出会いから結婚後もずっと幸せ 女性同士のカップルインタビュー後編  | アイデアニュース

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出会いから結婚後もずっと幸せ 女性同士のカップルインタビュー後編 

筆者: 松中みどり 更新日: 2018年4月3日

 

2015年に「レインボーフェスタ!2015×関西レインボーパレード」で人前の平等結婚式を挙げたふたり、瓜本淳子さんと井上ひとみさんのインタビュー後編です。出会いから、結婚式を経て、家族となった今の気持ちをお聞きしました。

 

LGBTブライダルセミナーで、当事者として話をする井上ひとみさん(左)と瓜本淳子さん(右)2017年1月24日=撮影・松中みどり

LGBTブライダルセミナーで、当事者として話をする井上ひとみさん(左)と瓜本淳子さん(右)2017年1月24日=撮影・松中みどり

 

 

平等結婚式後は、同性同士の結婚式のモデルとして着物姿を披露したり、LGBT関連のセミナーで発言をしたりと、公の場に出ることが増えたひとみさんと淳子さん。相性ぴったりのふたりはどうやって出会い、生涯のパートナーとなっていったのでしょうか。

 

ひとみさん:出会いはネットだったんですよ。

 

淳子さん:ミクシィのコミュニティですね。

 

――ああ、そうだったんですか。やっぱり今時ですよね。良い時代ですね。

 

淳子さん:掲示板とか、コミュニティとかありますね。

 

ひとみさん:そういうのを使わないとリアルではなかなか、出会えないですからね。

 

淳子さん:「私、レズビアンなんです」って言いませんからね。カップルでいたら分かるけど、ひとりでいたら絶対分からないですから。

 

――なるほど。レズビアンの人が外見からでは一番分かりにくいかもしれませんね。よく出会えましたね。最初から、この人は特別だなと感じたんですか?

 

ひとみさん&淳子さん:全然思いませんでした。

 

ひとみさん:私はその時付き合っている人がいたんですが、他にはセクマイの友だちがひとりもいなくて、誰にも相談できなかったんです。それで、恋愛相談に乗ってくれる人いませんかって書きこんだら淳が「私で良ければ」って。

 

淳子さん:私もその時、そういう話が出来る友だちが全然いなかったんで、同年代で、大阪市だし、いいなと思って。

 

ふたりとも当時付き合っていた人に振られて、「慰め合い会」「傷のなめ合い会」をしようということになって、一緒にビアンバーへ行ったそうです。そこのママさんから「ふたりで付き合ったらいいじゃない」と言われて意識し合ったという淳子さんとひとみさんに、相手の好きなところを教えてもらいました。

 

ひとみさん:私から告白したとみんな思ってますが、違うんです。淳から言ってくれたんです。それまでは、私から好きになってしんどくなるというパターンの恋愛ばっかりしてたので、次は私を好きって言ってくれる人と付き合おうと思ってたんです。淳から好きと言ってくれて、やった!と思いました。

 

淳子さん:素直で一途で、隠し事をしないところが好きですね。

 

ひとみさん:可愛いくせにカッコいいというか、どっちも兼ね備えているところが好きです。

 

ひとみさんと淳子さんの家に飾ってある写真=撮影・松中みどり

ひとみさんと淳子さんの家に飾ってある写真=撮影・松中みどり

 

 

のろけ話も可愛らしくて爽やかなふたりです。互いを意識してから数か月で同棲を始めたそうですが、同性のパートナーならではの不安も出てきました。

 

 

アイデアニュース有料会員(月額300円)限定部分では、法的な保証がないことに関するふたりの思いと、同じように悩んでいるカップルへのふたりからのアドバイスなどを掲載しています。

 

<有料会員限定部分の小見出し>

 

■パートナーズ婚証明書が家族の証し

 

■結婚してから変わったこと

 

■若い世代のレズビアンの人たちにひと言

 

<関連リンク>
パートナーズ婚公式サイト
http://xn--0ck1ag0a9sc5425e.com/group/index.html
一般社団法人トータルサポート協会
https://connect.place/kekkon-kyoukai/
一般社団法人結婚トータルサポート協会Facebook
→こちら
住之江公園南トート動物病院
http://tohtoanimalhospital.com/

 

 

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パートナーズ婚証明書が家族の証し

 

レズビアンカップルのふたりは、「結婚」後も、生涯のパートナーとしてふたりの関係を証明してくれる法的なものが何もない状態でした。

 

ふたりが持っている「パートナーズ婚証明書」=パートナーズ婚公式サイトより

ふたりが持っている「パートナーズ婚証明書」=パートナーズ婚公式サイトより

 

――今は岸本牧師さんのところのパートナーズ婚証明書を持っているのですね?大阪市はまだ自治体としては何もないですよね。

 

ひとみさん:はい、パートナーズ婚証明書を持っています。大阪は、LGBTのカップルを公認する制度を導入すると、この前記事が出ていました。実施されたら、利用したいと思っています。

 

――ああ、大阪市長の話が出ていましたね。来年度くらいから始まるのかな。東京は世田谷とかありますよね。宝塚市にも、同性のパートナーシップの証明制度がありますが、残念ながらまだ利用したカップルがいないんです。

 

ひとみさん:宝塚では、制度を利用しにくい環境だったりするんですか?

