幼稚園の時に演じた「おじいさん役」が楽しくて… 中井智彦インタビュー(上) | アイデアニュース

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幼稚園の時に演じた「おじいさん役」が楽しくて… 中井智彦インタビュー(上)

筆者: 岩村美佳 更新日: 2016年6月2日

劇団四季で活躍された中井智彦さんが、「表現者」として新たな活動を始めました。7月2日にファーストアルバム「私の歌を聴いてくれ」が発売され、同日に「中井智彦 Premium Show vol.1」が行われます。そのエネルギーの源は「中原中也」に強烈に惹かれたこと。彼を歌いたいという思いからすべては始まりました。アイデアニュースでは、中井さんに音楽と出会った子供の頃から、現在に至るまでのお話を伺いました。(上)(下)2回にわたってお届け致します。(中井さんインタビューの「下」は6月3日に掲載する予定です)

中井智彦さん=撮影・岩村美佳

中井智彦さん=撮影・岩村美佳

――音楽とはどのように出会ったのですか?

幼稚園の頃から歌うのが好きでした。ただ、引っ込み思案なので、人前で歌うのは得意ではなかったんです。それを幼稚園の先生に見抜かれて。年中さんのときに、お芝居をやったんですね。靴屋のおじいさんが寝ている間に小人たちが靴を作るお話で、小人はアンサンブル的な感じで何人もの子たちがやる役だったので、あまり目立たないと思い「小人をやりたい」と言ったら、先生が「あなたはおじいちゃん役だから」とやらせてくれたんです。おじいさん役は出ずっぱりで、音に合わせて動くのが多くて、すごく楽しくて。そこで演じるというか、音楽に合わせて動くことの楽しさを知りました。年長さんのときは、「眠り姫」で、眠り姫が眠っているときの王様役。「みんな眠ってしまいました」と言って、椅子を持っていって寝て、暗転したらハケるだけですごくつまらなくて。そういうときに「もっとやりたいのか」と感じましたね。

■「やりたい」というより、「歌いたい」「演じたい」と

――幼稚園のときにすでにやりたい思いを見つけてしまった?

「やりたい」というより、「歌いたい」「演じたい」と思いました。自分ではない人を演じるのが面白かったんです。あのとき先生に「やっていいよ」といわれたから続けられているんだと思うんですよ。

――その後は?

僕はボーイソプラノだったのですが、小学校でもいい先生に出会えました。1〜2年生のときの先生が本格的な発声をされる、音楽が好きな先生で、音楽の授業のときに「ファ〜」という発声をするんです。みんなはできなかったけれど、僕は面白くて。ここに当てるとか、あくびで鼻を空けるとかわかるなと思って、声を出したら「今の誰!? いいじゃない」と。それから小学校のときはボーイソプラノの声の出し方をずっとやっていました。でも、小学5年生の頃に、変声期で裏声が出なくなって。

――早いですね。

そうなんですよ! がっかりしました。その頃バスケをやっていたのでバスケに力を入れようと思ったのですが、やはり歌を諦めきれなくて。高校に入ってバンドを組み、ビジュアル系の曲をやったのですが、喉を壊してしまいました。本当は何を歌いたいんだろうかと考え、基本を勉強したいという思いがわいてきて、音楽の大学を受けてみようと思いました。

中井智彦さん=撮影・岩村美佳

中井智彦さん=撮影・岩村美佳

■シューベルトの「美しき水車小屋の娘」などの物語性が好きで

――誰かに声楽を薦められることもなく、声楽に進みたいと思ったんですか?

小学校の頃から中学校までピアノを習っていたんですが、基本的に歌は独学ですよね。だから、喉が壊れたときに、治し方がわからなかったんです。そのとき、「クラッシックバレエはダンスの基本」と知り、クラッシックには声楽もあるから、それが歌の基本なんじゃないかと思いました。ピアノの先生は東京音大のピアノ科の先生だったので、相談して、その縁でいろいろ紹介して頂きました。

声楽は体を使って発声することが一番なので、すごく興味があったんです。もともとボーイソプラノでしたから、バウンドさせて下に軸を持ってあてるという声の出し方をやっていました。そういう軸というか支えがないと、軽い裏声になってしまうんですね。クラッシックで学ぶことで、声の支えの鍛え方を学ぶことができました。結局、歌が好きと言うだけで大学に入ったので、オペラなどを全く知りませんでした。やっていくうちに、ドイツ・リートなどを勉強して好きになりましたね。

――声楽を本格的にはじめたのは、大学に入ってからなんですね。

声楽は高校1年ぐらいからじゃないと、男性の声は安定しないので、その頃からはじめるのがちょうどいいんです。僕は、歌いたくて歌いたくて、歌っているうちにボーイソプラノの声が出なくなりました。でも、歌いたい、歌っていくうちに声が壊れた、じゃあ治そう、治すならば声楽だと。実は、東京芸大しか受けていなくて、落ちたら落ちたでいいと思っていたんです。単純に歌いたいだけでしたから、いざ東京芸大に受かってやってみても、オペラがやりたいのか、歌曲がやりたいのかとか。僕はあまり派手なことが好きではなかったので、歌曲の世界の方が好きでした。シューベルトの連作歌曲「美しき水車小屋の娘」は、20曲のなかで、「恋愛が生まれて叶わなくて死ぬ」というひとりの男を描いていて、そういう物語性がただ愛を歌うというよりすごく好きで。そんなタイミングでミュージカルに触れる機会があって、ブロードウェイに見に行ったんです。

<公演・アルバム情報>
『中井智彦 Premium Show vol.1』【東京公演】2016年7月2日(土) 品川プリンスホテル Club eX
https://www.nakaitomohiko.jp/contents/34453
中井智彦1stアルバム「私の歌を聴いてくれ」 2016年7月2日(土)発売 ¥3,000
https://www.nakaitomohiko.jp/contents/43617

<関連ページ>
中井智彦オフィシャルウェブサイト ⇒https://www.nakaitomohiko.jp/
中井智彦Facebookページ ⇒https://www.facebook.com/nakaitomohiko.vma/
中井智彦オフィシャルTwitter ⇒https://twitter.com/NakaiTomohiko

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中井智彦さん=撮影・岩村美佳

中井智彦さん=撮影・岩村美佳

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<筆者プロフィール>岩村美佳(いわむら・みか)  フォトグラファー/ライター ウェディング小物のディレクターをしていたときに、多くのデザイナーや職人たちの仕事に触れ、「自分も手に職をつけたい」と以前から好きだったカメラの勉強をはじめたことがきっかけで、フォトグラファーに。「書いてみないか」という誘いを受け、未経験からライターもはじめた。現在、演劇分野をメインに活動している。世界で一番好きなのは「猫」。猫歴約25年。 ⇒岩村美佳さんの記事一覧はこちら

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