出演者と観客が互いを称え合う至極の時間、『ジャージー・ボーイズ』各公演を観て | アイデアニュース

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出演者と観客が互いを称え合う至極の時間、『ジャージー・ボーイズ』各公演を観て

筆者: 岩村美佳 更新日: 2018年10月10日

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』が、日比谷・シアタークリエでの公演を終え、10月8日(月)の秋田公演を皮切りに、岩手、愛知、大阪、福岡、神奈川と続く全国ツアー中です。シアタークリエは連日満員の大盛況でした。私も大好きな作品ですが、アイデアニュースで取り上げた中川晃教さんと海宝直人さん、中川さんと伊礼彼方さんの対談をはじめ、別企画では演出家の藤田俊太郎さんと伊礼さんのトークイベントを行ったり、観劇を通して、色々な方向から拝見しました。シアタークリエでの公演について、さらにその様々な方向を通して感じたことなどを、まとめてみたいと思います。

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』より=撮影・岩村美佳

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』より=撮影・岩村美佳

今回の再演を観て一番に浮かんだことは、「そうだった! ミュージカルではじめて読売演劇大賞を受賞した作品だったんだ!」という事実です。仕事柄、日々多くの作品を拝見しますが、すごいと思う作品は、ライター仲間などで話していても共通することが多いですし、結果、各演劇賞を受賞することが多いです。やはり、多くの支持を集めるから受賞に繋がるわけで、『ジャージー・ボーイズ』が大きな結果を残した作品であることは、作品を見れば一目瞭然。春夏秋冬と4つの季節をめぐりながら、フォーシーズンズの物語を描くという脚本の構成の上手さと隙のなさ。フォーシーズンズの名曲を用いたナンバーの数々。「観客を描いたミュージカル」を具現化するために作り上げた、日本版演出のオリジナリティ。実力派俳優たちの魅力と技術力。スタッフ陣のプロフェッショナルな仕事ぶり。チームWHITEと、チームBLUEの2チーム制で、それぞれの魅力を堪能できること。日本でフランキー・ヴァリ役は中川さんしか演じられないというスペシャリティ。これらすべてが揃っていることが奇跡的で、だからこそ多くの人に支持される作品なのだと改めて腑に落ちたのです。

日本でミュージカルを見に通うお客様は、圧倒的に女性が多いですが、『ジャージー・ボーイズ』は男性客が多いことも特徴です。私も初演から様々な友人知人を誘って観劇しましたが、男性たちもとても楽しんでいました。普段ミュージカルを見ない人でも楽しめるところがこの作品のすごいところだなと思います。同様な反応を感じる作品は『レ・ミゼラブル』。共通点は男性の主人公の半生を中心に描かれた物語というところでしょうか。人生の悲喜交々のリアルさが男性にも響くのかと考えます。

私がこの作品にはじめて出会ったのは、2015年に東急シアターオーブで上演されたブロードウェイ版の来日公演でした。母と一緒に観劇し、共に大興奮したことをよく覚えています。

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<有料会員限定部分の小見出し>

■シニア層のお客様が大歓声をあげていた、2015年のブロードウェイ版来日公演

■片方を見るともう片方が見たくなる、スパイラルにハマっていった日本版初演

■チームWHITEは、ハーモニーがとにかく美しい。鳥肌が立った「Cry For Me」

■チームBLUEの新しさに心ときめく。『ジャージー・ボーイズ』は芝居なんだと

■フランキー・ヴァリの歌声の再現ではなく、中川さんの歌声が観客を物語に導く

■“5番目のメンバー”が思いを返す、あの空気。他の作品に観られない独特の空間

<ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』2018>
チームWHITE:中川晃教、中河内雅貴、海宝直人、福井晶一、太田基裕、阿部裕、畠中洋、ほかのみなさん
チームBLUE:中川晃教、伊礼彼方、矢崎広、spi、太田基裕、阿部裕、畠中洋、ほかのみなさん
【東京公演】2018年9月7日(金)~10月3日(水) シアタークリエ(この公演は終了しています)
【秋田公演】2018年10月8日(月・祝) 大館市民文化会館(この公演は終了しています)
【岩手公演】2018年10月11日 (木)~12日(金) 岩手県民会館
【愛知公演】2018年10月17日(水)~18日(木) 日本特殊陶業市民会館 中ホール
【大阪公演】2018年10月24日(水)~28日(日) 新歌舞伎座
【福岡公演】2018年11月3日(土)~4日(日) 久留米シティプラザ ザ・グランドホール
【凱旋公演】2018年11月10日(土)~11日(日) 神奈川県民ホール

<関連リンク>
『ジャージー・ボーイズ』のページ
http://www.tohostage.com/jersey/

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ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』より=撮影・岩村美佳

ミュージカル『ジャージー・ボーイズ』より=撮影・岩村美佳

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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最近のコメント

  1. ももんが より:

    岩村さんの記事と舞台写真から、JBを体験した時間が蘇りました。
    (観劇というより、体験した、という感じです)
    個人的には、客席と舞台がこんなにも繋がっているミュージカルは
    初めてだと感じています。客席に座っていても、多方向から舞台を
    観ることができ、また、人物を感じることができるという演出に、
    本当に興奮しました。
    今回、念願で再演を観ましたが、一人観劇だったのが心残りで・・・。
    ぜひ、両親を連れて観に行きたい!!今は、しみじみ思います。
    素敵な記事をありがとうございました。

  2. あき より:

    シアタークリエでの千秋楽から一週間あまり。
    すっかりJBロスに陥っていましたが、作品を観た時の感動が瑞々しく蘇ってくるステキな記事でした。

    次は横浜凱旋に行く予定なので、それまでは今回の記事や中川さん&海宝さん、中川さん&伊礼さんの対談記事で時折作品を思い返したいと思います(^^)

  3. リナ より:

    ジャージー・ボーイズ愛に溢れる記事、楽しく読ませていただきました!
    コンサート版と再演しか観ていませんが、本当に奇跡の作品だと思いました。
    それも、それぞれのチームがそのチームにしかない奇跡を見せてくれていると感じます。
    それぞれ緻密な努力を重ねて奇跡に到達しているような…。
    観劇前に対談記事を読むことができたことも大きかったです。
    全国ツアーが終わる前に改めて読ませていただきたいと思います!

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