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「わたしたちは、戦争法案に反対します」、宗教関係者らの声明まとめ

筆者: 橋本正人 更新日: 2015年9月19日

 

安保関連法案(戦争法案)が2015年9月19日未明、参議院で可決・成立しました。しかしこの法律が、多くの問題を抱えていることに何ら変わりはありません。

 

各報道機関が2015年9月11日に伝えたところによると、過激派組織「イスラム国」(IS)は、アメリカが主導する対「イスラム国」軍事作戦に加わっている国を「十字軍」と位置づけ、「ボスニアやマレーシア、インドネシアにある日本の外交施設を狙え」などと日本を名指しして外交施設への攻撃を呼びかけました(http://www.yomiuri.co.jp/world/20150911-OYT1T50047.html) 。これを受けて、岸田外務大臣は、全ての在外公館に警備強化を指示しました(https://www.youtube.com/watch?v=s-vmkFGtcS8)。

 

イスラム過激派は、安保関連法成立のニュースを受けて、「日本は対イスラム国の十字軍に加わった」と、ますます声高に言うようになるでしょう。「十字軍」による戦闘といえば、中世ヨーロッパで多くの犠牲を生んだ「少年十字軍」などの悲劇が思い出されます。日本は、本当に、このまま対イスラム過激派「十字軍」に加わって行っても良いのでしょうか。これに対し、キリスト教、仏教など、各宗教界の関係者らは、どう考えているのでしょうか。法案に反対の声をあげてきた宗教関係者の声をまとめました。

 

安保法案反対のデモ行進が進む沿道で「わたしたちは、戦争法案に反対します。」と書かれた日本バプテスト連盟のポスターを掲げる人=2015年9月13日、大阪市内で、撮影・橋本正人

安保法案反対のデモ行進が進む沿道で「わたしたちは、戦争法案に反対します。」と書かれた日本バプテスト連盟のポスターを掲げる人=2015年9月13日、大阪市内で、撮影・橋本正人

 

 

<日本バプテスト連盟理事会>
「安保関連法案(戦争法案)の強行採決に抗議します! 剣を取る者は皆、剣で滅びる(聖書)」(2015年7月15日)

 

すべての為政者のみなさん。奢りをすて、謙遜になり、人々の声に耳を傾けてください。覇権主義のもと日米が一体化し、世界を軍事的・経済的に支配しようとする生き方を根本から見直し、対話と交わりと協働の奉仕によって、脅かされるいのちを守り育む国際協力・国際貢献へと方向転換しましょう。戦争責任を大切に継承し、アジアの人々と共有できる歴史認識を保持し、民族や国籍の異なる他者を尊敬しつつ歩むことこそが、見失いつつある平和と共生の未来のために、何よりも大切であることを信じましょう。

 

私たちの主、平和の主、イエス・キリストの名によって、私たちは、この戦争法案を認めません。私たちは、この戦争法案に従いません。私たちは、いかなる理由によって戦争がなされようとしても、いかなる理由によっても協力しません。私たちは、戦争そのものを認めません。したがって、私たちは、あらゆる戦争のための備えに反対します。私たちは、この戦争法案が廃案となることを祈り、これからも行動します。

 

私たち日本バプテスト連盟は、すべての地域・国に生きる人間が、そして神によって創造された全てのいのちが、戦争の悲劇から解放されることを祈り続けます。

 

(日本バプテスト連盟のページはこちら → http://www.bapren.jp/

 

 

<日本カトリック正義と平和協議会>
「抗議声明」(2015年7月15日)

 

平和とは、単に戦争がないことでもなければ、敵対する力の均衡を保持することでもなく、独裁的な支配から生じるものでもありません。地上の平和の獲得に必要なのは、他人および他国民と、また彼らの尊厳を尊重する確固たる意志および兄弟愛の実践なのです。(『第二バチカン公会議 現代世界憲章』<1965年・ローマ教皇庁>より要約)

 

