フェイスブック上で「海外で戦争をせず平和を実現するという意識」をもった人たちがつどっている「FB憲法九条の会」。「当会には保守派を排除する意思はなく、保守から左翼、リベラルまで、仏教徒からキリスト者までの大同団結によって非戦を目指しています」(同会の規約より)とのことで、この会のメンバーは、ネット上の活動だけでなく、国会前の抗議行動などにも参加しています。2015年7月26日に国会前で行われた戦争法案反対の抗議行動に参加した「FB憲法九条の会」の方たちに同道し、管理人をつとめている方に「FB憲法九条の会」誕生の経緯などについて、うかがいました。
<FB憲法九条の会の管理人の1人、Hさんにお話をうかがいました>
--国会前に来るのは久々ですか?
私は1週間に1回ぐらい来ています。
--みなさん週に1回ぐらい来てるんですか?
毎日、仕事終わってから来てる人もいますね。
--今日もそうですけど、ほかの共産党とか民主党とか社民党とかが、やっている時に来て、特にこだわらず横にいるって感じですか?
そうですね。政党の呼びかけっていうよりも、ネットでの呼びかけに呼応して、みんなで行こうやって声かけて。
--いろんな人がいるわけですね。
文字通り「軍隊は絶対廃止」っていう人もいれば、「個別自衛権はいい」っていう人もいるし、でもとにかく、今回の安倍政権の集団的自衛権で海外派兵をする、ということに関しての反対で集まっています。
--もともと作られたのは?
去年、2014年の7月1日に、自公が閣議決定しましたよね。その時に、みんな原発の運動でつながっていたんですよ。それで、憲法九条の会っていろんなところにあるんですけど、フェイスブックで統一したものがないから、作ろうじゃないかって、呼びかけましてね。それで最初は数十人から始まって、2ヶ月たったら1000人になったんですよ。
--2ヶ月で1000人。
はい。そいで、9月になって「1000人突破したからオフ会やろうじゃないか」ってことになって、上野でやったんですよ。
--オフ会って、実際にみんなで集まるって会ですよね。
そう。そしたら、そのあとも、どんどんどんどん増えていって、今年(2015年)になってから、5月の連休の時には5000人突破してるだろうっていうことで、5000人突破記念の何かやろうって。
--5000人に呼びかけてオフ会ですか!
オフ会っていうか、イベントをやろうってことになって。それで、私たち管理人が集まって。で、たまたま福島瑞穂さんが、その日、空いてるってことで。あとは会館をおさえて。ネットで呼びかけて、オフ会というか研修会をやったんです。
福島さんの講演と、大学教授や、原発の活動家のダニーさんっていうイスラエル人の方や、講談師の神田香織さんとか、そういう人にシンポジウムに来てもらって、それからオフ会やると。
--何人ぐらい来たんですか?
その時は200人ぐらい。
--で、みんなオフ会、行ったんですか?
オフ会はね、半分ぐらい、100人ぐらいでしたね。
--でも、オフ会100人っていうと、けっこう大変でしょ。
めちゃくちゃ盛り上がりましたよ。
で、今、この7月末で8000人超したんですよ。1カ月ごとに1000人増えてるんで、おそらく9月の早いうちに1万人行くだろうと。1万人のイベントを何か考えてるんですけど。
--もともと管理人さんは何をしていたんですか。
脱原発ですね。
--福島からですか?
そうそう。みんな、やっぱり3・11から、ワーッと動き出したから。で、それから安倍政権が、どんどんひどいことやり出したんで、例えば、武器輸出3原則の見直しだとかね。秘密保護法だとか、TPPだとか。数えだすと、きりがないじゃないですか。派遣法の改正だとかね。そういうのでこう、みんな話題がどんどん盛り上がって、それをみんなが共有しあってシェアしてね。仲間が仲間を増やすって感じで。
--真面目な話で言うと、今回の法案に対して、管理人さんはどう思われてるんですか?
まず、憲法9条の条文に違反してる。解釈改憲は認められないってことと、日本は海外に武器を持って戦争しに行くことはできないし、それはしちゃいけないと。その時点で、いちおう、みんなとつながってる。
もちろん、私自身には考え方はあります。私はどちらかっていうと絶対平和主義の考えですしね。ただ、なかには自衛隊はいいんだっていう人もいるし。
だけど、そこでの論争ってのは、あんまりしない。そこでガヤガヤやっても、しょうがない。とにかく、今の安倍政権の法案を認めちゃったら、戦後70年続いている海外で戦争をしなかった日本の形が壊されちゃうってことで、みんなで手をつなごうということです。
で、この会も、8000人もいると多すぎて、会話が拡散しちゃうんで、その中で、スタンディングをやってる人が……。
--スタンディングって、少人数で立ってる人ですよね。
そうです。駅前で。そういう運動をやってる人たちが全国的に集まるサイトを作ったりとか。
--なるほど。
そういう形で、付録のサイトみたいなのができていってるんですね。で、それがまた両方が連携しあって、内容が濃くなって広がってるんです。
どうも、ネットでやってる人は、書き込みで能書きばっかりたれて、活動しないでね、そいで人の活動を批判する人が多いと。じゃなくて、我々は、できることから何でもいいからやりましょうと。
まず最初にシェアすることから始まって……。
--なんのシェアを?
なんかの宣伝をすることですよね。自分の近くで出来ることをしようじゃないかって。そういうイベントの紹介とか。
--つまり、自分がやってることの宣伝じゃなくて、人がやってることの紹介をすると。
そうそう。それから、ポスターやチラシをデザインしたら、それを共有して、ネットプリントで、今なら100円で出来ますよとかね。
それから会で「のぼり」を作ったんですよ。
--はい、あの黄色いのですね。
そう。あれも共同購入って形で刷って。
--お金は?
管理人が4人いて、みんなで出し合って、発注します。
--できたものは販売するんですか?
共同購入です。たとえばイベントする時の会館代も、何万円もいるから、それもみんなで出し合って予約して。失敗すると管理人が、かぶらなきゃいけない。
--わりとネット関係、強い人が多いんですか?
そうですね。ハードに強い人はいないんですけど、ソフトの面ではね。一生懸命、書いてくれる人とかね、いますね。
--今後の方針は?
幅広く、みんなとつながってゆきたいと思います。自公政権への反対派がバラバラだったら、絶対、政権交代は成し遂げられないと思うんですね。それで、僕らは接着剤になるような運動をしたいなと思っています。
--ありがとうございました。
<以下、国会前抗議で見かけた光景を紹介します>
当日は、ものすごい数の人が国会前に集まっていて、いろいろな政党の関係者や、老若男女、さまざまな人たちがマイクをとって演説していました。ここから下では、当日の国会前の様子を写真で紹介させていただきます。
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