、止められなかった悔しい思いを訴えました。

■国王の上京を迫り、琉球国を廃した「琉球処分」(1879年)では、警官・兵士およそ600人が沖縄に

明治時代、「琉球国」を廃して「琉球藩」にすることや琉球国王の上京などを迫った明治政府は、1879年、命令に従わない琉球に対し、警官、兵士およそ600名を派遣して武力的弾圧をおこないました(⇒詳しくはこちら)。「琉球処分」と呼ばれるものです。今回の機動隊派遣は、それになぞらえたくなるほどの規模の大きなもの。暴動が起きているわけでもなく、テロリストが潜んでいるわけでもない沖縄の過疎の村に、他県からの応援も集めていったい何をしようとしているのでしょうか。

■沖縄の2紙は連日詳しく報道、SNSやブログ、ウエブニュースサイトでも記事が続々

ファイスブックやツイッターなどのSNSやブログ、ウエブニュースのサイトでも連日沖縄高江の記事があがっていますし、沖縄の二紙はさすがに詳しく報じています。

米軍北部訓練場(国頭村、東村)内でヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設工事を再開するため、政府は19日、配置する機動隊員をほぼ倍増する。これまで県警が1日約60人程度で警備していたが、19日から本土の応援隊員を現場に投入。県警と合わせ、1日当たり百数十人規模で警戒に当たる。建設現場の一つである東村高江のN1ゲート前に市民が車両を置いているため、N1にも隊員を配置し、車両の強制撤去を視野に入れる。(沖縄タイムスプラス2016年7月19日記事より)

東村と国頭村にまたがる米軍北部訓練場のヘリコプター着陸帯(ヘリパッド)建設工事に関し19日、警察は訓練場の各ゲート前を通る県道70号の東村側の少なくとも2カ所で一時的に検問を行った。11日に沖縄防衛局が資材搬入を開始して以降、現場周辺で警察が組織だった車両検問を実施するのは初めて。識者からは「市民の日常生活に干渉し、行動を規制する警察権の乱用だ」と指摘する声が上がっている。(琉球新報2016年7月20日記事より)

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■他県から派遣されてきた機動隊員のことを生々しく描いた「沖縄撮影日記」
■TBSの番組「ニュース23」が20日に高江のレポートを8分間報道、全国の人が沖縄の状況を目に
■21日の高江での抗議集会には1,600人が参加、政府は22日早朝にも一帯を封鎖へ
■IWJが緊迫した21日深夜の「ゲート前」の様子を生中継、7月21日深夜までに19,259人が視聴

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<筆者プロフィール>松中みどり(まつなか・みどり) フィリピン支援ボランティア/英語講師/ライター 初めて行った外国がフィリピンで、以来かの国の人々の明るさ温かさに魅せられ、様々なNGOや支援活動に関わる。1994年からは山岳先住民アエタの教育支援主宰。コミュニケーションツールとしての英語を各地で教えている。動物好きの自称「ケモノバカ」。飼い猫は黒猫で親バカ度も加速中。 ⇒松中みどりさんの記事一覧はこちら

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