わたしたち日本カトリック正義と平和協議会は平和をこのように理解しています。集団的自衛権の行使を実現する安全保障関連法案は、わたしたちの平和理解と真っ向から対立するものです。なぜならそれは、国際的緊張を高めて敵愾心を煽り、人を戦争へと駆り立て、立憲主義を破壊して独裁社会への道をつくるからです。

 

わたしたち日本カトリック正義と平和協議会は、衆議院 平和安全法制特別委員会における安全保障関連法案の強行採決に強く抗議し、速やかにその取り下げ、廃案を求めます。

 

(日本カトリック正義と平和協議会のページはこちら → http://www.jccjp.org/jccjp/home.html

 

 

<日本YMCA同盟>
「安全保障関連法案の廃案を求める声明」(2015年7月16日)

 

戦後70年間の平和と民主主義は、憲法によって守られてきました。憲法が国民主権の砦であり、憲法に違反する法整備はあってはならないのです。これまで日本の政府は、アメリカの要求に対しても、憲法を盾として集団的自衛権の行使を否定してきたのです。

 

そして、日本は、開発途上国への青年海外協力隊の派遣や青年平和交流事業の推進、YMCAを含めてNGO・民間団体による国際交流事業、国際協力事業によって、国や民族・宗教を超えた相互理解を促進し、平和の関係を築いてきました。アジアへの侵略戦争を敢行し数千万人の人々のいのちと生活を破壊し、被曝国として自国民を塗炭の苦しみに追いやった歴史を顧み、日本は、軍隊を放棄し、軍事力によらない世界の平和に貢献してきました。そして、今も国際協力・交流の貢献が世界の人びとに期待されているのです。

 

YMCAは、平和の主イエス・キリストの愛と奉仕の精神に基づいて、日本YMCA基本原則を掲げています。その使命の第三項に「私たちは、アジア・太平洋地域の人々への歴史的責任を認識しつつ、世界の人びとと共に平和の実現に努めます。」とあります。

 

昨日の衆議院平和安全法制特別委員会での強行採決、衆議院本会議での採決という、憲法に違反し国民の反対を押し切る暴挙に対し、この法案が廃案となることを強く求めると共に、政府与党の議員の方々の民主主義・立憲主義に基づく良識ある判断をお願いいたします。

 

(日本YMCA同盟の声明のページはこちら→ http://ncc-j.org/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=138

 

 

<日本キリスト教協議会 平和・核問題委員会>
「安全保障関連法案」の廃案を求める声明(2015年7月6日)

 

このような「戦争法」を成立させたら、リスクを負うのは自衛隊員だけではなく、先の大戦で大きな犠牲を強いた沖縄をはじめこの国全体に及ぼします。この大きなリスクを負う危険に対しても委員会での答弁は誠に曖昧で、その場限りの言い逃れでごまかしているとしか感じられません。

 

首相が「積極的平和主義」の名の下で後方支援する必要を述べられますが、後方支援と戦闘地域との線引きは難しく、例えばホルムズ海峡における機雷除去活動でも、戦闘服を着た日本の自衛隊が他国で活動すれば、日本は戦争当事国になります。また他にも、日本が親密な某大国の危機に(たとえそれが日本のための作戦中であれ)武力援護や支援を行うことは、自国がそのことに反感を覚えるテロ集団からの標的になることを避けられません。そしてそのことから泥沼のような状態に陥っていくことが容易に想像されます。この法案は平和ではなく戦争をもたらすものです。廃案を求めます。

 

武力で平和は作れないことは、歴史が証明しています。戦争は人類最大の罪です。日本は平和憲法を盾にして、戦争や紛争が起こらないよう、争いのあるところに和解を作り出す働きをしてください。大量破壊兵器はもちろん通常の武器の製造の禁止、地雷や機雷を敷設することの禁止を世界に向かって提案することなど、日本の名誉ある役目は沢山あります。どうか真に世界から信頼と尊敬を得る国となるように、知恵を絞って平和を作り出す先頭に立ってくださるよう、心からお願いします。