 

――どうでしょうか……。比較的年齢層が高くて、古くから住んでいる人が多い町という印象があるので、なかなか利用する人が出ないのかもしれません。

 

ひとみさん:せっかく制度が出来たのに誰も利用する人がいないままだと、市長さんが変わってしまったら、「やっぱり要らなかった」って、なくなってしまったら困るし。誰か使ってしてほしいな。

 

――そうですよね。とはいえ、「早く結婚しなさい」というようなものなので、押し付けるわけにはいきませんしね。

 

*日本では今、パートナーシップ証明書や宣誓書が発行されている自治体が6箇所あります。2015年から古い順に渋谷区、世田谷区、伊賀市、宝塚市、那覇市、札幌市です。ひとみさんと淳子さんが住む大阪市はまだ制度が開始していないため、ふたりが持っているのは一般社団法人の結婚トータルサポート協会(岸本誠 代表理事・設立者)が発行している証明書です。こちらの記事も参照してください⇒「LGBT婚」から「パートナーズ婚」へ 岸本誠牧師が目指す未来

 

パートナーズ婚証明書を手にするふたりの記事=2017年8月24日朝日新聞

パートナーズ婚証明書を手にするふたりの記事=2017年8月24日朝日新聞

 

 

結婚してから変わったこと

 

ひとみさん:ふたりでワンルームマンションに住んでたんですが、手狭だしペット不可だし、引っ越すことになったんです。広い賃貸を借りるのか、物件を買うのか、悩んでました。老後も不安だし。

 

――部屋を借りるのは難しいですか?

 

淳子さん:同性同士で借りるのは、断られたりすることもありますね。

 

ひとみさん:どういうご関係ですかって絶対きかれるんで。

 

淳子さん:ここを買うときもね。

 

ひとみさん:そうそう。売ってくれなかったら困るから、私ひとりで買って、動物病院のシェアハウスみたいに使ってみんなで暮らすということにしたんですね。

 

――同棲していた時と、平等結婚式を挙げた後とで何か変わったことはありますか?

 

淳子さん:やっぱり、ずっと一緒に暮らしていくという思いが強くなりましたね。みんなに祝福された後で。

 

ひとみさん:ただの「彼女」とは違う、家族になったというか。

 

――家族としての自覚が出た後で、何かこんなはずではなかったとか、困ったこととかありますか?

 

ひとみさん:法的に認められていないせいで、生命保険の受取人を淳にすることができてないです。それと、公正証書をまだ作ってないので、私が死んだらこの家は淳のものにならないんです。そういう法律的なことが将来への不安かな。それ以外、日常生活ではあまり困ったことはないですね。

 

 

若い世代のレズビアンの人たちにひと言

 

――レズビアンの若い人やカップルに、何か一言お願いできますか?

 

ひとみさん:パートナーとして同性のカップルを認めるような自治体の制度が出来ても、まだあまり利用している人が少ないみたいですね。友だちには話してても、親には打ち明けてないという人が結構多いからか。

 

――やっぱり親に一番言いにくいんでしょうか。

 

淳子さん:そうですね。親には隠してる。だから、そういう制度が出来ても利用する人が少ないのかな。

 

ひとみさん:自治体の制度の利用者が多くなると、必要としている人が多いんだなと周りに分かってもらえるようになると思うんですね。それを受けて、国が同性婚を認める道筋になるんじゃないかなと思います。その人と一緒に生きていこうと思うのだったら、自治体の制度を利用してほしいです。アウティングにならないように、自治体にしっかり気をつけてもらえれば、条例を利用したからといって親にばれることもないと思うので、もっと利用してほしいですね。

 

  1. *アウティング:本人の了解を得ずに、公にしていない性的指向等の秘密を暴露すること

 

――なるほど、まだ親や親類に公表するわけじゃなくて、ふたりの間でこの制度を使いたいというケースもありますよね。

淳子さん:そっちの方がたぶん多いですね。

 

――おふたりの話を聞いていると、お友だちとかは何も問題なく、祝福してくれる人が大半だというのは希望だなあと思いますね。そういう雰囲気が広がっていって、これが当たり前のことだとみんなが知ってくれたらいいですね。

 

ひとみさん:テレビなんかで見るのと、知り合いにそういうカップルがいるっていうのは全然違いますからね。

 

――映画やドラマでは、以前からゲイの人たちが取り上げられることはよくあった思うのですが、レズビアンの人たちは最近になって、取り上げられてきたという感じですね。

 

ひとみさん:そうですね。最近ちょくちょく見ますね。もっと取り上げてほしいです。実際、レズビアンの人は、自分で分かっていてもそれを隠したまま男性と結婚する人が多いですね。なかなか表に出てこない。精神的に病んでいる人もけっこう多いです。

 

――そうなんですね。それは、誰にも言えないから、苦しんで病んでしまうということ?

