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震災と原発事故で故郷を奪われた「ナホ」の物語、スタジオライフ『なのはな』

筆者: アイデアニュース編集部 更新日: 2019年3月9日

 

漫画家・萩尾望都さんが、東日本大震災と福島の原発事故を題材として発表した短編漫画『なのはな』を、劇団スタジオライフが舞台化した作品『なのはな』が、2019年2月27日から東京で上演されています(東京公演は3月10日まで)。大阪では、4月12日(金)と4月13日(土)にABCホールで上演されます。東京公演のレポートが届きましたので、その一部をご紹介します。(文:横川良明)

 

スタジオライフ『なのはな』より=写真提供・スタジオライフ

スタジオライフ『なのはな』より=写真提供・スタジオライフ

 

 

原作は、萩尾望都が「月刊flowers」2011年8月号(小学館)にて発表した同名コミック。東日本大震災と福島第一原子力発電所事故によって大好きなおばあちゃんと故郷を奪われたフクシマに住む小学校6年生の女の子・阿部ナホが、未来に向かって踏み出す一歩を描いた珠玉の短編作品だ。わずか24ページの短い原作に、劇団スタジオライフは、丁寧に、丁寧に向き合った。どこか郷愁を誘うピアノの調べと共に幕が上がり、原作同様、チェルノブイリの原発事故についてナホが授業で学ぶところから物語が始まる。

 

ナホの祖母は、津波にさらわれ、依然行方不明のまま。そしてナホは祖母がいなくなったことを受け入れられず、周囲に「ばーちゃん、いつ帰ってくるの?」と尋ねては困らせている。「もうすぐだ。心配するな」と笑顔で答える祖父と、「ばーちゃんのことは言うな」と咎める兄・学。家族の間でも、震災の傷跡は生々しく残っている。

 

そんなナホは、夢の中で深い森に迷い込む。そこで出会ったのは、三つ編みをした西洋人の女の子。彼女に導かれるまま進むナホの前に、なつかしい人が現れる。おばあちゃんだ。あの日と何も変わらない優しいおばあちゃんの微笑み。この夢は、何を意味するのか。三つ編みの少女は何者なのか。ナホは、止まっていた時間をもう一度進めることができるのか。いろんな謎を孕みつつ、物語が進んでいく。

 

菜の花は、わずか1本ではそれほど目にはとまらない小さな花だ。けれど、その菜の花が集まり寄り添い一面に広がれば、それは小さな幸せの海となる。人間も同じだ。ひとりでは、哀しみに負けてしまうこともある。だけど、誰かと手を取り抱き合うことで、どんな悲劇も乗り越える力が生まれる。そんなイメージが、ラストシーンと共に心に浮かんだ。

 

『なのはな』の東京公演は3月10日まで。その翌日は、9度目の3.11だ。そしてそれから1ヶ月の時間を置き、4月12日から大阪公演の幕が開く。このタイミングで上演したことに、スタジオライフの強い意志を感じた。あの日のことを決して忘れないために、まだ3.11は続いているのだということを知るために、多くの人に観てほしい希望のドラマだ。

 

(文:横川良明)

 

スタジオライフ『なのはな』より=写真提供・スタジオライフ

スタジオライフ『なのはな』より=写真提供・スタジオライフ

 

 

<スタジオライフ『なのはな』>
【東京公演】2019年2月27日(土)~3月10日(日) 東京芸術劇場シアターウエスト
【大阪公演】2019年4月12日(金)~4月13日(土) ABCホール
http://www.studio-life.com/stage/nanohana2019/

 

 

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