 

(日本キリスト教協議会 平和・核問題委員会のページはこちら → http://ncc-j.org/sosiki/heiwa/index.htm

 

 

<日本福音ルーテル教会 社会委員会>
「真の平和を実現するために 集団的自衛権の行使容認を懸念する」(2014年9月5日)

 

今回の集団的自衛権の行使容認については、武力行使のための条件(新三要件)が設定されて、その行使が限定的なものあることが表明されていますが、「日本と密接な関係のある」戦闘状態の国の支援を武力によって行うことを容認するものであり、戦争行為をも辞さないことを表明するもので、「戦争の放棄」とは真逆の、戦争行為への道を開くものであると判断します。

 

私たちは、「国は国に向かって剣を上げす、もはや戦うことを学ばない」(イザヤ2:4)ことを旨とし、「敵を愛し、自分を迫害する者のために祈る」(マタイ5:44)ことこそが真の平和をつくりだしていく道であると確信しています。

 

(日本福音ルーテル教会の声明文はこちら → http://ncc-j.org/modules/bulletin/index.php?page=article&storyid=140

 

 

<日本聖公会>
「安全保障関連法案に対する緊急声明」(2015年7月17日)

 

日本国憲法は、破壊的な戦争の反省によって作られた憲法であるとともに、この戦争によって甚大な被害を受けた国内外の人々の尊い犠牲の上に作られた憲法です。特に日本国憲法第9条は「武力による威嚇又は武力の行使の放棄」「戦力不保持」「交戦権否認」を定め、国内外で平和憲法と認められています。この平和憲法があるからこそ、平和国家として信頼され、平和的外交をすすめることができるのです。

 

集団的自衛権の行使を認め、世界中の戦場へ自衛隊を派遣することは、多くの憲法学者も指摘しているように明らかに日本国憲法第9条に違反しています。

 

わたしたちは、「平和を実現する人は幸いである。その人たちは神の子と呼ばれる」(マタイによる福音書5章9節)との、聖書のみ言葉に生きる者です。戦争が平和を実現することは決してありません。

 

わたしたちは、安全保障関連法案の撤回・廃案を求めます。

 

 

<日本基督教団>
「戦後70年にあたって平和を求める祈り」(2015年7月17日)

 

今、日本は、多くの憲法学者が憲法違反と指摘しており、多くの国民が懸念しているにもかかわらず、集団的自衛権の行使容認を閣議決定し、そのための安全保障法案を国会で議決しようとしています。私たちはそのことを憂い、「剣を打ち直して鋤とし、槍を打ち直して鎌とする」(イザヤ書2章4節)平和の実現を願い、為政者が謙遜になり、国民の思いに心を寄せ、秩序をもって政治を司ることができるよう切に祈ります。

 

また、国政に責任を負う者の中に、多くの重荷を負わせられている沖縄の人々のうめきや痛みをかえりみず、言論を封じようとする発言があることに心が痛むと共に、為政者のおごりを感じます。異なる意見に耳をかさず、懲らしめなければならないとうそぶいている権力の担い手たちが、異なる意見を真摯に聞く心を与えられるよう祈ります。為政者が、権力を担うことは民意の委託であることを覚え、民に聴き、民の痛みを知り、民を尊び、民に仕える心が与えられるよう祈ります。

 

(日本基督教団の「戦後70年にあたって平和を求める祈り」のページはこちら → http://uccj.org/news/21806.html

 

 

<日本バプテスト同盟理事会>

「安倍内閣総理大臣への手紙」(2015年7月16日)

 

2015年7月15日、衆議院特別委員会で安全保障関連法案の採決が行われました。総理大臣が「国民の理解が得られていない」との認識があるにもかかわらず、議論を打ち切り、採決を強行したことは許されることではありません。選挙によって選ばれ、多数派となった与党としては、民主主義の原則では当然のことと考えておられることでしょうが、これは正義に反する暴挙です。正義とは、決められたことを守るということです。それは憲法を守るということです。自衛隊が他国と軍事行動を共同することはあってはならないことです。