 

ひとみさん:それも関係してるのかなあと思います。あと、親との関係が悪い人が多い。ゲイの人は、完全に隠して墓まで持っていくと割り切っていたり、早々に家を出てしまって親との関係は切れている人も多いから、(心の)負担が少ないのかなと思うんです。でも、女の子の場合はなかなか家を出られなかったり、ずっと「なんで結婚しないんだ」と言われ続けたりとか。

 

――プレッシャーが大きいんですね。

 

淳子さん:親に言っても反対されますね。

 

――そういう人たちに何か言葉をかけるとしたらどうでしょう?精神を病んでしまうというのは悲しいことですが、おふたりのように、幸せに生きているレズビアンの先輩カップルはロールモデルだと思うんです。特に若い人たちに言葉をかけるとしたら?

 

ひとみさん:いったん、親と離れた方が良いと思います。距離を置いて、私は幸せに暮らしてるよというのを見せてあげることが出来たら、親も、「あなたが幸せならそれでいい」と思ってくれるんじゃないかなと。

 

――なるほど。

 

ひとみさん:親御さんとしては、心配しすぎて、「同性愛なんて社会から認めてもらえないから、普通に男の人と結婚して子どもを産んで家庭を築きなさい」と言ってる部分があると思うんです。だから、そういうレールに乗らなくても幸せに生きられるんだよというのを見せてあげられたら、また違うと思うんです。

 

――それはとってもいい考え方ですね。

 

インタビュー後の集合写真=撮影・井上ひとみさん

インタビュー後の集合写真=撮影・井上ひとみさん

 

ひとみさん:家族になってから、何か悩みがあるかということでは、もうひとつね。友だちのビアンカップルさんが、第三者の精子を使って子どもを産んだんですね。「子どもは良いよ、作ったら?」って言われるんですけど、現状では、産んだ方が母親で、もうひとりは……。例えば淳が子どもを産んだら、私はその子とは赤の他人ってことになります。親権がもてない。そういう問題もあるし、学校に通い出したら、「あそこの子ども、母親がふたりってどういうこと」みたいな話になって、いじめられたりするかもしれないと思うと、じゃあ、子ども作ろうかって気になれないんです。

 

――じゃあ、今は、子どもさんはまだ……。

 

ひとみさん:年齢的にはそろそろ厳しいので、どうするかなあと。同性婚を国が認めてくれたら、子どもを持ちやすいと思うんですけどね。友だちは結局シングルマザーとして子どもを育ててるんです。

 

――ふたりだけならまだ何とかなる部分も、子どもが出来るとまた真剣に悩んでしまいますよね。

 

ひとみさん:そうなんですよね。それに、緊急帝王切開で子どもを産んだ友だちは、女性パートナーには連絡がいかなかったんです。

 

淳子さん:面会も最初はさせてもらえなかったんです。産んだ赤ちゃんも見せてもらえなくて。

 

ひとみさん:家族以外はダメって言われたらしいんですよ。

 

――病院で、いわゆる「家族」という枠からはずれてると思われたら、壁が立ちはだかりますよね。結婚前の姓を通称として使っている私は、義理の父や母の病院で「面会はご家族以外はダメです」って言われたことがあります。

 

ひとみさん:そうなんですか。名前だけでね……。

 

――まだ難しい部分もありますけれど、今日お話させてもらって、私にとっておふたりは、あの結婚式のキラキラした幸せな姿の通り、ますます幸せに生きているロールモデルのようなカップルだと思いました。

 

ひとみさん:ありがとうございます。本当に恵まれていると思います。

 

淳子さん:まわりに恵まれています。職場とか。

 

ひとみさん:こういう話を、口に出来る環境にいるということがありがたいです。

 

<筆者プロフィール>松中みどり(まつなか・みどり) フィリピン支援ボランティア/英語講師/ライター 初めて行った外国がフィリピンで、以来かの国の人々の明るさ温かさに魅せられ、様々なNGOや支援活動に関わる。1994年からは山岳先住民アエタの教育支援主宰。コミュニケーションツールとしての英語を各地で教えている。動物好きの自称「ケモノバカ」。飼い猫は黒猫で親バカ度も加速中。 ⇒松中みどりさんの記事一覧はこちら

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