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エッセイ:「私と猫たち」(1) 「めーちゃん」がやってきた

筆者: 岩村美佳 更新日: 2015年7月27日

 

フリーランスのフォトグラファー・ライターで、おもに演劇関係の撮影・執筆で活躍している岩村美佳さんのエッセイ、「私と猫たち」を連載します。第1回目は、「『めーちゃん』がやってきた」です。(アイデアニュース編集部)

 

家族で作っためーちゃんのテレホンカード=撮影・岩村美佳

家族で作っためーちゃんのテレホンカード=撮影・岩村美佳

 

とある仕事現場で「世界でいちばん好きなのは……」と雑談していたとき、「猫!!!」と即座に叫んだ自分に苦笑した。普段演劇関連の書き物をすることが多いが、猫について書く機会を得たので、まずは猫との出会いから書いてみようと思う。

 

私が猫をはじめて認識したのは、たぶん幼稚園の頃。母方のはとこの家に遊びに行ったときだ。シャム猫の「蘭ちゃん」という猫がいた。はとこが宝塚が好きで、鳳蘭さんを好きだったから「蘭ちゃん」という名前にしたそうだ。「猫だ!」と思いながらも特に興味を持つことはなかった。ひたすら子供たちで走り回ったり、そこの兄弟のプラレールで遊んでいた。

 

次は小学校の頃。友達の家に遊びに行ったら、真っ白なふわふわの猫がいた。友達がその真っ白な猫を放り挙げてキャッチする様子をみて、「そんなことして大丈夫なの!?」とドキドキした。多分おとなしいペルシャ猫だったのだろう。

 

もともと我が家は犬派だった。母が幼い頃から犬を飼ってきた影響もあって、私が幼稚園のとき、番犬を飼おうと、祖母がペットショップで雑種の子犬の買ってきてくれた。私と弟が「犬(いぬ)〜犬(いぬ)〜♪」と呼んでいたから母が「犬(ケン)」と名付けた。はじめてのペットは可愛いくて大好きだったけれど、大人になってから思えばもっと可愛がってあげれば良かったと後悔している。でも、あの頃はそれがわからなかった。ケンは7歳まで生きたが、ある日学校から帰ってきたら犬小屋におらず、母に聞いたら死んだという。突然の別れだった。しかも死んだあと、すぐに連れていかれてしまっていた。最期を見送ることが出来なかったことが、別れをより衝撃的なものとした。この出来事はその約16年後まで尾を引くことになる。

 

当時の岡山市自宅庭にて。大雪が降った日のケン。5歳。=撮影・岩村美佳

当時の岡山市自宅庭にて。大雪が降った日のケン。5歳。=撮影・岩村美佳

 

そして、猫と運命的な出会いをすることになったのは高校生の時。3〜4カ月ぐらいの子猫を家の前で見かけた。それは向かいの家が飼いはじめたメス猫・メリーだった。そういえば、少し前から赤ちゃんみたいな鳴き声がするなーと思っていたけれど、その声の主はこの子だったのか! 我が家の庭は、道路との境に低いブロックがあるだけだったので、猫にとっては道路みたいなもの。出入り自由のメリーが、当然のように我が家にもやってくるようになり、次第に家の中まで入るようになった。(というより、わざと引き入れたなぁ……。)こうしてメリーは第2の家を持った。いや、持たされた。

 

それからしばらくして母は、向かいの子供が「メリー(家の中に)入っちゃってるよ!」と叫ぶ声を聞いたそうだ。その子供が喘息になり、メリーを家に入れられなくなったから外で飼っていることがわかった。母は、「手放すときはうちにください」と言いにいった。すぐに向かいの家が引っ越すことになり、晴れて我が家の初代猫になったわけである。

 

我が家に来始めた頃のめーちゃん。4カ月頃。撮影・岩村美佳

我が家に来始めた頃のめーちゃん。4カ月頃。撮影・岩村美佳

 

弟の足にじゃれるめーちゃん。6カ月頃。=撮影・岩村美佳

弟の足にじゃれるめーちゃん。6カ月頃。=撮影・岩村美佳

 

我が家の猫になって、「メリー」から「めーちゃん」と名を改めた。その頃には我が家はすっかり猫派になっていた。そもそも、家の中に動物がいること自体がはじめての経験。毎日、めーちゃんのすることが新鮮で可愛くてしかたない。めーちゃんの可愛い写真が撮れたと、テレホンカードを作り、家族で持ち歩いた。今でも大事にとってある。

 

めーちゃんは庭に出ていたので、虫やら、鳥やらを追いかけるのは日常茶飯事。一度庭で傷ついた鳥を保護したことがあったが、おそらくめーちゃんが傷つけてしまったのだろう。ピーちゃんと呼んで世話をしたけれど、2週間程で死んでしまった。ケンを見送ることが出来なかった私にとって、はじめて目の当たりにした潰えた命だった。小さな鳥だったけれど、衝撃的だった。大学進学で東京に住んでいた私は、実家のある岡山から東京へ帰る新幹線の中で、流れる景色を見ながらひそかに泣いたことを今でも鮮明に覚えている。

 

大人になって太っためーちゃん。お腹がぽんぽこ。=撮影・岩村美佳

大人になって太っためーちゃん。お腹がぽんぽこ。=撮影・岩村美佳

 

庭でくつろぐめーちゃん。=撮影・岩村美佳

庭でくつろぐめーちゃん。=撮影・岩村美佳

 

めーちゃんの写真を選びながら、写真を撮ったときのことを徐々に思い出した。それまでアルバムをめくっていたときは、「誰が撮った写真だったっけ?」と思っていたけれど、フレームにおさまった絵を脳が記憶していると感じた。あ! この絵覚えている……。

 

庭でくつろぐめーちゃん。2歳。よくここで砂浴びしてました。=撮影・岩村美佳

庭でくつろぐめーちゃん。2歳。よくここで砂浴びしてました。=撮影・岩村美佳

 

弟に紙袋に入れられ、迷惑中のめーちゃん。2歳半。イカ耳です。=撮影・岩村美佳

弟に紙袋に入れられ、迷惑中のめーちゃん。2歳半。イカ耳です。=撮影・岩村美佳

 

しかし、写真へただなー。

 

カメラが仕事になるなんて、これっぽっちも考えていなかった頃。

 

今の技術があったら、もっと可愛く撮ってあげられたのにな。

 

 

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※岩村美佳さんのエッセイ、「私と猫たち」は隔週月曜日(月曜祝日の場合は火曜日)に掲載しています。

 

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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