 

集団的自衛権容認の上に立ったあらゆる法律改正は、近い将来に大きな禍根を残します。米国との関係強化は、抑止力を強めるどころか、戦争ができる国へと向かわせることにつながり、日本の安全が高まるとは到底考えられません。日本の周辺諸国、世界のあらゆる国々との信頼関係を培っていくことこそが今日本政府のなすべきことです。

 

70年前、敗戦した日本は、日本国憲法によって戦争を放棄する決意を表明しました。多くの人々の流された血の上にある平和憲法を踏みにじるような愚行は止めて下さい。私たちは、これらの法案を廃案とすることを強く求めます。今回の安全保障関連法案を廃案として下さい。

 

「剣をさやに納めなさい。剣を取るものは皆、剣で滅びる。」(聖書)

 

(日本バプテスト同盟理事会のページはこちら → http://www.jbu.or.jp/tpc/abe_3.html

 

 

<日本ホーリネス教団>
「安全保障関連法案強行採決に抗議する声明」(2015年7月17日)

 

「神は高ぶる者をしりぞけ、へりくだる者に恵みを賜う」(聖書・ヤコブ書4 章6 節)

 

日本ホーリネス教団は、立憲主義・民主主義の理念に基づき、また、聖書の命ずるところに従い、もしも安全保障関連法案が可決成立したとしても、これを遵守すべき法規として認めることはできません。集団的自衛権の行使を容認する閣議決定から、安全保障関連法案の強行採決に至る法律審議の進め方は、野党各党の質問に真摯に答えようとせず、衆院憲法審査会で参考人として招致した3人の憲法学者らが全員、「集団的自衛権の行使容認を含む安全保障法案は憲法違反」と判断した声にも耳を貸さず、多くの国民が「反対」や「懸念」を表明している世論調査をも無視するものであり、日本国憲法の根幹である「国民主権」の原則をないがしろにする高ぶりと言わざるを得ません。

 

人類の英知でもある聖書は、為政者の「高ぶり」は国を滅びに至らせると警告を発しています。「国民の命を守る責任」を表明するのであれば、わが国と国民に危険を及ぼすような強引な政治手法を速やかに改め、当法案を廃案とするよう強く求めます。

 

(日本ホーリネス教団の声明のページはこちら → http://jhc.or.jp/wakai/statement/index.html

 

 

<戦争法案に反対する宗教者・門徒・信者全国集会>
アピール(2015年8月24日)

 

「殺さない 殺させない」「兵隊も武器も用いない」 この「言葉」がここに集う私たち宗教者・門徒・信者、そして参加者一同の共通の願いであり、私たちの信じる教えの根底をなす「真理」である。

 

かつて70年前まで、私たちほとんどの教団は、その「真理」を投げ捨て、侵略戦争を正義の戦争として推進し、多くの人々を戦場に送っていった。のみならず、戦死者の儀礼を司ることによって、「いのちを奪われた」厳然たる事実を糊塗し、「捧げたいのち」として意味づけ、多くの「いのち」を後に続かせた。その大きな過ちを見つめなければならない。今宗教者がなすべきことは、再び戦死者の儀礼を司ることではなく、「奪われたいのち」の願いに従い、新たな戦死者を生み出そうとするすべての事柄に「否」と声を発することである。

 

現在、安倍政権が成立させようとしている「新安保関連法案」は、日本の国を再び「戦争する国」にしようとする「戦争法案」であり、新たな戦死者を生み出そうとするものである。どれだけ饒舌に言葉を積み重ねても、すべての戦死者の願いを踏みにじり、自衛隊員をはじめとしたこれからの「いのち」に犠牲を強いるものであり、まさに暴挙である。

 

ここにいたって私たち宗教者・門徒・信者は、自らが信仰に生きる「証し」として、現在審議中の「新安保関連法案」の速やかな撤回を求めるものである。

 

(「戦争法案に反対する宗教者・門徒・信者全国集会」アピールが掲載された「宗教者九条の和」のページはこちら → http://www.shukyosha9jonowa.org/news/appeal150824.html

 

 

<瀬戸内寂聴>
「戦争法案に反対する宗教者・門徒・信者全国集会」メッセージ(2015 年8月24日)

 

不安な恐ろしい時代になりました。前の長い戦争の果の敗戦を経験している私は、まさか、自分の生きている間に、またもや日本が戦争を始めたがる国になろうとは思いませんでした。

 

釈尊は、虫も殺さない方でした。仏教の根本は“殺すなかれ 殺させるなかれ”という釈尊のお言葉が据わっています。私たちは仏教徒です。こういう危険の迫る国の方針には、誰よりも早く反対しなければなりません。

 

立ち上がりが遅すぎたと思います。その分、私たちは仏教徒の誇りを持って、日本の未来を守るため、若者や子供たちの前途を守るため、手を組んで立ち上がりましょう。

 

戦争にいい戦争や聖戦はありません。戦争はすべて人殺しで悪です。

 

(瀬戸内寂聴さんのアピールが掲載されたページはこちら → http://www.shukyosha9jonowa.org/news/appeal150824.html

 

 

<立正佼成会>
「すべてのいのちを守るために 『安全保障関連法案』への重大な危惧」(平成27年8月22日)

 

多くの宗教が「不殺生」「非暴力」という精神を大切な価値としています。なぜなら、人間が根源的な暴力性と思いやりの両面を有する弱い存在であることを知っているからです。人類は、他者への無知からくる恐れと、そこから生まれる不信により、これまでも分断、暴力へと発展する歴史を繰り返してきました。それを思う時、私たちには、たとえ一歩でも力を行使する方向に道を開くことが正しい選択であるとは思えません。

 

この七十年間、平和的貢献によって信頼を築き上げてきた日本には「力の文化」ではなく、智慧と慈悲を根底とした「いのちの文化」を発信する重要な役割があります。対話と協力を通して世界に貢献する努力を続ける。それこそが相互信頼にもとづく真の安全保障であると信じます。

 

私のいのちは、私以外のすべてのものに支えられて存在しています。いのちは数ではありません。私たち一人ひとりのいのちは、例外なく無差別的かつ絶対的な尊厳を有しており、隣国にも私たちのいのちとつながるいのちが、それぞれかけがえのない人生を生きています。そしてどの国でも、親は子どもを暴力の被害者にも加害者にもしたくはないのです。

 

平和は平和な心からしか生まれません。私たちは平和を人任せにせず、共に生きるすべてのいのちを守るために、これまで以上に人と人、諸宗教・諸文化間の対話と協力に基づく平和創造を推進することを強く決意するとともに、重大な危険をはらむ「安全保障関連法案」の廃案を求めます。

 

(立正佼成会の声明のページはこちら → http://www.kosei-kai.or.jp/infomation/070/post_502.html

 

 

<真宗大谷派(東本願寺)>
「日本国憲法の立憲の精神を遵守する政府を願う 『正義と悪の対立を超えて』」(2015年5月21日)

 

このような対立を生む根源は、すべて国家間の相互理解の欠如と、相手国への非難を正当化して正義を立てる、人間という存在の自我の問題であります。自らを正義とし、他を悪とする。これによって自らを苦しめ、他を苦しめ、互いに苦しめ合っているのが人間の悲しき有様ではないでしょうか。仏の真実の智慧に照らされるとき、そこに顕(あき)らかにされる私ども人間の愚かな姿は、まことに慙愧に堪えないと言うほかありません。

 

今般、このような愚かな戦争行為を再び可能とする憲法解釈や新しい立法が、「積極的平和主義」の言辞の下に、何ら躊躇もなく進められようとしています。

 

そこで私は、いま、あらためて全ての方々に問いたいと思います。「私たちはこの事態を黙視していてよいのでしょうか」、「過去幾多の戦火で犠牲になられた幾千万の人々の深い悲しみと非戦平和の願いを踏みにじる愚行を繰り返してもよいのでしょうか」と。

 

私は、仏の智慧に聞く真宗仏教者として、その人々の深い悲しみと大いなる願いの中から生み出された日本国憲法の立憲の精神を蹂躙する行為を、絶対に認めるわけにはまいりません。これまで平和憲法の精神を貫いてきた日本の代表者には、国、人種、民族、文化、宗教などの差異を超えて、人と人が水平に出あい、互いに尊重しあえる「真の平和」を、武力に頼るのではなく、積極的な対話によって実現することを世界の人々に強く提唱されるよう、求めます。

 

(真宗大谷派の声明のページはこちら → http://www.higashihonganji.or.jp/news/declaration/10924/

 

 

<アーユス仏教国際協力ネットワーク>

「殺すなかれ、人をして殺させるなかれ アーユス仏教国際協力ネットワークによる安保関連法案に関する宣言」(2015年8月16日)

 

この法案が可決された場合、海外で援助活動に従事する国際協力NGOのスタッフならびに派遣される自衛隊員などの命が危険にさらされるだけではなく、自衛隊員は集団的自衛権の元に他者の命を奪う可能性を伴う任務に就くことになります。さらにNGOにとっては、これまで憲法9条の精神のもとに築かれた現地の人々との信頼関係が崩されるだけでなく、共に活動する現地スタッフが日本のNGOとの協力関係を持ったということで、地域社会から敵視され、危険にさらされることになりかねません。このままでは生かし生かされ合う命のつながりではなく、傷つけ傷つけられる命のつながりが生み出されることになります。

 

これらの法案は、自ら戦争に行くことはなくとも、他者を戦争へと向かわせ、誰かに人を傷つけさせることになります。私たちアーユスは、安保関連法案に反対します。

 

すべてのものは暴力に脅えている。すべてのものは死を恐れる。我が身に引き当てて、殺してはならない。ころさせてはならない。すべてのものは暴力に脅えている。すべてのものにとって、命は愛しい。我が身に引き当てて、殺してはならない。殺させてはならない。 (法句経より)

 

(アーユス仏教国際協力ネットワークの宣言のページはこちら → http://ngo-ayus.jp/column/other/2015/08/20150816/

 

 

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以下は直接的な宗教関係者ではありませんが、宗教系の大学の有志らの声明です。

 

 

<天理大学教員有志>
「安保関連法案に反対し廃案を求める 天理大学教員有志声明」(2015年8月6日)

 

私たちは、天理大学で研究・教育する者として、安倍政権の強引な法案成立を試みる対応には大きな疑問を抱かざるをえません。戦争のない平和な世界をも志向する内容である「陽気ぐらし」という理念、「他者への献身」という平和のために献身するという内容も含んでいる「建学の精神」からは、「違憲立法」でありかつ他国の戦争に日本が巻き込まれる恐れがある法案には反対の声を挙げざるをえません。この機会に、天理大学でも教職員・学生が、「軍事力」を通してではなく、「対話」「外交努力」を通して日本及び世界の平和・安全をどう構築していくのかを議論していくことがきわめて重要であると考えます。戦後70年の節目に、世界的にもブランドである「平和憲法」の意義を再確認する必要があるといえます。

 

上記のような理由から、私たちは、安倍政権の法案に反対し廃案にすべきことを求めます。そして、天理大学教職員、学生、卒業生の皆様にもこの声明に賛同の声を寄せていただき共に日本及び世界の平和・安全をどう構築していくのかを考えていくことを切に希望します。

 

(天理大学教員有志の声明のページはこちら → http://tenriunivasrb.wix.com/tenriuniv-asrb

 

 

<創価大学・創価女子短期大学関係者有志>
「声明」

 

平和は自由な対話、すなわち人権の尊重からはじまります。大学正門に掲げられた「創價大學」の文字は、教育と人権の勝利を信じつつ対話を貫き通し、軍部権力の弾圧により獄死した「創価教育の父」牧口常三郎先生の筆によるものです。いかなる圧迫にも屈せず、民衆のために声をあげること。これこそが創価教育の魂だと私たちは信じます。

 

現在、9割の憲法学者が「違憲」と判断している安全保障関連法案が、安倍政権により採決されようしています。私たちはガンジー、キングの人権闘争の流れに連なる創立者・池田大作先生の人間主義思想を社会に実現すべく学び続けてきました。そこで培った人権意識を持つ者なら、声を上げるべき時は、今です。

 

私たち関係者有志は、創立者・池田大作先生の理念を我が人生の根幹に据え、安全保障関連法案への「反対」を表明します。「英知を磨くは何のため 君よ それを忘るるな」(創立者・池田大作) この言葉を深く心に刻み、「人類の平和を守るフォートレスたれ」との建学の精神を生涯堅持することを、ここに誓います。

 

(創価大学・創価女子短期大学関係者有志のページはこちら → http://sokauniv-nowar.strikingly.com/

 

 

<ヨハン・ガルトゥング博士からのメッセージ>

「安保関連法案に反対する創価大学・創価女子短期大学関係者有志の会(SACAUSB)への公開書簡」

 

皆さんの行動と基本的立場を全面的に支持します。あの法案は違憲であり、9条の第一項第二項に違反しているだけでなく、両項がその根拠としている基盤全体を破壊するものであり、日本を70年前に戻してしまうものです。私は、平和の党だったはずの公明党に深く失望しています。公明党が支持している法案は、「集団的自衛」という誤った方向性のもとに、現在の世界で最も好戦的な国家と同盟するためのものです。これは日本を危険な軍拡競争へ引きずり込み、いとも簡単に戦争へ向かわせるものであり、世界で最も好戦的な国家と共同歩調をとることで、日本を自ら選択していない戦争に巻き込むものです。

 

それよりも、公明党、創価学会、学術者の皆さん、そしてすべての皆さんが、日本全体として、根源的な矛盾の解決にとりかかるべきです。そして現実の積極的平和を北東アジア地域に作り上げるべきであり、それは北東アジア共同体となるでしょう。

 

私の古くからの友人である池田大作氏に呼びかけます。池田氏と私は平和についての対談集を出版し、多くの言語に訳され、創価学会と公明党の指針にもなってきました。その公明党は現在では好戦的な自民党と連立しています。紛争の解決や和解にはなんの役にも立たない破壊的戦争とは明確に一線を画し、九条を北東アジアの「平和の傘」とされんことを。

 

(ヨハン・ガルトゥング博士からのメッセージが出ているページはこちら → http://sokauniv-nowar.strikingly.com/

 

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<アイデアニュース関連記事>

「わたしたちは、戦争法案に反対します」、宗教関係者らの声明まとめ
→ https://ideanews.jp/archives/9655

安倍首相の写真を15枚掲載、育鵬社の教科書ってどんな内容?

→ https://ideanews.jp/archives/9154

高校生の「T-ns SOWL WEST」も参加、戦争法案に反対する関西大行動
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創価大学関係者が安保法案反対の署名活動をする理由、佐野潤一郎さんに聞く
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創価学会員の中に戦争法案反対の動き、大阪でデモ参加者に聞く
→ https://ideanews.jp/archives/6324

柳澤協二・元内閣官房副長官補の講演「安保法制と日本の将来」 全文(1)
→ https://ideanews.jp/archives/5559

 

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<筆者プロフィール>橋本正人(はしもと・まさと) 1986年、産経新聞社入社。写真部員をへて記者となり、兵庫県警捜査一課などを取材。1990年、朝日新聞社に移り、宝塚歌劇を扱う「朝日新聞デジタル・スターファイル」などを担当。2015年、アイデアニュース株式会社を設立し、編集長に。趣味は声楽(テノール)。 ⇒橋本正人さんの記事一覧はこちら

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